子どもがきちんとあいさつをしてくれない……と悩むことはありませんか?そんなときは、なぜあいさつをしないのか、その理由を知ることがポイントです。あいさつの基本的なルールや、あいさつを習慣化するための方法を紹介します。
より良い人間関係を築くために大切なあいさつ
私たちは小さいころからあいさつは大事だと教えられて育ちます。朝、家族同士でも元気に「おはよう!」とあいさつを交わすと、とても気持ちがいいものです。
では、なぜあいさつは大事なのでしょうか。
あいさつは、社会人の基本的なマナーでもあり、コミュニケーション作りのきっかけとなるものです。初対面の人や話すことが苦手な人でも、最初にあいさつをすることで緊張がほぐれ、相手によい印象を持たれるメリットも。またあいさつを交わすと、お互いに親近感も湧きます。
コミュニケーションが十分に取れていないと、誤解が生じてしまうのはよくあることです。学校でも職場でも、より良い人間関係を築くために、あいさつはとても大事なことですよね。
あいさつのルールやポイントは?
家族へのあいさつは基本
子どもが、最初にあいさつを覚えるのは家庭内です。朝起きたときや夜寝るとき、ご飯を食べるときや食べ終わった後、家を出かけるときや帰ってきたときなど、1日を通して家族にあいさつをする機会はたくさんあります。
家族間では、甘えや照れくささなどから「ありがとう」「ごめんなさい」が少なくなりがちです。また、子どもが成長すると、家族へのあいさつが薄れていく傾向があるため、きちんと習慣化するように心がけましょう。
相手に合わせたあいさつ
あいさつの仕方は、誰に対しても同じではありません。友だちにはフレンドリーなあいさつをしますが、祖父母や先生など目上の人には丁寧なあいさつをする必要があります。相手を敬う心を大切にして、自然と丁寧なあいさつができるようになるまでは、親がその違いを教えてあげましょう。
笑顔ではっきりと
笑顔で明るくあいさつをすると、良い印象を持たれ、あいさつされた相手もとても気持ちがよくなります。ボソボソとつぶやくのではなく、はっきりとした言葉であいさつすることがポイントです。相手に何を言ったか伝わらないあいさつでは、あまり意味がありません。しかし、いつも大声を出すことが適切とも限りませんよね。状況に応じた適切な声の大きさを心がけましょう。
相手の目を見る
あいさつは、相手の目を見て行うのが基本。相手の目を見ないであいさつすると、かえって相手を不愉快な思いにさせる場合も。もし、他のことをしていても、いったん手を止め、相手の目を見てきちんとあいさつをすることが大切です。
子どもがあいさつをしない理由はコレ!
わが子にも、いつでもどこでも、きちんとしたあいさつをしてほしいと願うものです。しかし、子どもはいつも親が望むようなあいさつをしてくれるとは限りません。子どもがあいさつしないのは、次のような理由があると考えられます。
人見知り・場所見知り
恥ずかしがり屋の子どもは、はじめて会う人や知らない場所、まだ慣れていない場所では緊張してしまい、あいさつができないことがあります。なかには、警戒心が強くなり過ぎて黙り込み、言葉そのものを出せない場合もあります。
あいさつできる気分ではない
叱られた直後など、すねたり機嫌が悪かったりするときは、あいさつをする気分にはなれません。普段あいさつができる子どもでも、何かの理由で情緒が不安定になっているときは言葉が出てこないこともあります。また、特に小さいころはあいさつがまだ習慣化していないため、ただなんとなくあいさつをしたくない気分…という状況にもなりやすいでしょう。
他のことに集中している
楽しいことに夢中になっているときや、友だちと遊んでいるときなど、他のことに集中していると、子どもはそれを止めてまであいさつをすることはほとんどないのでは。親の言葉さえ耳に入らず、何も反応がないことすらありますよね。
どうすればあいさつできる子どもになるの?
親があいさつをする姿を見せる
子どもは、一番身近にいる親の姿を見て育ちます。親はすべてのお手本になるため、まずは親があいさつをする姿をきちんと見せましょう。外出先だけではなく、家族間でもきちんとあいさつをし合うことを習慣化しましょう。
親子で一緒にあいさつをする
恥ずかしがり屋の子どもの場合、親も一緒にあいさつするのひとつです。あいさつをするまでずっと待っていると、それだけで子どもは大きなストレスを抱えてしまいがち。「一緒にあいさつしてみる?」と声かけをすることからはじめてみましょう。
あいさつを促してみる
あいさつが習慣化していない子どもは、どのタイミングであいさつをすればよいかわからない場合があります。また、ただうっかりあいさつを忘れることもあります。そのようなときは、親があいさつするタイミングを促してあげましょう。
無理強いしたり叱ったりしない
子どもがあいさつができないと、親はイライラしてしまいますよね。でも、きちんとあいさつをしてほしいという親の気持ちを優先させて、無理強いしたり叱ったりするのはやめましょう。子どもにとって、あいさつが嫌いなものになってしまうかもしれません。まずは、あいさつできない気持ちを理解してあげることが第一歩です。
あいさつができたらほめる
子どもがきちんとあいさつできたら、大げさなくらいほめてあげましょう。子どもは、ほめてもらうとうれしくなり、また次もほめてほしくてあいさつするようになります。最初はほめてもらうことが目的でも、あいさつで相手が笑顔になったり仲良くなったりすれば、自然とあいさつするのは気持ちいいことだと思えるはずです。
あいさつは毎日継続することが大切!
きちんとしたあいさつができることは、子どもの将来に大いに役立ちます。しかし、あいさつはすぐに身につくものではありません。あいさつが習慣化するまでは、毎日継続させることが大切です。
子どもの成長には個人差があるため、親は焦らずに根気よく見守りましょう。あいさつがなぜ大切なのかも一緒に教えてあげられるといいですね。
参考文献:小笠原流三十一世宗家 小笠原清忠、小笠原純子 (著)(2015年)『小笠原流こどもの礼法』 一般財団法人 礼法弓術弓馬術小笠原流
「自分からあいさつができる子」に育てる3つのステップ
あいさつは、コミュニケーションの大切な入口。その場にふさわしいあいさつができると、良好な人間関係を築くための大きな助けになります。
こちらの記事では、子どもがあいさつできるようになるコツを3ステップで紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。