パパママなら必ず一度は悩む問題が「子どもに専用の部屋を与えるべきか」ということです。専用の部屋は子どもにとって「自分の城」。それを与えることは、大人への第一歩です。子ども部屋が子どもの成長に与えるメリット・デメリットを軸に、この問題を一緒に考えてみませんか?
古くて新しい「子ども部屋問題」をどう考えるか?
子どもの反抗期や素行不良を目の当たりにした親たちは、「子どもに部屋を与えると、悪友同士のたまり場となり、わが子が不良になるのではないか……」という漠然とした不安を抱えていたのです。
他方で、子どもが自分の部屋をもつことで得られる教育的な効用を優先すべきという声も根強くありました。自分だけの空間を所有することで、「個の自覚」が生まれ、自立への近道となるという考え方です。
論争の決着はつかず、今なお子育て論の大きなテーマとして議論されています。
子ども部屋を与えるメリットとは?
・「自分の城」を与えられることで、独立した個人としての意識が芽生える。
・部屋で自分の所有物を管理できるので、整理整頓する力がはぐくまれる。
・プライバシーを確保できる。それは同時に、他人のプライバシーを尊重する意識も養われる。
このように、一般的に子ども部屋には、子どもを大人へと成長させる効用があると考えられています。
子ども部屋を与えるデメリットは?
・親の目が届きにくくなるので、自由に時間を使えるようになり、際限なく遊んでしまう(ゲームやパソコンなど)。
・引きこもりの拠点になってしまうかもしれない(部屋を与えること自体が引きこもりの原因になるわけではないが、「助長する可能性」はある)。
・部屋を与えることで独立した個人の意識をもたせることは大切なことだが、まだ子どもが幼い場合、やり方を間違えると「単なるわがままな子」に育ってしまうことがある。
子どもに部屋を与えるには、あらかじめそれなりのしつけが必要なのかもしれませんね!
「教育方針」の延長線上に答えがあるかも?
「早く自立してもらいたい」と考えているなら、多少のデメリットには目をつぶる覚悟で、早い時期から子ども部屋を与えるのも一つの選択でしょう。
他方、「特に幼い子どもの時期はしっかり親の目の届く場所で育てたい」と思うなら、部屋を与える意義は少なくなります。
結局、パパママの教育方針がまず先にあり、その上で部屋を与えるかどうかを決めればよいということになります。
肝心なのは「タイミング」と「使わせ方」
思春期の子どもはナーバスな言動が多くなるため、パパママとしては「一人にしておくと何をするかわからない……」という不安を持ちがちです。
でも、子どもが自分の悩みと向き合うには、一人になれる時間と場所がどうしても必要です。「食事はかならず家族一緒に」「部屋に鍵をつけない」など、使わせ方には注意が必要ですが、やはり思春期の子どもに部屋を与えることの効用は否定できないでしょう。
どのタイミングにするかはそれぞれの教育方針次第ですが、一般論としては子どもの思春期が適切だと考えることができます。