読み聞かせをしているとき、子どもが飽きてしまうことってよくありますよね。観察すると、楽しい絵や短いセリフにはくいつく一方で、長めの文章や単調な展開が続くと飽きてくるようです。そこでオススメしたいのが「しかけ絵本」。国内外の傑作しかけ絵本を4冊ご紹介します!
魔法の時間がいつまでも続くように……
でも、ちょっと気になるのが「子どもが飽きてしまう場合がある」ことですよね。文字の量が多めの本だとその傾向が強くなります。そこで登場願うのが「しかけ絵本」です。しかけ絵本の歴史は古く、西欧では1600年代から、日本でも大正時代には出版されていたそうです。
しかけ絵本の傑作!『パパ、お月さまとって!』
著者 :エリック・カール(作)/もり ひさし(訳)
出版社 :偕成社
貼り絵を用いた芸術的な作風で知られる世界的絵本作家、エリック・カール。世界的ベストセラー「はらぺこあおむし」はあまりにも有名ですが、この『パパ、お月さまとって!』も負けず劣らずの傑作です。
夜空に浮かぶ美しいお月さまがほしいと子どもにおねだりされたパパ。長いハシゴを使って天空へと登ってゆく様子がダイナミックに描かれています。この本は、なんとハシゴそのものをしかけにしているんです!ページを開くと、上下左右に伸びるハシゴがあり、高いお空に輝くお月さまへとパパを連れて行ってくれます。
精巧なしかけに驚く!『ペネロペ ようちえんへいく』
著者 :アン・グットマン(文)/ひがし かずこ(訳)/ゲオルグ・ハレンスレーベン(絵)
出版社 :岩崎書店
この絵本のしかけの構造自体はいたってシンプルです。矢印のついたつまみをひっぱったり動かしたりするだけ。でも、その結果ページ上で起きる楽しいしかけといったら!
椅子に座る、服をハンガーにかける、絵の具を混ぜて色をつくる、でんぐりがえしを練習する、ケーキのろうそくの火を吹き消すなど。つまみを引っ張るだけで実に多種多彩なしかけが展開します。
あまりにも精巧なしかけなので、思わずページの裏側をめくってしまう子どもが続出するとか!? そのかわいい姿に読み聞かせているパパママも夢中になってしまうかも。
シンプルイズベストのしかけ絵本『おばけがいっぱい』
著者 :かどの えいこ(作)/おおしま たえこ(絵)
出版社 :あかね書房
絵本を読みはじめたばかりの小さな子どもでも十分楽しめるしかけ絵本です。しかけといっても、絵のなかに小さな穴が開いているだけ。でも「のぞいてごらん」というセリフにいざなわれて子どもが穴をのぞき、ページをめくるとそこには……かわいくて楽しい作画で種明かし!
本のサイズがとても小さく軽いので、子どもが手にとって穴をのぞくことができます。目や耳だけでなく、全身で楽しめるしかけ絵本です。
次々変身する列車にワクワク!『へんしんれっしゃ』
著者 :しまだ ともみ(作)
出版社 :東京書店
子どもの想像力をきたえる効果の高いしかけ絵本がこの『へんしんれっしゃ』です。森の駅をめざして進む列車がどんどん変身していく様子がしかけられています。
海なら船、海底なら潜水艦、地下ならドリルのついたもぐら……など。しかけをめくると文章も出てくるので、子どもが絵だけでなく文章にも興味が持てるようになっていますよ。