赤ちゃんが言葉を話すためには、同じ言葉を何度も繰り返し聞く必要があります。けれども、どうやって言葉を教えてあげればいいの?と悩んでしまいますよね。そんなときは、環境や話し方を工夫すると、言葉のインプットを助け、発話を促すことができますよ。
子どもの言葉の発達への熱意
言葉を伸ばす環境と話しかけ方
著者:サリー・ウォード(著)汐見稔幸(監修)
出版社:小学館
筆者は息子の言葉の発達をサポートするために、たくさんの本を読みました。その中で最も参考になったのが「語りかけ育児」です。著者のサリー・ウォード氏は、赤ちゃんが言葉を取得するには、静かな環境での1対1の対話が重要だといいます。それは、赤ちゃんには、まだたくさんの音を聞き分ける力がないからです。
また、赤ちゃんと話すときは、普段よりもトーンは高めで、ゆっくり、短い文で話すことが大切ともいわれています。このことは、2014年に発表されたワシントン大学とコネティカット大学の共同研究でも証明されています。大人が子どもと1対1で、高めのトーンで、ゆっくり、母音を強調して話した時間が長かった2歳児の語彙は、時間が短かった2歳児の2.5倍ほどでした。
赤ちゃんの見ているもの、気持ちを代弁する
子どもは同じ言葉を繰り返し聞くことで、ものや感情と言葉を一致させます。ですから、発話前の赤ちゃんにも積極的に話しかけてくださいね。朝は「おはよう、今日は天気がいいね」、赤ちゃんが泣いたら「どうしたのかな?お腹が空いたのかな?」といった感じです。最初は、ずっと独り言を言っている気分になるかもしれませんが、だんだん慣れてきますよ。
それから、赤ちゃんが見ているものを親が言葉にしてあげましょう。天井を見ていたら「天井を見てるのかな?天井は白いね。天井には手が届かないね」といった感じです。「天井」が入った短い文をいくつか続けます。さらに、赤ちゃんの気持ちを代弁してあげるのもおすすめですよ。笑顔のときは「嬉しそうだね」、穏やかなときは「リラックスしてるね」などと声をかけてあげましょう。
赤ちゃんの声をしっかり聞く
0歳から絵本の読み聞かせ
筆者は息子が生まれてすぐに読み聞かせをはじめました。0歳から1歳過ぎまでは、赤ちゃん絵本の定番を15冊ほど繰り返し、繰り返し読みました。最初は、もちろん何の反応もありませんでしたが、はじめて絵本に笑顔を見せたときはとても嬉しかったのを覚えています。
絵本は機嫌を良くするためのツールとして使わず、お互いの気分がいいときに読み聞かせをするのがおすすめです。そのほうが「絵本=楽しい」を定着させやすく、言葉の習得に結びつきやすくなります。
ママやパパのしていることを実況中継
出産後は慣れない赤ちゃんのお世話に加えて、家事や仕事などでくたくた。なかなかゆったりと赤ちゃんに話しかけてばかりもいられませんよね。そんなときは、自分のしていることを実況中継してみましょう。
筆者は、「ママはニンジンを切ってるよ」とか「冷蔵庫から卵を出すよ」などと息子に話しかけながら食事の支度をしていました。