日本の学校でも、ICT(情報通信技術)の導入が積極的に行われるようになってきました。今後はどうなっていくのでしょうか?オーストラリアにおけるICTの利用は、すっかり教育現場にとけ込んでいます。オーストラリアの幼稚園・小学校低学年の教育におけるICT活用教育事情を紹介します。
ICT化が進んでいるオーストラリアの学校
筆者は4年前に家族で日本からオーストラリアに転居しました。オーストラリアの学校教育について驚いたことのひとつが、ICT化が進んでいることでした。パソコンやタブレット、インターネットなど、日本の学校よりも積極的に使われている様子に、大変びっくりしました。
幼稚園からタブレットを使用
筆者の子どもが通っていた幼稚園では、授業の一環としてタブレット(iPad)を使う時間がありました。週に1時間ほど、ゲームなどをやっていたようです。まずこのような形で「ICTを使うことに慣れる」ことからはじまります。
YouTubeを教材として活用
また、ネット上のさまざまな素材が、教材として活用されます。
たとえば、YouTube上には、幼稚園や低学年の子どもが楽しく学習するための動画がたくさん上がっていますが、授業中にプロジェクターを通してクラスで視聴しています。
子どもたちは楽しく学びながら、ICTがどんなふうに活用されるのか、を日常的に見て育ちます。
先生にとっても、効率よく教材を準備できる、というメリットがあるのではないでしょうか。
読み書き・算数の自主学習もオンラインで
英語の学習には、Reading Eggsというプログラムが使われています。デジタルの本を読んだり、つづりや発音の学習をオンラインで進めるようになっています。
また、算数には、Mathleticsというプログラムが使われています。計算や図形など、幅広い算数のトレーニングがオンラインで楽しく行えます。
パソコンさえあれば、子どもは自分のアカウントにログインし、いつでもどこでも取り組むことができます。進み具合は、先生や親がオンラインでチェックできます。
Learn to Read Program for Kids – ABC Reading Eggs
Love learning maths with Mathletics: A winning combination
ICTを使う際のルールも学ぶ
小学1年生になると、ICT教育も本格的にはじまりますが、その際、子どもたちがまず最初に学ぶのは、
・信頼できる大人以外の前でログインしてはいけない
・信頼できる大人以外に自分の名前やアカウント、パスワードなどを教えてはいけない
・ICTを使う時は、親や先生の指示を守る
といったことです。
さらに、「信頼できる大人とはどんな人?」という議論に発展させるなど、【社会ルール】や【安全教育】と関連付けながら、ICTの取り扱いについて学びます。
終わりに
しかし、現代のライフスタイルにおいて、スマホやパソコン、タブレットなどを使わずに生活することはほぼあり得ません。オーストラリアのICT事情を知り、「子どものうちからきちんと使い方を教え、上手に活用することが大切かも」と思うようになりました。
日本の学校でも、ICTの導入は今後さらに進んでいくでしょう。楽しく、効率のよい学習につながっていくことを、期待したいですね。