2018年04月13日 公開

子どもの語彙力を増やすために家庭の会話で工夫できること

子どもの語彙を増やしてあげたいけれども、どうすればいいかわからないと悩んでいませんか?カナダで暮らす筆者は、息子の日本語の語彙を増やすためにさまざまな取り組みをしてきました。その中から、限られた時間で子どもの語彙を増やすことができる家庭での会話術を紹介します。

子どもの語彙を増やしてあげたいけれども、どうすればいいかわからないと悩んでいませんか?カナダで暮らす筆者は、息子の日本語の語彙を増やすためにさまざまな取り組みをしてきました。その中から、限られた時間で子どもの語彙を増やすことができる家庭での会話術を紹介します。

親は子どもの話の聞き役になる

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Photographee.eu / Shutterstock.com
家庭で子どもの語彙力を増やすために大切なことは、家族がたくさん話しかけることだと考える人もいるかもしれません。もちろん、いっぱい話しかけることも大切ですが、それ以上に子どもの話を聞いてあげることが大切です。とにかく、子どもが話したいと思える環境を作るようにしましょう。

たとえば、子どもが話しているときはスマホを触らないようにするなどです。会話が一方的にならないこと、子どもが安心して話せることが家庭での会話をはずませる第一歩です。

そして、子どもの話を聞くときは、ただ合いの手を入れるだけではなく、質問をして話を掘り下げてくださいね。子どもは、聞いてくれる人がいれば、自分の話したいことはどんどん話をしてくれます。

指示語(あれ、これ、それ)を具体的な単語に

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Kateryna Upit / Shutterstock.com
あれ、これ、それ、などの指示語は、ついつい使ってしまいますよね。指示語はとても便利な言葉なので、ママやパパが使っていると、子どももすぐに使うようになってしまいます。ですから、幼児の語彙を増やすためには、親は指示語を極力使わずに、具体的な単語を使うようにしましょう。そして、子どもが指示語を使ったときは「あれって、〇〇のことかな?」と名前をいいます。もし、お子さんの「あれ」が何のことか分からなければ、優しい口調で質問して「あれ」を導きだしてくださいね。

単語で話さないように気をつける

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Serhiy Kobyakov / Shutterstock.com
指示語で話さないことに加えて、単語で話さないことも子どもの語彙を増やすのに役に立ちます。親が単語で話すと、子どもが真似をしてしまうので気をつけましょう。ただ、幼い子どもは、長い文章が聞き取れないので短い文章で話すことを心がけてくださいね。

乳幼児のように単語で話す年齢の子には、短い文章で返事をします。たとえば、言葉を話しはじめたばかりの子が、りんごがほしいときに「りんご」と言ったら、「りんごが食べたいんだね。はい、どうぞ」と渡します。

少し大きくなった子どもがただ「りんご」と言ったときは……「ママはりんごではありません」と冗談風に返すのがオススメです。たいてい、しっかりとした文章で言い直してくれます。使ってはいけない言葉を使ったとき以外は注意をするのではなく、楽しく発言を促すようにしましょう。

絵本・児童書で覚えた言葉を普段の会話で使う

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言葉は何度も聞いて、何度も使うことで定着します。筆者は、絵本や児童書でいいなと思った表現は、積極的に日常生活に取り込むようにしています。子どもは読んだ本の表現をすぐに使いはじめるわけではありません。ときには、何カ月も前に読んだ本の言葉を使うことがあります。ですから、子どもに言葉を無理に言わせるように仕向けるのはやめましょう。

筆者は、息子がいい表現を使ったときに、「すてきな表現を知ってるね」と褒めるようにしています。褒められると、またその表現を使いたくなるのです。この積み重ねで、だんだん語彙が増えていきます。

子どもに勉強と思わせずに語彙を増やす

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Photographee.eu / Shutterstock.com
幼い子どもの語彙を増やすために効果的なのは、ワークブックなどを使った勉強よりも、むしろ家庭での自然な親子の会話です。忙しいママやパパは、ずっと子どもの相手をしているわけにはいかないでしょう。けれども、日常の子どもとの会話を少し工夫することで、子どもの語彙は増えていきます。この記事を参考にできることからはじめてみてくださいね。

赤ちゃんの言葉の伸ばし方で悩んでいる方には『赤ちゃんの言葉を伸ばす教え方!発話を促す話し方のコツ』もオススメです。

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この記事のライター

LOA
LOA

カナダ在住の英日翻訳者・フリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。