2022年01月06日 公開

保育園・幼稚園・認定こども園との違いとは?特徴を知って合う園を選ぼう!

幼稚園と保育園、認定こども園の違いを解説。費用や延長保育など、2019年からの『無償化制度』による変更点についてもお伝えします。

3歳以上の未就学の子どもの保育料軽減のための新制度、「幼保無償化」の発足をきっかけに幼稚園を希望する人が増えたという調査が発表されました。(キャリアフィールド株式会社の調査より

未就学の子どもが通う施設には、大きく保育園、幼稚園と近年急増している認定こども園があり、特徴が異なります。それぞれの特徴や必要な費用をはじめ、選ぶ際の注意点を解説します。

幼稚園と保育園の大きな違い

幼稚園と保育園の大きな違いは、標準保育時間と入園の条件です。保育園は保護者の勤務時間に合わせて8時間か11時間まで預けることができますが、幼稚園の場合は標準保育時間が4時間と短め。早朝保育や延長保育を併用することはできますが、日額450円を上回る分は自己負担となります。(新2号認定児の場合)

また保育園では長期休暇がお盆と年末年始くらいしかありませんが、幼稚園では年に3回の長期休暇や行事の代休などと平日の休みが多め。休日保育を利用できる幼稚園もありますが、費用が通常の預かり料金より高額になるケースもあります。どちらも満3歳児以上は毎月の保育料はかかりませんが、制服やお道具などの入園時に必要な費用は、幼稚園の方がかかることが多いです。

保育園の特徴

保育園は、児童福祉法に基づき保育に欠ける子どもの保育を行い、健全な心身の発達を測ることを目的とする児童福祉施設です。管轄は、厚生労働省が行っています。生後57日もしくは、生後半年移行から受け入れ可能な保育園が多いですが、受け入れ可能月齢は保育園によっても異なります。
保育園で遊ぶ

入園に必要な条件

保育園に入園するには、保育の必要性の認定が必要。両親が共働きの場合をはじめ、病気など家庭での保育が困難な場合に認定を受けられます。
0歳から2歳であれば1号認定、3歳から5歳(6歳の誕生日以降であっても、小学校入学前であれば対象)であれば2号認定が必要。保育の必要性の認定は、居住する自治体に申請が必要です。

保育時間

保育園の標準保育時間は最大11時間、保育短時間の場合は8時間までと定められています。標準時間か短時間かは、保護者の1か月あたりの就労時間数で決定されます。
認可保育園の場合、朝は7時か7時半の開園で18時前後閉園のケースが多いですが、園によっても開園時間はさまざま。別料金で早朝保育や延長保育を行っている園も多く、急な残業や早出にも対応可能です。原則的に土曜日も開園しており、別料金は発生しません。

費用

0~2歳の3号認定の場合の保育料は、世帯所得を元に計算される住民税の所得割課税額で決定され、自治体によっても異なります。
居住する市町村に関わらず、未就学の子どもが2人以上いる場合は、2人目半額、3人目無料ですが、兵庫県明石市のように上の子どもの年齢に関わらず2人目以降の保育料が無料になる市町村もあります。
3歳以降は無償化制度により、保育料は無償。ただし、給食費や施設費、預かり料金は別途有償です。

幼稚園の特徴

幼稚園は、保育園のように保護者の事情に関わらず誰でも入園が可能です。一部人気の幼稚園では、先着順や抽選での選考が行われることも。また上の子どもが在園もしくは卒園生の場合、入園の優先度が上がる場合もあります。
学校教育法に基づき、義務教育及びその後の教育の基礎を培い、心身の発達を助長することが目的。管轄は文部省が行っています。
幼稚園によって、特色のある幼児教育が行われており、放課後に習い事ができるような幼稚園も多いです。
幼稚園 入園

入園できる年齢

幼稚園では、3年保育が主流で、3歳の誕生日を迎えた4月に入園することが多いです。以前はほとんどの公立幼稚園が、2年保育でしたが、地域によっては3年保育が実施されている幼稚園が増えてきています。
また、一部の私立幼稚園では4年保育が実施されており2歳から入園できたり、満3歳児入園を受け入れている園があったりと、幼稚園によって入園時期はさまざまです。満3歳児入園の場合、3歳の誕生日を迎えた時点で、年少クラスに途中入園することになります。

保育時間

幼稚園の標準保育時間は4時間と定められているため、10時から14時前後の4~5時間の園がほとんどです。標準保育時間は短いものの、早朝保育や延長保育の制度が充実している幼稚園も多く、仕事をしながら幼稚園を選ぶママも増えてきています。
夏休みなどの長期休暇は、保育園と比べると日数が多めなものの、お盆や年末年始以外は休日保育を利用できる幼稚園も多いです。
ただし休日保育や、延長保育は園によって当日の予約の可否などの対応が異なるので、働きながら幼稚園に通わせる場合は事前に確認が必要です。比較的私立幼稚園の方が預かり保育に柔軟に対応できる園が多く、当日携帯アプリで申し込みができるような幼稚園もあります。

費用

無償化制度によって私立か公立に関わらず、保育料及び入園金が月額25700円を上限に無償になります。幼稚園の場合、特に無償化のための手続きは必要ありません。
ただし、給食費、バス代、教材費、行事費、施設費など保育料以外にかかる費用は毎月支払いが必要。
延長料金は幼稚園によって異なりますが、新2号認定を受けることで実質無償になる場合も。この制度によって、日額450円、月額11,300円を上限に3か月に1度、償還払いされます。

急増中の認定こども園ってなに?

2012年には全国で762しかなかった認定こども園ですが、2020年には10倍以上の8016園にまで急激に増えています。
基本的には、保育園と幼稚園の両方の役割を併せ持つのが認定こども園で、全部で4種類。管轄は内閣府が行いますが、文部科学省や厚生労働省と連携しながら、内閣府が管轄をしています。
保育園と違い、親の就労の有無や家庭の事情に関係なく誰でも入園が可能。在籍中にもし保護者の退職や、働き方が変わった場合でも継続できるのが特徴の一つです。
しかし一言で「認定こども園」と言っても、その種類によって特徴が異なります。幼稚園型の場合は特に、もともとの幼稚園の特色が根強く残っていることも多く、平日の行事など親の参加が必要な場面が多いかもしれません。仕事をしながら認定こども園に子どもを通わせる場合は、特に注意が必要です。
幼保連携型と幼稚園型では、基本的に14時では幼稚園教育を受けたあと、預かり保育専任の別の先生が保育を行います。
幼稚園 

幼保連携型

幼稚園と保育園の両方の機能を併せ持つ施設。認定こども園の中でも、数が最も多く約70%が幼保連携型です。

幼稚園型

もともとは幼稚園だった園に、保育園の機能を追加したのが幼稚園型の認定こども園。幼稚園教育要領に基づいた内容の保育が行われます。
認定こども園の中でも数はまだ少なく、全体の約15%ほどが幼稚園型として運営されています。

保育所型

もともとは保育園だった園に、幼稚園の機能を追加したのが保育所型の認定こども園。保育所保育指針に基づいた内容の保育が行われます。その数は全認定こども園のうち約13%と少数です。

地方裁量型

もともとは、認可外の幼稚園や保育園だった施設に、認定こども園の機能が追加されたのが地方裁量型の認定こども園。数は4種類の中でも、最も少なく全国で10%未満しかありません。

幼稚園・保育園・認定こども園の違いのまとめ

ここまで、幼稚園・保育園・認定こども園それぞれの特徴を説明しました。最後に特徴を見比べられるように表にまとめたので参考にしてください。
保育園幼稚園認定こども園
目的保育に欠ける乳児または幼児を保育すること幼児を教育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること幼稚園及び保育所等における小学校就学前の子供に対する教育及び保育
対象年齢0歳から小学校入学前まで
(園によって異なる)
3年保育の場合は、3歳から小学校入学まで
(園によって異なる)
0歳から小学校入学前まで
(園によって異なる)
保育時間標準保育時間 11時間
保育短時間 8時間
4時間4~11時間
(保育の必要性の認定によって決定)
保育料3号(3歳未満)の場合は世帯収入に応じて自治体が決定
2号(3歳以上)は保育料は無償
3歳以上は無償3歳以上は無償
3号(3歳未満)は世帯収入に応じて自治体が決定
給食の有無義務任意
曜日によってお弁当の日がある園も
義務
職員・教員の必要免許保育士資格幼稚園教諭保育士資格と幼稚園教諭の併有が望ましいが、当面はどちらかのみでも可能
所管厚生労働省文部科学省内閣府
(文部科学省や厚生労働省とも連携)
根拠法令児童福祉法学校教育法就学前の子どもに関する教育及び保育等の総合的な提供の推進に関する法律

子どもはもちろん親にも合う園を選ぼう

幼稚園の送迎

保育園と幼稚園を比較する際「保育園は保育、幼稚園は教育をする場所」と耳にすることがあります。しかし、最近は保育園であっても、英語や体操など専任の先生による指導を行っている園も少なくありません。小学校低学年の頃は、どちらかというと幼稚園出身の生徒の方が、椅子に座って授業を受けることに抵抗がない生徒が多いようですが、本人の性格にもよりけりです。また、出身が保育園か幼稚園かどうかで大きな学力の違いはないともいいます。
もちろん保育園と幼稚園は性質的に異なりますが、園の方針や特徴を理解し、共感できるかどうかも大切な判断基準になります。そのためにも入園前のリサーチが重要。自然活動や運動に力を入れている園もあれば、お勉強に力を入れている園などさまざまです。

また、わが子が楽しく通えるかどうかが一番大切ですが、親も無理なく通わせることができるかも大切。平日は仕事の調整がしづらい場合や、他に兄弟児がいる場合は特に、親の参加が必要な行事が多すぎないか、延長保育は気軽に利用できるかは事前に確認しておきたいところ。
実際に子どもを通わせている親御さんに話を聞いたり、園庭解放に参加したりすると園の雰囲気が掴みやすいはずです。いろいろな角度から、親子共に楽しく通える保育園や幼稚園をじっくり選びたいですね。

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この記事のライター

KUMIKO
KUMIKO

兵庫県在住。6歳・3歳のわんぱく兄弟のママです。 大学では英語を専攻していたことから、 ゆるめの英語育児を楽しんでいます。 子どもたちとの体験からの気づきや学びを、ママ目線でシェアしていきます。 旅行と海外ドラマと美味しいものが好き。