小学校入学前に保育園から幼稚園へ転園し、規律や教育をお子さまに学ばせたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。受験を検討していると、なおさら転園について考える機会も多くなりますよね。この記事では、保育園から幼稚園へ転園するメリット・デメリットをご紹介します。
幼稚園は何歳から入園できる?
なお、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ「認定こども園」の場合は、保育園同様に3歳未満でも入園できます。なかには0歳から利用できるところもあるのです。
幼稚園の認可・無認可の違いは?
幼稚園には、学校教育法をもとに定められた「幼稚園設置基準」というものがあります。幼稚園基準は、子どもの人数に対する先生の人数や設備、カリキュラムなどについて定められています。この基準に達しており、認可の申請が自治体に認められると「認可幼稚園」となるのです。
H30年現在、「子ども・子育て新支援制度」というものが定められています。これにより、私立の認可幼稚園は、新制度を利用している幼稚園と利用していない幼稚園、認定こども園の3種類となりました。認可幼稚園は、国や自治体から補助金をもらっており、比較的利用料が抑えられていることが多いでしょう。
一方無認可幼稚園は、自治体からの補助金がないため、保育料が高額なことが多いです。また、幼稚園設置基準に達していないため、環境が整っていないという心配も。しかし独自のポリシーや目的に基づき教育を行いたいという理由で、あえて無認可を選んでいる幼稚園も見られます。認可幼稚園に比べ、バラエティーに富んだカリキュラムを受けられるところがポイントです。デメリットもありますが、お子さまにより合った雰囲気の幼稚園を選ぶことができるというメリットもあります。
メリット①入学前に集団行動や規律を学べる
また、幼稚園によっては、小学校入学前から勉強にも力を入れているところもあるため、小学校に入学までに読み書きなどを身に付けることができるのも幼稚園へ転園するメリットです。
メリット②幼稚園の行事で様々な経験ができる
家庭でお子さまに色んな経験をさせてあげたいと思いながらも、仕事や家庭の事情で難しい場合には、こうした幼稚園の行事によって、お子さまにさまざまな経験をさせてあげることができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
幼稚園には、こんな行事・イベントがある!
・参観日(年に数回あります。)
・プール学習
・家庭訪問
・お泊り会
・工場見学
・もちつき
・お店屋さんごっこ
・作品展
このほかにも、幼稚園によってバラエティに富んだ行事・イベントがまだまだたくさんあります。幼稚園によっては、幼稚園内で英語や勉強、習い事に取り組んでいることも。これは忙しいママにとって、大きなメリットといえるのではないでしょうか。
また、これらの行事は親子で参加するものや、パパやママのお手伝いが必要なものが多いのも特徴。仕事をしているママにとっては大変なことも多いかもしれません。しかしママ友を作りやすかったり、子どもの様子が見えやすかったりといったメリットもあります。
近所の幼稚園に通園している場合、小学校入学前に同じ学区内の友達を作ることができるかもしれません。入学前に知り合いができると、お子さまだけではなくママも安心です。
デメリット①人間関係で親がストレスを溜め込みやすい
そのため、親同士の人間関係によって親がストレスを多く溜め込んでしまうというデメリットが挙げられます。
また、行事や親同士の集まりは平日に行なわれることが多く、働いている親にとっては、仕事との両立が難しいことも挙げられるでしょう。夏休みなどの長期休暇もあり、その間の預け先も考えなければなりません。
デメリット②保育園よりも出費が多くなる
また、幼稚園によっては行事が多く、記念品などの費用も家庭で負担することが多いです。
そのため、保育園から幼稚園に転園をすることで、出費が多くなるというデメリットが挙げられます。
幼稚園と保育園の費用を比較
文部科学省によると、平成26年度の幼稚園で1年間にかかる費用の平均は、私立幼稚園で約50万円、公立幼稚園で約22万円です。ただし現在(H30年)、私立の認可幼稚園は、新制度を利用する幼稚園と利用しない幼稚園、認定こども園に分かれています。
どの種類の幼稚園かによって利用料が大きく異なりますし、保護者の所得によっても利用料が変化します。詳しくは、お住まいの自治体のホームページ等で確認してみてください。
なお幼稚園の場合、このほかに諸経費がかかることがあります。
筆者の子どもたちが通っていた幼稚園(新制度利用)を例に挙げると、入学時にかかる費用が、制服などすべて合わせて19,000円ほど。
そのほか、毎月かかる費用に以下がありました。
・バス利用料 2,000円
・給食費 3,000円
また、以下のような毎年かかる費用もあります。
・暖房費 9,000円
これに、必要に応じて教材費や行事参加費などがかかります。幼稚園によっては、PTA会費などがかかることも。さらに、延長保育をお願いする場合は延長料金がかかります。筆者の子どもたちの幼稚園では、1か月契約で10,000円でした。
新制度を利用しない幼稚園の場合、このほかに入園料や施設維持費、進級費などがかかることもあります。また無認可幼稚園の場合、利用料金自体も割高なことが多いです。
一方保育園の場合、認可保育園の利用料は、保護者の所得によって変動します。3歳児以上だと、平均で2万円ほどとなっています。こちらも各自治体により異なりますので、気になる方はご確認ください。なお無認可保育園の場合、無認可の幼稚園同様料金が割高になることが多いようです。
保育園の場合も幼稚園同様諸経費がかかることがありますが、行事などが少ない分幼稚園よりは少なくすむといえます。
パパママの収入や勤務時間(フルタイムかどうか)、選ぶ施設などにもよりますが、平均的な料金で考えると幼稚園のほうがお金がかさむようです。事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
メリット・デメリットを踏まえて検討しよう
メリットとしては、集団生活や規律を学べること、お子さまに様々な体験をさせることができることが挙げられます。デメリットとしては、制服や行事のための出費の増加、親同士の人間関係によるストレスが挙げられます。
安易に転園を決めるのではなく、メリット・デメリットの両方を踏まえ、お子さまにとっても親にとってもプラスになる結論を出すようにしましょう。