身近なペットとして、多くの家庭で飼育されている金魚。水槽の中を気ままに泳ぐ姿を眺めていると、時間が経つのも忘れますね。金魚はその愛らしい姿から、たくさんの絵本にも登場しています。お子さまと楽しんでいただきたい金魚の絵本を紹介させていただきます。
発見する喜びを体験!『きんぎょが にげた』
著者 :五味 太郎(作)
出版社 :福音館書店
親子で楽しめる宝探しのような絵本です。ページのどこかに隠れている金魚を探します。
また、金魚以外にもページいっぱいに楽しい絵がたくさん描かれているので、「これはなあに?」とひとつひとつに注目してみるのも楽しそうです。まだ言葉が話せない赤ちゃんも、指さしが始まったら楽しめます。はじめて手にする一冊としてもおすすめです。
しかけにワクワク!『きんぎょのひるね』
著者 :奥野涼子(作・絵)
出版社 :フレーベル館
この絵本はしかけ絵本です。雨がぽつぽつと降りはじめるとページをめくるたびにどんどん池が大きくなっていきます。
また、雨が止んでくると元のように小さくなっていく楽しい仕掛けに引き込まれます。
自分の気持ち、お友だちの気持ちを考えるきっかけになってくれるような内容の絵本です。
はじめはしかけに夢中で、内容は二の次かもしれませんが、繰り返し読むうちに何かを感じ取ってくれたらうれしいですね。
一歩踏み出す勇気!『きんぎょのトトとそらのくも』
著者 :にしまきかやこ (作)
出版社 :こぐま社
金魚のトトはいつもひとりぼっちです。毎日小さな金魚鉢の中から、遠い空を眺めています。
ある日、いろいろな形をした雲の中に自分とよく似た形をした金魚の雲を見つけます。
「あれは僕の友達に違いない」そう思ったトトは、小鳥に赤い風船を体につけてもらい空を探し回りますが……。
クレヨンの優しいタッチの絵は、ほのぼのとして女の子向けなのではと思われがちですが、空を泳ぎ回るトトの姿に、男の子もきっとワクワクするはずです。
ペットを愛しむ心が育つ『うちのきんぎょ』
著者 :谷口国博 (著)村上康成 (絵)
出版社 :世界文化社
ある朝突然、金魚鉢の中で金魚と一緒に泳いでいたボク。かわいい絵にユーモラスな内容ですが、実は奥が深いお話です。
金魚鉢の中から見た外の世界はどう見えるのか、えさやりや水槽のお掃除の大切さなど、生き物と関わるうえで大切なことを教えてくれます。お話の結末は……読んでからのお楽しみです。
やさしい気持ちに包まれる『金魚のひなこさん』
著者 :ただのゆみこ(作) ふくだいわお(絵)
出版社 :文研出版
小学生のルイは、お母さんとお姉ちゃんと暮らしています。
中学受験を控えたお姉ちゃんは、なかなか相手にしてくれず、仲良しのくみちゃんともケンカをしてしまいます。そんなとき、家で飼っていた金魚のひなこさんが、くみちゃんとの仲直りのきっかけをくれます。
ちょっと不思議だけれど、心温まるお話です。
いろいろなことを教えてくれる金魚は大切な家族の一員!
絵の美しさ、楽しさ、仕掛けなどに惹かれて手にした絵本から、いろいろなことを感じることができます。絵本はお子さまの心に、大切なことをそっと語りかけてくれるでしょう。
夏らしい絵本を選びたいけどどんな絵本がいいかな……と迷ったときの参考にしてみてくださいね。