2025年11月26日 公開
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

芸術の秋のお出かけにおすすめ!家族で「ゴッホ展」に行こう

東京都美術館では、9月12日から12月21日まで「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」を開催しています。ゴッホの家族に焦点をあてた日本初の展覧会は、芸術の秋のおでかけ先にぴったり。見どころや家族で楽しめるコンテンツをレポートします。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

夏の暑さも落ち着き、おでかけしやすい季節になってきましたね。「どこに行こうかな?」「子どもと一緒に楽しめる場所はあるかな?」と、週末や連休のお出かけ先に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、9月12日から12月21日まで東京都美術館で開催されている「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」です。世界的に有名な画家・ゴッホの名画を鑑賞できるだけでなく、彼の家族の物語に着目した新しい視点の展覧会になっています。さらに、子どもも一緒に楽しめる工夫やコンテンツも充実していました。
芸術の秋に、家族で訪れるのにぴったりな展覧会を紹介します。

ゴッホってどんな人?

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)は、オランダ生まれの画家です。「ひまわり」「星月夜」など、鮮やかな色づかいと力強いタッチで描かれた作品は、今では世界中の人々に愛されています。芸術に詳しくない方でも、その名前や絵を耳にしたり目にしたことがきっとあるはずですし、ゴッホの人生や絵はさまざまな絵本や児童書でも紹介されていて、意外と親しみやすい存在でもあります。展覧会に行く前や後に、そうした本を親子で読んでみるのもいいかもしれません。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」の見どころ

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

本展は、ゴッホとその家族に焦点をあてた展覧会で、5つの章で構成されています。ゴッホの作品30点以上に加え、日本初公開となる手紙などゴッホ家にゆかりのある作品75点が展示されました。

ゴッホ家のコレクションに着目した初の展覧会

今回の展覧会の大きな特徴は、ゴッホ家が代々受け継いできたファミリー・コレクションに焦点をあてていること。日本でこのような展覧会が開催されるのは初めてです。
ゴッホは、今でこそ世界的に有名な画家のひとりですが、生前はあまり評価されていなかったそうです。そんな彼を支えたのが、弟のテオやその妻ヨーをはじめとする家族でした。テオは兄の画業を経済的・精神的に支え、ヨーは膨大なコレクションを管理し、作品を世に出すことに尽力。さらに、テオとヨーの息子は、コレクションを散逸させないためにフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に力を尽くしました。家族が作品を守り、子や孫へとつないできたからこそ、今のゴッホがあると言えます。
芸術に詳しくなく、ゴッホのこともあまり知らなかった私でも、本展でゴッホの人生や彼の活躍の裏にある家族の絆についてもよく知ることができました。

日本初公開の貴重な手紙

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

本展ではゴッホがオランダ人の画家アントン・ファン・ラッパルトに送った手紙が4通展示されています。手紙が日本で公開されるのは初めてのこと。手紙のインクは光に当たると色褪せしやすく、紙も粗悪なもののため、ゴッホの手紙が展覧会に出品されること自体があまりなく、今回は非常に貴重な機会だそうです。
盛んにやり取りをしていた2人の手紙からは、芸術への情熱や葛藤などが書かれており、ゴッホの思想や芸術観が垣間見れます。手紙を読み進めていくと、これまでとは違ったゴッホ像に出会えるはずです。

デジタルアートで作品に没入

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

会場内には、作品をデジタルアートで体感できるイマーシブ(没入)コーナーも登場。幅14メートルを超える大画面に、本展では展示されていない作品を含むゴッホの名作が、高精細な映像で映し出されます。最新の映像技術で3DCG化した、SOMPO美術館所蔵の「ひまわり」も画面を彩ります。大画面に映し出される映像に包まれると、まるで作品の中に入り込んだような気分になり、絵画を肉眼で見るのとはまた違った魅力がありました。
イマーシブコーナーは写真も動画も撮影可能なので、子どもの映え写真も撮影できそうです。

家族で楽しめる工夫がたくさん

はじめてのゴッホ

「子どもと一緒に美術館、大丈夫かな…」と心配な方もご安心を。「家族」がテーマの本展には、家族で楽しめるコンテンツも多数用意されていました。
本展の公式サイトでは、ゴッホの名作を題材にした塗り絵がダウンロードできます。本物に似せたり、好きな色に塗ったり、美術館で本物を見る前でも後でも、お子さんと楽しんでみてください。小学高校学年から中学生を対象に、ゴッホの作品や生涯をわかりやすく紹介しているジュニアガイドも公式サイトでダウンロードできます(会場での配布もあり)。

本展特設ショップでは、人気のアート図鑑シリーズから、会場限定のミニブック「小学館の図鑑NEOアート はじめてのゴッホ」が販売されていました。展覧会に出品されている作品をはじめとするゴッホの代表作が、2 ページごとに興味をひきつけるテーマで紹介されています。ゴッホ作品の鑑賞のポイントがわかりやすく解説されている、本展のために制作された1冊です。

コラボグッズ

サンエックスとサンリオの人気キャラクターとのコラボグッズもたくさん並んでいました。ゴッホの作品の要素を取り入れたかわいいアイテムは思わず大人も欲しくなってしまいます。

まだ子どもが小さくて、大人だけでゆっくり鑑賞したいという時には、東京都美事術館の託児サービス付き「パパママデー」を利用するのもおすすめです。

開会式で感じた、今もつながる家族の想い

開会式の様子

開催前日には開会式が行われ、フィンセント・ファン・ゴッホ財団理事長のヤンティンヌ・ファン・ゴッホさんやファン・ゴッホ美術館館長のエミリー・ゴーデンカーさんなどが出席・登壇しました。本展がこれまであまり前面に出てこなかったフィンセント・ファン・ゴッホの家族のストーリーが知れる類まれな展覧会であること、本展を通じてゴッホの家族のつながりを感じてほしいということが、それぞれの登壇者から語られました。会場にはファン・ゴッホの名を継ぐ26人も駆けつけており、本展への期待と、長い年月を経てなお続く家族の想いがより一層感じられました。

芸術の秋のおでかけに!家族で「ゴッホ展」へ

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場写真

これまでのゴッホの展覧会とは一味違う「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」。ゴッホの名画を鑑賞するだけでなく、デジタル体験や親子向けコンテンツまで楽しめる本展は、この秋のおでかけにぴったりの展覧会です。
普段はなかなか美術館に足を運ばない方も、この機会に親子で訪れてみてはいかがでしょうか。なお、土日・祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制なのでお気をつけください。

タイトルゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
会期2025年9月12日(金)~12月21日(日)
※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制
会場東京都美術館 企画展示室 (東京都台東区上野公園8-36)
休室日月曜日、9月16日(火)、10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火)
※ただし9月15日(月・祝)、9月22日(月)、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・休)は開室
開室時間9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
観覧料一般 2,300円/ 大学生・専門学校生 1,300円/ 65歳以上 1,600円。 大学生・専門学校生は、9月平日のみ無料。18歳以下、高校生以下は無料。

一部予約制の日程あり

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この記事のライター

かすみ
かすみ

東京都在住、2016年生まれ女児の母。大学卒業後は料理教室、食品マーケティング会社に勤務。出産を機に専業主婦となったものの、子どもと2人きりの日々から抜け出したく、地域のママ向けフリーペーパーの製作に携わるように。そこからライター・デザイナーとして活動中。