最近ではあまり見ることができない鮮やかでファンタジックな虹。その魅力を余すことなく描いている絵本がたくさんあります。今回は、メルヘンチックなものから虹についていろいろ分かるもの、ページを開くとと虹が出現する不思議なものまで、おすすめの虹の絵本を5冊紹介します。
絵本を開くと広がる虹の世界
著者: わたなべ ちなつ
出版社:福音館書店
鏡のように反射する特殊な紙でできた絵本で、ページを開くと両側が互いに移り込み不思議な虹の世界が広がります。
画面のなかにいきなり立体的な虹が出現するので、子どもだけでなく大人も驚いてしまいますね。仕掛け絵本としても画期的なもののひとつで、裏表紙の見開きは花火のような美しさが楽しめます。
虹に関するなぜ?がわかりやすく理解できる絵本
著者:さくらい じゅんじ(文) いせひでこ(絵)
出版社:福音館書店
雨上がりに目にすることができる虹をただきれいだという感想に終わることなく、さまざまな疑問をもって追求することができる絵本です。
どうして虹ができるのか、虹を真上から見たらどうなるのか、飛行機で虹を通ったらどうなるのか、など、大人でも解答に困ってしまうような内容をじっくりと読むことができます。
さまざまな疑問に機械的な解説ではなく、ほのぼのとした会話文でわかりやすく書かれているのも魅力です。
美しいパステル画に大人もうっとりしてしまう絵本
著者:ジークフリード・P・ルプレヒト(文) ヨゼフ・ウィルコン(絵)いずみ ちほこ(訳)
出版社:らんか社
それまで仲良く暮らしていたクマの国とオオカミの国の住民たちでしたが、ある日、空に虹がかかったことから平和な暮らしが一変してしまいます。
初めて見る美しい虹が消えたのは、相手が盗み隠したからだと戦争にまで発展してしまいます。
ストーリーと同様に美しいパステル画に心が奪われてしまう絵本となっています。
読み聞かせだけでなく美しいアート絵本としてお子さまの情操を豊かにしてくれることでしょう。
幻想的な絵が美しい
著者: 坂本鉄男(文) いわさきちひろ(絵)
出版社:偕成社
北イタリアの伝説を絵本化した作品です。湖に住む美しい妖精に魔法使いが恋をします。しかし、妖精にふられ腹をたてた魔法使いが虹をちぎって湖に投げたために、湖水が七色に光るようになります。
いわさきちひろさんの淡く幻想的な絵がとても美しくため息の出るような絵本です。
この絵本に出てくる湖は、実際にイタリアにある湖を舞台にしているそうです。「この湖は本当にあるんだよ」と教えてあげたら、お子さまはきっと「行ってみたい!」と思うことでしょう。一緒に場所を調べてみるのもいいですね。こんなことから、お子さまの世界への興味が広がるかもしれませんね。
いくらあげても減らないもの…それは
著者:デビッド・マッキー(作)/きたむらさとし(訳)
出版社:BL出版
虹に色がなくなっちゃった!
パッチワークの象エルマーは自分のカラフルな色を虹に分けてあげようと、森の動物たちとともに虹のふもとを探します。「エルマーの色を分けたらエルマーはどうなっちゃうの?」動物たちの問いかけに、自分の色よりも虹に色があるほうが大切だと言うエルマー。エルマーの優しさに気持ちがあたたかくなります。
最後にエルマーがすばらしい言葉を残します。読んだ後幸せな気持ちになれる絵本です。
メルヘンの世界とリアルな世界で虹を体験できる絵本
5冊とも虹について異なる視点で描かれているので、お子さまに「どの本が読みたい?」と聞き、選んでもらうことをおすすめします。
休日などに、お子さまと一緒に絵本の中の虹の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。