2018年05月03日 公開

幼児期の子どもを上手に褒めるコツは?褒め上手な親になるために

子どもを褒めることの重要性はわかっていても、心から褒めるのが難しい、どうやって褒めたら良いかわからない、という悩みを抱えている方は多いものです。子どもを褒めるときのコツやテクニック、できるだけ避けたい褒め方などをご紹介します。

子どもを褒めることの重要性はわかっていても、心から褒めるのが難しい、どうやって褒めたら良いかわからない、という悩みを抱えている方は多いものです。子どもを褒めるときのコツやテクニック、できるだけ避けたい褒め方などをご紹介します。

褒めることはなぜ大切?

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子どもを育てる上で、「褒める」という行為はなぜ大切なのでしょうか。

子どもは、周囲の人々から褒められることで、「自己肯定感」と「自信」を身に着けることができます。

自己肯定感が身に着く

自己肯定感とは、自分の存在価値を肯定できる感情のことです。「今の自分でOKだ」と自分にマルをつける力、ともいえるかもしれません。

「褒められる」ということは、「認められる」こととよく似ています。子どもは「褒められる」ことによって「自分は価値のある存在として認められている」という実感を得ます。

「今のあなたが素晴らしい」と褒められることで、子どもは自己肯定感を育み、自分を大切にしながら伸び伸びと生きていく力を得ることができます。

自信が身に着く

自信とは、自分の能力を信じることです。

子どもは褒められることによって、「自分はできるはずだ」という自分自信への信頼を育てます。それにより、未知のことに挑戦する勇気を持ったり、一度や二度の失敗ではくじけない心を得たりできるのです。

また、自分に自信があれば、相手の意見を尊重することを恐れなくなります。

意欲的に行動でき、円滑なコミュニケーションが取れるようにするために、子どもの自信を育てることはとても大切です。

子どもを褒めるコツ

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「自己肯定感」や「自信」を育むために褒めることは大切ですが、実際のところ、3~6歳のやんちゃな盛りの子どもを褒めるのは大変なことです。褒める機会よりも、怒ったり叱ったりする機会の方がはるかに多い、と感じるパパやママは多いのではないでしょうか。

とはいえ、ちょっとした「褒めるコツ」を意識することで、子どもを褒める機会を増やすことができます。

努力の過程を褒める

社会人になれば、基本的には「努力の過程」ではなく「成果物」に対して評価が下されます。どれほど努力をしたとしても成果を残せなければ、高い評価は得られないでしょう。

しかし子どもを育てるときは、結果ではなく、努力の過程を見るようにしましょう。「やろうと挑戦したこと」「努力をしていること」を褒めることで、子どもは「今の自分が認められている」と感じ、自己肯定感を強く持つことができます。

子どもも成長すれば、いずれは成果で判断される日が来ます。しかし、それまで十分に自己肯定感を養うことができていれば、「できないこともあるけれど、それでも自分には価値がある」と、健やかに成長し続けることができます。

「よくできたね」と成果を褒めるよりも、「がんばっているね」「自分でやってみようという気持ちが素晴らしいよ」と、「子どもが今まさにやっていること」に着目して、声をかけてあげましょう。

感謝や感激を伝える

「褒める」というとハードルが高いような気がしますが、「子どもの小さな成長に感謝や感激を表す」のも、子どもにとっては褒められているのと同じ効果があります。

トイレに行きたいと言えた、絵が上達したなど、子どもの成長に気がついたら、「ありがとう、助かるよ」「この絵、とてもカラフルで大好き」と、感謝や感激を伝えてみてください。

「子どもの褒めるポイントが見つからない」と感じる方は、1年前のことを思い出してみましょう。きっとできるようになったことがたくさんあるはずです。「こんなこともできるようになったね。うれしいな」という声かけも、効果的な「褒める」方法のひとつです。

第三者をからめた「褒める」テクニック

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「褒める」効果をより高めるテクニックのひとつとして、第三者をからめて褒めるというのもおすすめです。

伝聞形式で子どもを褒める

子どもに限らず、人は「第三者からの褒め言葉」を、より強く信じるという傾向があります。

保育園や幼稚園などで、子どもの成長や、園での良い行いなどを、先生から教えてもらえることがあるかと思います。そのときは、ぜひ心にとどめるだけでなく、子どもに「〇〇先生があなたのことを褒めていたよ」と伝えてあげてください。

直接褒めることも、もちろん子どもの成長につながりますが、第三者からの褒め言葉は、さらに効果的に子どもに響きます。

第三者がいる前で子どもを褒める

先生や友人に子どものことを褒められると、つい「そんなことはない」と謙遜してしまいがちです。

ただ、子どもは謙遜を「否定された」と受け止めてしまう場合があります。子どもがそばにいるときは、できるだけ共感の言葉を返しましょう。

例えば、「絵が上手ね」と褒められたのなら、「絵が上手だって。うれしいね」と子どもに声をかけてみる。「年下の子に優しくしていましたよ」と言われたら、「最近は妹のお世話もしてくれるので助かっています」と子どもへの感謝を表す、といった方法があります。

人前で褒められるのは、子どもにとってはとても誇らしいことです。謙遜は美徳ではありますが、褒められたときは素直に親子で喜びたいですね。

できるだけ避けたい褒め方

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「褒める」のは、子どもの「自己肯定感」や「自信」を養うのに大切な行為ですが、褒め方によってはマイナスに働いてしまうこともあります。

結果だけを褒める

「100点がとれてすごいね」といったような、結果だけに注目した褒め方をしていると、子どもが「結果を出さなければ褒めてもらえない」と、不必要なプレッシャーを感じてしまう場合があります。

良い成績が残せたことを褒めるのは、もちろん悪いことではありません。ただし褒める場合は、必ず努力の過程についても褒めるようにしましょう。

他人と比較して褒める

「お兄ちゃんより早くできたね」「クラスで1番だったね」というような、兄弟や他人と比較する褒め方も、望ましいものではありません。

他人との比較で褒められることに慣れてしまうと、子どもは常に周りと自分を比べるようになります。価値基準を自分の中に持てず、周囲の人間に影響されやすくなるため、過剰な敵対心を持ったり、逆に劣等感を持ってしまったりと、精神的に不安定になりかねません。

比較対象が必要な場合は、他人と比較して褒めるのではなく、過去の子どもの姿を思い出して、「昔より上達したね」と成長を褒めてあげるのが良いでしょう。

才能を褒める

何気なく言ってしまいがちですが、「あなたは頭が良い」のような子どもの才能を褒めてしまう言葉は、子どもの挑戦心をくじき、失敗を恐れる傾向を強めてしまう可能性があります。

子ども自身がどうしようもできない才能の部分を褒めるのではなく、子どもが努力で改善できる部分を褒めてあげましょう。そのためには、「褒めるポイントをできるだけ具体的に言う」のがおすすめです。

単純に「頭が良いね」と褒めるのではなく、「折り方を工夫して新しい形の星を作ってみたんだね、頭が良いね」と伝えた方が、子どもは自分の努力が認められたという喜びを実感できます。

「褒め上手」な大人を目指そう!

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褒められることによって育つ「自己肯定感」や「自信」は、心健やかな大人になるためにとても大切なものです。

特に3~6歳は心の土台を作る時期。小さな成長を見つけて子どもを褒めることに慣れてきたら、ぜひ、「オーバーリアクション気味に」「子どもと目を合わせて」褒めることも意識してみてください。かける言葉は同じでも、子どもの心により強く響きます。

「褒める」というのは、簡単なようでいて、意外と難しいものです。子どもの発達とともに、親も「褒め上手な大人」になれるよう、一緒に成長していきたいものですね。

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この記事のライター