子どもが大きくなるにつれて、そろそろ子どもにお小遣いを渡した方がいいの?と悩むようになったパパママも多いのではないでしょうか。お小遣いを通じて伝えたい「お金」についてまとめてみました。「2年で350万貯めた あきのズボラ家計管理」著者による連載第12回です。
みんなどうしてる?子どものお小遣い事情
お小遣いのあげ方や金額も、ご家庭によりさまざまな考え方がありますよね。
私がこれまでにお引き受けした家計相談では、だいたい小学校に入学した頃からお小遣いについて考えはじめるご家庭が多いようです。本格的にお小遣いとして毎月まとまった金額を渡すようになるのは中学生、高校生になってからというケースが多く見られます。
わが家にも3人の子どもがいますが、本格的なお小遣いが必要になるのは早くて小学校の高学年ごろからだと思いました。
子どもにお小遣いが必要になるタイミングは?
しかし、子どもは大きくなるにつれ、次第に親の手を離れて行動する機会が多くなります。
親と一緒に過ごすより友だちと一緒に過ごすほうが楽しくなってくると、子どもにも小遣いが必要になってきます。
お友だちと一緒にお祭りにでかけたい。外食したい。映画に行きたい。洋服を買いに行きたい。友だちの誕生日プレゼントを別のお友だちと選びに行きたい。
お友だち同士で出かけたいと言われるたびに際限なくお金を渡していたら、いつの間にかとんでもない金額にもなりねません。かといってすべて断らせていると、子どもの交友関係にひびが入る可能性があるのではと心配に……。
家計簿をつけている方だと、このような費用を何費にしたらいいか迷うというケースも見受けられます。
毎月際限なくお金は渡せない。でも少しはお友だちとの交流も経験させてあげたい。そんなときに子どもにまとまった金額の小遣いを渡すことを考えるようになるご家庭が多いようです。
まだ子どもが小さいうちのお小遣いの渡し方は?
ただ、お子さんがお金に興味を持ちはじめたら、お手伝いをしたらお小遣いをあげる報酬制を取り入れたり、一緒に買うおやつ代を決めて渡したりして、お金に触れる機会を作っているご家庭はあるようです。
おすすめは、スーパーなどでお菓子を買うときでも、金額とともに一緒に何を買うか考えること。
「100円で何個お菓子が買えるかな?」
「大きいお菓子を1つ買うのと、小さいお菓子を3つ買うのだったらどっちがいい?」
「これはちょっと高いけど、自分が好きなお菓子を買うにはどうしたらいいと思う?」
など、積極的に声かけをしてみてください。
合計金額だけでなく、予算オーバーしていたら次回分とあわせる、足りない分はお手伝いをするなど、子どもと一緒に考えることからスタートしましょう。もちろん、足し算など算数の勉強にもなりますね。
たとえば、お子さんがキャラクターシール入りの100円のチョコレートが好きだったとしたら、「これは200円だから〇〇チョコ2個分」「これは1,000円だから〇〇チョコ10個分」など、基準を一つ覚えられると金銭感覚が養えます。
年齢に合わせたお小遣いの渡し方を考えよう
そんなときには、年齢に合わせたお小遣いの渡し方を工夫してみましょう。
例えば、毎月学校の課題以外に問題集を1冊解いたらお小遣いをあげるなど、条件つきのお小遣い制にするご家庭もあるようですよ。
条件付きのお小遣い制には賛否両論あると思いますが、各ご家庭で話し合い、お子さんが前向きにチャレンジしたいと思える内容であれば、各ご家庭の判断で取り組んでみるのもよいでしょう。
お子さんの小遣いに家計が圧迫されないよう、お子さんの交際費がかかってお小遣いを追加であげた月は、家族そろっての外食を一回減らしたりして工夫しているという方もいました。
高校生以上のお子さんをお持ちの方は、アルバイトをさせお小遣いだけでなく携帯電話代なども自分で賄わせるようにしているという方も。どのようにお子さんのお小遣いを考えていくのか、ご夫婦できちんと話し合っておけるといいですね。
大切なのは「渡し方」よりも「使い方」
わが子にまとまったお小遣いを渡すようになって改めて思うことは「いくら渡すかよりも、そのお金をどんな場面でどう使うかを教えること」が大切だということ。
毎月渡したお小遣いをただ貯めているだけでは、上手に使えていることにはなりません。当然、お小遣いとしてもらったお金を、何でも目先の欲しいものに使ってしまうようでも困りますよね。
「子どもにいつから、いくらお小遣いを渡したらいいのかしら……」
と、お小遣いの渡し方や金額について悩んでいるパパやママが多いのですが、そのような「お金の渡し方」よりも、社会に出てからも役立つ「お金の使い方」を教えてあげてほしいと思います。
「お金のルール」は小さい頃から明確に
また、わが家ではお小遣いを「ガチャガチャ」など、そのときは楽しいけれどすぐに飽きてゴミにしてしまうようなものに使うのは原則としてNG。同じようなものを何個も持っているのに、さらに買いたがるときには「ひとつ捨ててから」「今あるものを全部使い切ってから」というルールにしました。いくら自分の小遣いで欲しいものを買うといっても、モノが増えすぎて、自分の机の引き出しからあふれてしまい、自分で片付けられなくなってはいけません。
こうした「わが家のお金のルール」は、なるべく例外のない、明確なものにしておくべきでしょう。親と行動を共にしている小さいうちから、一緒に「お金の使い方」について学んでおくと、本格的にお小遣いを渡す年齢になっても自分で考えて上手にお金を使えるようになります。
お金と上手につきあえる大人に成長してもらうために
小さい頃から一貫した金銭感覚が身につけられれば、お小遣いを渡すようになってからも安心して任せることができます。生涯、切っても切れないお金とのつきあい方をマスターできるよう、お金について学ぶ機会としてお小遣いを活用したいですね。