私は、子どもの頃から絵を描くことが好きでした。黙々と描いているようで色々と考えていたし、自分なりに人生プランを立てて過ごしてきました。今回は、絵を心の支えにしていた子ども時代を振り返りたいと思います。
絵ばかり描いている子どもだった自分
好きなことに支えられていた幼少期
幼少期の私にとって『絵を描く仕事に就く』ということは、心の支えでした。ちょっとくらい嫌なことがあっても、その夢があるから頑張ることができたので、好きなことがあるというのは自分を支えるものだと思いました。
絵を描くことが好きでよかったことは、同じように絵を描くのが好きなお友だちと表現を通した交流ができたことでした。年上のお姉さんの画力に圧倒されたり、同級生の絵に刺激を受けたり、一緒にマンガを描いて見せあったり。子どもなりに、真剣に表現方法を模索して過ごしていました。
だから、子鉄の息子が、同じ子鉄のお友だちを自力で見つけ、大好きな電車について熱く語り、情報交換している姿はすごくいいなと思うんです。
子どもの頃に戻って、大人にひと言物申す
そして、友だちと遊ぶよりも絵を描きたい気分の日もあるんです。学校で描きたい絵の構想を練って、「帰ったら早速取り掛かろう!」とワクワクして帰宅すると、母に「お友だちと遊んで来たら?」と言われたときは心外でした(笑)。
絵を描くことは、メンタル面にも影響を及ぼしていました。悲しいことや嫌なことがあったときほど、絵にぶつけるのです。人に相談できないことも、絵の中の自分に解決させることで、自分と向き合っていました。だから、絵ばかり描いているお子さんも、そうやって自分で自分を癒やしているのかもしれませんよ。
絵を好きになったのは、母親の影響だった
美術館や、のちに私が通うことになった美大の展示に連れて行ってくれたことも印象深いです。子どものうちは、大人が教えてくれないとそういった展示があることすらわからないですよね。正直、難しい作品も多かったけれど、絵を見て過ごす時間そのものが楽しかったです。
また、母が読んでいたマンガ本や、見せてくれた映画にもかなり影響受けています。母と一緒に図書館やレンタルビデオ屋さんに行くのが好きで、どんな作品があるのかワクワクしながら眺めていました。
そして幸運なことに、親やまわりの大人たちが私の絵を肯定してくれたことが大きいです。大人にアドバイスを求めていなかった私にとって、「もっとこう描くといいんじゃない?」と言われないのも、自分の性格には合っていました。