小学校受験において「願書」は単に受験票をもらうために送付するものではありません。親の熱意を伝えるための重要な手段となります。
10月に入ると受験を予定しているご家庭では最後の仕上げに入っている時期かと思いますが、親が最も頑張らなければならないのが今回のテーマである「願書制作」になります。
塾に通っている方々は願書の添削もあるかと思いますが我が家は塾に通っていなかったのでセオリーを知らず大変苦労して書き上げたのを覚えています。
小学校受験における「願書の重要性」
小学校受験において「願書」は単に受験票をもらうために送付するものではありません。親の熱意を伝えるための重要な手段となります。
その理由は願書に書いた内容が小学校受験における合否の比重が高い「面接」での話題に使われる場合が多いからです。
願書を書く前の準備
1:願書を入手する
2:未記入の願書を複数枚コピーする
どのくらいの文字数が書けるのか、コピーを使って確認しておきます。
3:筆記具を用意する
書きやすい黒のボールペンを用意します。
私は速乾性の水性ボールペンを用意しました。
油性ペンや油性ボールペンだと書いているときにインクが手について紙を汚してしまう可能性もあります。
4:辞書を用意する
漢字は楷書体ではっきりと書きますが省略した字体などになっていないかなど、不安な点は辞書で調べて正確に記載します。
辞書は紙のものでも電子辞書でもOKです。
願書の内容
決められたテーマに沿うなどの指示がある場合もあるので、要項をしっかり確認しましょう。
志望動機を書くコツ
なぜこの学校に子どもを入学させたいのか、という熱意をここに示します。
願書はその学校への「ラブレター」です。学校への想いをここにぶつけましょう。
ですが、たくさん書けば熱意が伝わるというわけではありません。
読む相手のことを考えて、読みやすい文章であることが大切です。
伝わらなければ意味がありません。
志望動機を書くときにどんなことに気をつけて書けば良いのでしょうか。
伝わる文章を書くには
・起承転結
・三段論法
などという言葉を聞いたことがあるかと思います。
「三段論法」はアリストテレスが提唱したと言われているわかりやすい物事の伝え方を表す方法で、はじめに「大前提」「小前提」を挙げ、最後に「結論」を述べるものです。
事例としてよく挙げられるものは
(大前提)すべての人は死すべきものである。(小前提)ソクラテスは人である。
(結論)ソクラテスは死すべきものである。
これを願書作成に当てはめた場合どうなるかというと、
(大前提)
・私達には小学校入学を控えた娘がいる
・我が家には教育方針がある
・その教育方針に沿って娘は育っている(小前提)
・御校にはこのような教育方針がある(結論)
・我が家の教育方針と御校の教育方針は合っている
・娘をぜひ御校に入学させたい
文章の骨組み以外に大切なのは、冗長な文章を書かないことです。
できるだけ一つの文章は短くすることと、主語や述語などの関係性を考えて、第三者が読んで理解できる内容かどうかを良く考えて何度も推敲します。
文章を書く前にネタを書く
・教育方針とその具体例
・我が子の良い点が出ている具体的なエピソード
・志望校の教育方針で共感しているところ
・実際に見て聞いて感じた志望校のエピソード
・子どもが最も志望校に合っていると思う点
を思いつく限り洗い出していきます。
我が家は共働きですので、夫とGoogleスプレッドシートを共有化し、ネタ帳を作りました。お互いに気づいた点を空き時間にどんどん書き入れていき、週末など顔を合わせられるときに一緒に見て話し合いを行いました。
外出先でも思いついたことがあれば忘れないうちにスマートフォンを使ってどんどん書き入れていくようにしていました。
Googleスプレッドシートでなくても使いやすいものであればなんでも良いと思いますが、配偶者と内容を常に確認できるようにクラウドを利用するなどして共有化すると良いでしょう。
ポイントになるのは具体的なエピソードです。
どんなことがあったのか、思い出せる限り詳細にネタ帳に書いていきます。その具体性が訴求力のある願書制作に繋がります。
願書を書くときに気をつけること
学校のカラーも様々ですが、特に低学年のうちは学校教育への保護者の積極的な参加を求める学校も少なくありません。
小学校受験で入学試験で面接を行う理由はそれぞれのご家庭が学校に合っているか?さらに合わせられるか?をみているのだと思います。
今回のコロナ禍においても学校のあり方は様々でしたが、私立・国立校は公立校とは違う独自の取り組みを行っているところも多いです。保護者の負担もそれなりにありましたが、学校の考えに共感し子どもの教育が最善であるようにサポートできるのが当たり前になっています。
中学受験と違って、試験の点数だけで合格するものではなく、家庭力が問われるのが小学校受験です。
子どもを学校と協力して「共に育てていける家庭」であることを願書からもしっかりとアピールしましょう!
願書を書き終わったあと
願書の内容をもとに面接が行われます。
内容をしっかりと頭に叩き込むためにコピーを取ります。
我が家はスキャナでデジタルデータ化し、仕事や外出の合間にも確認していました。
・願書の内容を家族で話し合う
面接で家族がバラバラの発言をしないように願書で書いた内容は必ず家族で共有化しましょう。
特に子どものエピソードは子ども自身が忘れていることも多いです。
本番で「?」とならないようによく話しておくことをおすすめします。
小学校受験の準備の中で、個人的には最も骨の折れる内容だった「願書制作」。
多くの受験生は塾に通っているので塾の先生に添削をしていただけるので安心ですが、我が家のような家庭でも願書を書くことができましたので、参考にしていただければと思います。学校に合う子どもと家庭であるということを伝えられるような願書に仕上げられるようにがんばりましょう。
次回もお楽しみに。