知り合いが近くにいない、夫の仕事帰りが遅く、一日中家で一人、育児に追われるなど、地域とのつながりが断たれ、孤独を感じてしまう「孤育て」に悩んでいる方へ―。転勤族の妻である筆者が実践した、見知らぬ土地で知り合いを作るためのちょっとしたコツをご紹介します。
夫の転勤のたびにママ友がゼロに…
転勤すると、夫の仕事が忙しくなって帰りが遅くなるため、子どもと二人きりの時間が長くなるといった状況にも陥ります。
日常で夫以外に話し相手がいない…といった状況は、思った以上にしんどいものです。しかも代わり映えのない日常を過ごしていると会話の広がりもなく、話題はいつも子どものこと。
自分の生きている世界が狭く感じて息が詰まりそうになり、いつまでこの状況が続くのか…と一人悶々しながら子育てをしなければなりませんでした。
転勤族の妻である筆者は、転勤があるたびにそういった状況下に置かれます。知り合いができても、数年後またお別れをし、新たな地でイチから知り合いを作る…。これは相当なストレスです。どうにかして、無理をせずに知り合いを作る術を身につける必要がありました。
無理をしない、あきらめる
しかし、知り合い同志で固まり、楽しそうにおしゃべりしている他のママたちの姿を見て、より孤独感が強まり、早々と退散したことを覚えています。
筆者のように、一人で児童館などに行き、居心地の悪い思いをした方もいるのではないでしょうか。辛い気持ちを抑え無理をしてまで、そういった場に行く必要はないと筆者は思います。
しかし、自分が居心地いいと感じる子育てコミュニティは必ず存在します。自分と同じように悩み、同じように行動しているママたちが集う場は存在します。
行ったコミュニティが合わなかっただけのこと。あきらめて、他のコミュニティを探しましょう。
いつでも安心して行ける場所が見つかれば、子どもとの二人きりの生活をしていてもそれが心の拠り所になり、子育てにも余裕が生まれると筆者は実感しました。
「友だち」ではなく「知り合い」を増やす
筆者が実践している、ちょっとした心がけとは「相手ママの子どもの名前を覚える」。これだけです。
例えば、よく行く公園で初めて一緒になったママと「お子さんのお名前はなんですか?」など、当たり障りのない会話をし、後日またどこかで会ったときに「〇〇ちゃんのママですよね~」と声をかけるだけでも印象が違います。
相手のママもわが子の名前を覚えていてくれたという気持ちから好意的になります。こちらもほどよい距離感で付き合えるため、会話が弾むことも。そうやって知り合いママを増やし、その後ママ友になることもありました。
「気が合わない」のではなく、「考え方が違うだけ」
ただ、同じ価値観のママだけとしか話さない…という限定的な交友関係にも違和感があり、「子育てに正解はない、いろいろな考えがあって当たり前」と割り切ることに。以後、無理をしない程度でお付き合いができるようになりました。
価値観が合わない人でも出会えたことに意味があります。そこからどんな「驚き」や「発見」があり、それが自分の子育てにどう生かせるのかと思うことで、今はすべての出会いを受け入れられるようになりました。
一期一会!出会いは大切に
少しでも時間を共有して楽しかったなら、素直な気持ちを相手に伝えましょう。「楽しかった」と言われて、気分を害する人はいません。
出会いや相手を雑に扱わないことー。それがいい出会いにつながる、近道ではないかと思っています。
「知り合いがいない」ことをあえて発信する
「知り合いがいない」ということはデメリットではなく、それをきっかけに「知り合いを作る」チャンスでもあります。ちょっとした開き直りが時には必要であり、それが現状を打破するコツでもあると思っています。
経験の積み重ねが自分を強くする
最初は、慣れない友だち作りに精神的にも辛かったことを覚えています。しかし、そういった経験が自分を強くし、どこへ行っても「孤育て」しない自信が次第についてきました。
また子育てや人生で自分と同じようなことで悩む「ママ友」は、同志だということに気付かされ、今ではとても心強い存在です。何度も救われ、彼女たちがいなかったら、乗り越えられなかったことも多くあります。
ちょっとした心がけや発想の転換で、交友関係がいっきに広がり、心の拠り所やゆとりが生まれます。無理をしないママ友作りのコツを自分なりに探して、「孤育て」から抜け出すきっかけを見つけてみてはいかがでしょうか。