テレビなどでもお馴染みのさかなクン。東京海洋大学名誉博士であり、内閣総理大臣賞も受賞した彼が、実は大学を出ていないことをご存知でしょうか。自分の「好き」を追い続け、遠回りしながらも夢をつかんださかなクンの著書には、子育てのヒントが満載です。
子育てのヒントが満載の「さかなクンの一魚一会」
著者 :さかなクン
出版社 :講談社
さかなクンの自叙伝「さかなクンの一魚一会(いちギョいちえ)~まいにち夢中な人生!~」は、お魚好きの少年が試行錯誤しながらも、幸せに夢を叶えるまでの軌跡を描いたストーリー。
具体的で親しみやすいエピソードばかりで、筆者も夢中になって読んでしまいました。育児本ではないですが、子どもの〈好き〉を伸ばしたい、〈夢〉を応援したい子育て中のパパママへ、心に残った3項目をご紹介します。
さかなクン流!夢の見つけ方
小学生の頃、たまたまお友だちが落書きしたタコのイラストがきっかけでタコに興味を持ち、いつしか釣りに目覚め、最終的に今のライフワークであるお魚にたどりついたといいます。
もちろん、幼少期のトラック観察、お絵描き三昧によって養われたセンスは、魚をテーマとして生きる今も大きな支えとなっている様子。心おもむくまま、突き動かされるままに進むことは、〈夢〉への近道なのかもしれません。
さかなクンの夢を支えた家族の力
さかなクンにとってお母さまは、自分の〈好き〉に興味を持って話を聞いてくれる存在であり、ときに背中を押し、一緒に立ち向かってくれる存在だったに違いありません。他人と違う選択をしても絶対信じてもらえる存在というものが、どれほど子どもに安心感とパワーを与えるのかをひしひしと感じました。
プラレールでもどろんこ遊びでも何でもよいはず。「何をしているの?」「へぇ、パパやママにも教えて~」といった共感の態度や声掛けを日々の生活で心がけていくことが、きっと子どもの自信につながるのだと思います。
さかなクン流!「好き」がいじめを救う⁉
人の顔色を意識するよりも自分の好きなことばかりやっていた。その時間が楽しくて仕方なかったから、陰口を言われていたとしても気が付かなかったのかも……
上記の記述にも表れていますが、「好きなこと」であり、「夢中で打ち込める何か」を持っている人は本当に強いのでしょう。逆境に立たされた時でも、「好きなことに打ち込むこと」が自分を守る手立てになる、というのには何とも勇気付けられます。
さかなクンならではの「いじめ」の考え方
こちらはさかなクンが、朝日新聞の連載「いじめられている君へ」に寄稿したもの。彼らしい視点と含蓄に溢れています。詳細は以下よりご覧ください。
朝日新聞デジタル:いじめられている君へ – 教育
最後に:さかなクンの著書からの学び
「夢を叶える」ということは、歌手になりたい!レーサーになりたい!という子どもの言葉をそのまま具現化する、ということではなく、〈好き〉を追求しながら〈夢〉のカタチを明確にしていき、修正しながら自分なりの生き方を見つけること、なのかもしれません。
そばで見守る親にも正解はありませんが、子どもの放つさまざまなメッセージを大切にしたいものです。
【おまけ】さかなクン流!水族館の楽しみ方
著者 :さかなクン
出版社 :ブックマン社
おまけとして、さかなクンがガイドする、小さなお子さまでも楽しめる、魚の魅力がたっぷり詰まった1冊をご紹介したいと思います。
この本はお魚や海の生物の図鑑風でありながら、その魚が見られる全国の水族館のリストになっているという優れもの。写真(すべて水族館で撮影されたもの)が豊富なため、字が読めないお子さまでも大丈夫です!さかなクンによる「ぎょぎょPOINT」という見どころコメントもオススメです。どれだけ彼が魚を愛し、他の人にも楽しんでもらいたい!という気持ちを持っているかがうかがえる1冊でもあります。