会社勤めで毎年年末調整を受けている方にはあまり馴染みのない「確定申告」。でも、出産前後で医療費がかさんでいる場合、確定申告することで医療費控除の対象となり、税金が戻ってくることがあるのです。確定申告や医療費控除について、チェックしておきましょう。
確定申告で受けられるメリットとは?
しかし、確定申告で医療費控除を受けられれば、支払いすぎた税金が戻ってくるというメリットが。出産をする年には、通院や診察、入院費用などで出費が増えるものです。出産後の確定申告に備え、制度と内容をしっかり把握しておきましょう。
医療費控除ってどういう制度?
医療費控除の対象となる金額は、所得によって変わります。
1.年間の総所得金額等が200万円未満の人
医療費控除額=1年間に支払った医療費-所得の5%
2.年間の総所得金額等が200万円以上の人
医療費控除額=1年間に支払った医療費-10万円
注意したいのは、出産育児一時金、高額療養費、個人で契約している保険から支払われる保険金などです。これらの給付金は、1年間に支払った医療費から差し引く必要があるので、気をつけましょう。
確定申告の手続き方法
必要となるのは、1年分の医療費の領収書、源泉徴収票、確定申告書を作成するための印鑑や通帳などです。その他の書類が必要になることもあるので、事前に確認しておきましょう。
確定申告期間は2月中旬~3月中旬ですが、締め切りが近づくとかなり混み合います。質問や相談をしたい人は申告期間前に税務署へ行き、あらかじめ聞いておくのがおすすめです。
領収書やメモは残しておいて
出産に関する費用だけで医療費控除の対象額に届かない場合でも、生計を一にする家族の医療費をあわせるとどうでしょうか。家族や本人が風邪やケガなどで通院したり、薬を処方されたりしていれば、もちろんそれも対象です。一緒にまとめておきましょう。
医療費控除の対象となるもの
・医師の指示による差額ベッド代
・治療のために購入した医薬品代
・通院のための交通費
・自費で支払った検診費
・出産前に受診や入院した費用
・出産費用
・医師が必要と判断した不妊治療費 など
一方、次の費用は対象となりません。
・医師の指示によらない差額ベッド代
・自家用車で通院するためのガソリン代や駐車場代
・妊娠検査薬の費用
・妊婦用下着や赤ちゃんのおむつ、ミルク代 など
なお、判断に迷う費用については、税務署に問い合わせて確認するようにしましょう。