2022年10月25日 公開

何歳から渡す!?イギリス子育てスマホ事情【英国すくすくレポ】

子どもの成長に伴い、スマホを渡すかどうか迷う時期が、きっと多くのママパパにも来ると思います。今ちょうど我が家もそんなタイミングがやってきました。心配性の筆者は、もう少し先でもと思うけれど…。揺れる親心とイギリススマホ事情について語ります。

最近では日本やイギリスのみならず、世界中にスマートフォンが普及する時代となりました。いつでも連絡をとることができ、情報検索なども簡単で、生活がとても便利になりましたよね。スマホなしの生活はもう考えられない!と言っても過言ではありません。

しかし、便利な反面、使い方に気をつけなければ安全が脅かされることもあります。さらに、子どもが使い始めるとなれば、大人よりもなおさら気をつけなければいけません。

我が家の長女も10歳になり、スマホに憧れる年齢に差しかかってきました。スマホが無かった子ども時代を過ごした筆者からすれば、「まだまだ必要ない!」と否定したい気持ちが強いのが本音です。

でも、自分が子どもだった頃のことを思い出すと、たしかに友達が持っているゲームに憧れもしたし、新しく話題になっているおもちゃが欲しかった…。きっと、今の子どもにしてみたら、ゲームやおもちゃに対する気持ちと同じような感じで、スマホが欲しいと思うのかもしれません。

子どもの気持ちもわかるけど…

イギリスの現地小学校では、登下校時の保護者による送り迎えが一般的です。学校に申請すれば、高学年からは保護者なしでの登下校を許可する学校も多く、長女が7月までいた学年(Year 5・現地小学校での5年生、日本の5年生とは少し年齢がずれます)も、保護者の付き添いなしで登下校する子どもが、夏学期(3学期)までにかなり増えました。

保護者なしの登下校と言っても、完全に家から学校まで一人で移動するというよりは、通学路の途中で保護者の誰かと待ち合わせをしていることが多く、まだまだ一人で完全に登下校するには心配な年齢と認識しているのかもしれません。(日本では小学生は一人で登下校するよと言うと、大変驚かれます。)
※一人で:保護者なしでという意味。友達と一緒に歩くことも含みます。

そういう心配もあって、一人での登下校や保護者との待ち合わせ場所までの安全対策として、携帯電話やスマホを持たせているご家庭が多いのです。

このような理由から、スマホを持っているクラスメイトが増えてきたらしく、長女はスマホに強く憧れ始めるようになりました。
「友達とtext(SMSメッセージ)したい」とか、「私もTiktokやInstagramをしたい!」と訴えてきたり、場合によっては、「どうして私はスマホや携帯電話を持っちゃダメなの!?」と最後は大げんかになったことも…。
(ちなみに、TiktokやInstagramの利用可能年齢は基本13歳からなので、長女はスマホを持ったとしても利用不可です。)

我が家は次女もいることから、今のところ長女・次女を一緒に学校まで送り迎えしています。私が同伴で登下校する間はスマホが不要だと伝えると、
「じゃあ、新学期から一人で登下校頑張りたい!そしたらスマホ買ってくれる?」と長女。

「うーん…イヤイヤ、そういうことじゃないんだけど…。」と私。
ご家庭でいろいろな考え方があると思うのですが、私がなるべくスマホを持たせる時期を遅らせたいと思う理由がいくつかあります。

まず、いくつかの不安要素をリストアップすると、

  • 一度スマホを持たせたら、だらだらスマホを使ってしまうのではないか?(生活の乱れの不安)
  • インターネット、アプリ等にアクセスしやすい環境により、子どもが「好ましくない」情報に遭遇しやすくなるのでは?(不適切な情報への不安)
  • 噂で聞いたような友達関係のトラブルの心配(人間関係の不安)

など、もしかしたら私が心配性なだけかもしれないけれど、親としてやはり気になる点がいくつかあるのです。

安全に使うための準備と情報収集

そういうわけで、現地の先輩ママ(長女より年上のお子さんを持つママさん方)や、同級生のお母さん方に、「家庭ではどんな風にスマホを持たせていますか?」と質問させていただきました。

まず聞いてみてわかったのは、「日本にあるようなGPS機能だけの端末、キッズケータイのようなものは、イギリスには無さそう」ということ。周りで使っている・持たせている人を見たことも聞いたこともない、店頭でも見かけません。(少なくとも、イギリスでメジャーな商品ではなさそう。)

では、どのようなスマホを子どもに持たせているのでしょうか?
一番声が多かったのは「親やきょうだいのおさがり」からスマホデビューというケース、次に多かったのは、必要最低限の機能がついている安いスマホから始めるというものでした。
理由としては、慣れないうちは落としやすかったり、失くしやすかったりするのと、まだ小中学生世代には、高いスマホは不要だと思うという意見が多かったためです。

とはいえ、学年・年齢に関係なく一番最新のiPhoneやアンドロイド端末を買ってもらっている子もいて、家庭それぞれの考え方・価値観があらわれる部分だなぁと痛感しました。

ペアレンツコントロール

安全面の対策として、先輩ママさん方が利用しているのは、
アンドロイド端末はGoogleアカウント作成時に年齢を入力で未成年かどうか判明するので、ペアレンツコントロール的な使用制限をかけることが可能なのだそうです。また、アプリのダウンロードの際に、親の方へ通知がいくような設定などもできるとアドバイスいただきました。

保護者による使用制限を Android デバイスに適用すると、コンテンツの対象年齢に応じて、そのデバイスで Google Play からダウンロードまたは購入できるコンテンツを制限できます。Google Play で保護者による使用制限を設定する方法

iPhoneの方も、ファミリー共有という機能や、スクリーンタイム等を制限できるペアレンツコントロール機能があり、安全に使用できる設定があるようです。あるママ友は、子どものスマホに電話がかかってくると、親のスマホにも「誰からかかってきたのか数秒通知される」設定をして、知らない番号から子どもを守る工夫をしているとおっしゃっていました。

スクリーンタイムの「コンテンツとプライバシーの制限」を使って、お子様のデバイスで特定の App や機能を使えないようにしたり、使用制限を設けたりすることができます。また、iPhone、iPad、iPod touch で、不適切な表現を用いたコンテンツ、購入やダウンロード、プライバシーに関する設定を制限できます。お子様の iPhone、iPad、iPod touch でペアレンタルコントロールを使う

他にも、スマホ機能を制限するアプリや、子どもの居場所が分かるアプリを利用しているという声もありました。

ネットリテラシーを話し合う

スマホや端末(タブレット等)自体に機能制限をかければ十分というわけではありません。それは最初の一歩というだけであり、何よりも大切なのは、スマホ等を使うユーザー側がきちんとネットリテラシーを学ぶということです。「個人が特定できる写真や書き込みを載せない&送らない」、「誰かが困ったり悲しむような書き込みをしない」「知らない人とは話さない、メッセージのやり取りをしない」など、身を守るための使い方を親子で十分話し合い、確認しておくことが必要です。

ほかにも、スマホを持つ際のルールをあらかじめ決めておくなど、渡す前にできることをしっかりリサーチして、親の方が心構えをしっかりしておくことも大事だと感じました。

利用料金や利用上のルール

スマホの利用料金に関しては、イギリスはとても使いやすい国だと思います。なぜなら、日本よりも格安SIMやTop‐Upシステムが10年以上前から非常に普及しているからです。

先輩ママAさん:「月〇ポンドまでのTop-Up(携帯電話への課金。これで通話・SMSメッセージ・データ通信を支払う。)と決めており、この上限を超えたら今月は終わりというルールにしています。お友達への返信は家のWifiを使うようにさせています。利用時間は制限していませんが、寝る時間になったらリビングに置いていくように決めています。」

先輩ママBさん:「毎月一番安い契約プラン(約8ポンド)を利用しています。基本は緊急連絡用の通話のみというルールにしていて、ずっとスマホばかりしてほしくないので、宿題が終わったら〇時から〇時までと時間を区切って使わせています。」

同級生ママさん:「小学生の間は、登下校時の親との通話またはSMSメッセージのみ使わせています。(ネットやアプリは使わない)。また、スマホは家に帰ってきたら親に預けるようにしています。」

など、ご家庭の考え方に合わせた使い方やルール、料金形態(契約かTop-Up)などがあることがわかりました。子どもが未成年のうちは、InstagramやFacebookなどのSNSは親もフォローして、投稿内容が安全かどうかチェックしているというお家もありました。

ネット世代も思いやりが大切

セカンダリースクール(中学校~高校に近い学年)では、登下校が親の付き添いなしになるので、スマホの普及率がぐっと上がります。

学校Aでは、「スマホを持っていない人は多分いないんじゃないかというほど、ほぼ100%みんな持っているよ」、
学校Bでは、「多くの学生がスマホを持っているけれど、親の方針で持たされていない子も、まだ意外といるよ」とのこと。

スマホを持っていなければ仲間外れになってしまうのではないか?と心配をしましたが、大切なお友達同士で楽しくやり取りができるように、スマホ・タブレット・パソコンのどれからでも利用できるスカイプを使ってメッセージ交換を楽しんでいる仲良しグループの話を聞きました。友達想いで優しいなぁと心がほっこり。
明日また学校ですぐ会えるけれど、明日まで待てない!大好きなお友達とたくさんお話をしたいという気持ち。自分の子どもの頃と重ねてみると、たとえば「交換日記」をしていたあの感覚なのかもしれません。

ネット世代の現代の子ども達にとっても、昔の子どもたちにとっても、大切にしたいのはお友達との関係。便利な世の中になったと言っても、思いやりの心を忘れずに素敵な友人関係を育んでいってほしいものです。

スマホ利用に関する学校内のルール

イギリスも学校によって校則やルールが異なりますが、今回は娘の学区と、お話を聞けた別の学区の例をご紹介します。

プライマリースクール(小学校)

娘達の学校では、登校したら鞄の中に入れておかなければなりません。他の学区では登校後すぐに、スマホを先生に預けなければいけない学校もあるようです。登下校時以外は学校内での使用禁止。また、スマホ自体の使用以外にも、話題になっているアプリゲームなどで、たとえばホラーゲームや年齢に適さないゲームの話をしたり、そのことで他のお友達を怖がらせたりすると、先生から注意され、保護者にも連絡が行く場合があります。

生徒だけではなく、保護者も学校内でのスマホ撮影等にルールがあります。例えば「発表会などの動画や写真は、家族以外には見せない、オンラインにはシェアしない」こと、逆に生徒の写真を学校のウェブサイトに載せてよいか、保護者に公開するSNSに載せてよいかどうかなど、入学の時に保護者の許可の有無が確認されます。

セカンダリースクール(中学校~高校)

筆者宅が校区に入っている学校の話ですが、以前は休憩時間のスマホ利用はOKだったそうです。しかし、授業中の隠れスマホなどの悪影響が多くなってきたため、現在では学校内でのスマホの使用は禁止となっています。ルールを破ったり不必要に使えば没収と、厳しい対応が待っているのだそう。授業の中で、何かリサーチをしなければいけないときなどは、例外的に使っても良いそうです。

また、いじめや嫌がらせの問題も発生したため、原則生徒は個人の番号を交換しない規則になっています。とはいえ、個人間の番号交換をしなくても、グループチャットを作ったり、アプリを利用した交流があっているので、なかなか問題を事前に防ぐのは難しいのが現状のよう。イギリスだけに限らず、これは現代におけるSNS共通の問題と言えます。

スマホとうまく付き合う

長女は今年が小学校最後の学年。来年からは進学し、セカンダリースクールへ行き始めます。その頃には通学の安全を考えて、スマホを渡す必要がでてくることになるでしょう。

思春期になると、今よりさらに人間関係も接する情報も、いろいろと気をつけたいことが増えるのではないかと想像してしまい、正直、心配が先に立ってしまいます。学校でのルール、ペアレンツコントロールだけでは子どもを守り切れるわけがなく、一番大事なのは子ども自身も親もきちんとネットリテラシーを身につけ、正しくスマホを利用すること。安全に使える環境を一緒に整えていくことが大切だと強く感じています。

それ以外にもスマホ依存にならないように(親子共々気をつけなければいけない問題ですね…)、スマホを使う時間や使えるタイミングなどのルールを成長に合わせて決めていく必要がありそうです。まだまだ筆者自身手探り状態の分野ですが、子どもの気持ちも汲みつつ、スマホとうまく付き合っていけるように一歩ずつ進んでいきたいと思っています。

■いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの記事はこちら↓↓↓

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この記事のライター

いしこがわ理恵
いしこがわ理恵

在英12年目ハンドメイド好きの2児の母。武蔵野美術大学卒業。現在は教育に携わる仕事の他に、日本にルーツのある子どもたちを対象とした日本語子ども会活動・児童文庫活動も行っています。興味の範囲が幅広いので、常にいろいろな方向にアンテナをはりつつ情報収集が日課です。ハッピー子育てに役立つ情報をみなさまにお届けできれば嬉しいです。Instagram @rie.ishikogawa