絵本に出てくる先生は、人格者で子どもたちを温かく見守るという内容が多いもの。でも!このつんつくせんせいは、子ども以上に子どもっぽく、好奇心旺盛で思い立ったら止まらない性格。せんせいの繰り広げる奔放で楽しいエピソードの数々は、読み手を幸せな気持ちにしてくれます。
つんつくせんせいシリーズとは?
場面はよくある設定ながら、テーマの切り口や意外なストーリー展開は、とても新鮮!わくわくドキドキしながら、親子で楽しく既刊9冊を読破しました。今回は、なかでも息子たちのお気に入りの5冊をご紹介します。
つんつくせんせいといたずらぶんぶん
著者:たかどのほうこ(作・絵)
出版社:フレーベル館
ある日、物置小屋のお片付けをしていたところ、うっかり不思議なつぼを開けてしまったつんつくせんせい。すると、言葉があべこべになり、へんなことばかり口にしてしまうようになってしまい、さぁ大変!
つんつくせんせいらしさが出てくるのは、後半のフルーツパーラーの場面です。誰にも分け与えず、おいしくスイーツを食べ続ける幸せそうな姿は、なんだか憎めません。でたらめな指示に応じるかわいい生徒さんたちの様子も、見どころのひとつです。
つんつくせんせいどうぶつえんにいく
著者:たかどのほうこ(作・絵)
出版社:フレーベル館
思わず想像してはくすっと笑ってしまう、空想とユーモアたっぷりのストーリー。動物を見たら「かわいい」と言わなくてはいけない雰囲気がありますが、確かに感想は自由ですよね!?つんつくせんせいが思ったとおりに口にしちゃうという設定が、とても潔くて筆者も大好きな1冊です。
つんつくせんせいとかさじぞう
著者:たかどのほうこ(作・絵)
出版社:フレーベル館
翌日、御礼に来てくれるはずのお地蔵様を追いかけまわす、楽しいこのストーリーでは、ソリに乗ったりスキーをしたり、ウィンタースポーツとのコラボも楽しめます。最後は、おいしくて楽しいお餅つきが……!?ハプニングがあっても、みんなが笑顔で終われるのが、つんつくせんせいワールドの魅力ですね。
同シリーズ『つんつくせんせいかめにのる』も、昔話の『うらしまたろう』を題材にしたもの。ずうずうしいつんつくせんせいとホスピタリティにあふれるカメやお魚たちのお話を、原作とともにぜひお楽しみください。
つんつくせんせいとふしぎなりんご
著者:たかどのほうこ(作・絵)
出版社:フレーベル館
つんつくせんせいの機転と愛嬌、人たらしなところが存分に味わえるお話です。
つんつくせんせいとくまのゆめ
著者:たかどのほうこ(作・絵)
出版社:フレーベル館
つんつくせんせいのかわいらしい口からの出まかせ(知恵?笑)で、乗り切れるでしょうか?展開にハラハラドキドキ。とっても楽しい1冊です。
「つんつくせんせいがいたらいいなぁ~」
「せんせい」って、しっかりしていて、なんでも知っていて、正しい世界へ子どもを導いてくれる方がよい……!?いえいえ、子ども目線になって、一緒にのびのび遊んでくれる人の方が、実はよいのかもしれません。
つんつくせんせいは、困ったら泣いたり、恥ずかしくなったら逃げ出したりするなど、読み手が「え!?」と思う場面も多いですが、人を巻き込む力や人生を楽しむパワーは、ズバ抜けています。
息子たちがすっかりはまった、このシリーズを読むたびに、筆者も肩肘張らずに自然体で、子どもとの日々を楽しんじゃえ!と思うのでした。
既刊9冊は、どれもおすすめです。ぜひ手に取ってみてください!