子どもが成長してくると、身支度など自分のことは自分でしてほしいと願うもの。しかし、実際は親が望むようには進まずイライラしていまいます。筆者の長男もそうでした。子どもの自立を促すために取り組んできたことや、今になって感じる親の関わり方についてお話します。
過干渉過ぎたことが原因かも……
しかし、幼稚園の年長のころだったか、自分でなにもできない、考えられない子どもになりつつある長男に不安を抱きはじめました。まわりの子どもが自分で身支度をはじめるなど、焦るばかり……。幼稚園の先生に聞いてみると、園では着替えなどは自分できちんとやっていると言われました。
おそらく長男にとっては、筆者に頼っているというより、筆者がするのが当然という認識だったと思います。
先回りせずに待つことがポイント
そして「そんなことができるようになったんだね。お家でも見たいな」と伝え、さらに「〇時に出発するから(時計の針が〇にきたら出発するから)、準備してみてね」と声かけし、見守ることにしました。
自ら着替えようとする姿は見えるものの、スピードがゆっくりだったり、洋服のボタンがとまっていなかったり……。イライラし、気持ちを抑えるのが辛い毎日。お願いされてもいないのに手を出してしまったり、「早くしなさい」と口を出したりすることもありました。
このような状況は、小学2年生のころまで続いていたと思います。長男は朝の身支度、宿題や時間割など学校の準備が間に合わず、涙ぐむこともありました。
遅刻をして周りに迷惑をかけるときは手伝いますが、自分だけが困るときは手を出さないようにしています。困った経験がないと、改善されないからです。「子どもは私の体の一部ではない、切り離して考えよう」と割り切る努力を続けています。
適度な距離感、結果だけでなく過程に目を向ける
ベッタリ寄り添ってお世話をし過ぎたり、手を離し過ぎたりするのではなく、子どもと適度な距離感を保つことは必要です。そのうえで、どのような声かけができるかがポイントになります。
長男が身支度や学校の準備を自分ではじめたころ、できていなかったり、助けを求めたりしたときに「ここまではできたね」と、行動したことを褒めていなかったかもしれません。結果ばかりに目がいっていたと、反省することがたくさんあります。
好奇心を受け止めることが自立への第一歩!
長男が「ハサミを自分で使いたい」「お風呂で自分で体を洗いたい」「キッチンで包丁を使ってみたい」と言われても、「危ないから」「筆者がやった方が早いから」と、その気持ちを受け止めていないことも多かったかもしれません。
現在、小学5年生になった長男は、まわりと比べると自立のスピードは遅め。これは小さいころの筆者の関わり方が、問題だったと反省しています。まずは、子どものやりたいという好奇心にきちんと向き合い、受け止めることが自立の第一歩だと思います。
そのことに気づいてからは、長男が「一人で寝て目覚まし時計で起きてみたい」「バスに一人で乗って習い事に行きたい」と言ってきたときは、できるだけその気持ちを尊重しています。それが長男の自信にもつながり、徐々に長男のペースで自立心が芽生えてきています。
環境づくりをしながら、親も子どもと一緒に成長しよう!
環境を整えることも大切です。子どもが洋服の出し入れをしやすいようにしておくことや、幼稚園や小学校などで必要なものを一箇所に集めておくなど、できることはないか、再度見直してみると良いかもしれません。
実は今でも我慢できずに先回りやお世話をしてしまうときもあります。イライラして「あれはしたの?これは持ったの?」「早くしなさい!」と言ってしまいます。親も忍耐が必要で、子どもと一緒に成長していかなければと思う毎日です。