気が弱くて周囲の言いなりになっている、嫌なことをされても黙っているなど、自己表現が苦手な子どもは少なくありません。自分のやりたいことや考えていることを理解し、上手に周りに伝えられる力を育むには、どのようなサポートが有効なのでしょうか。3つのコツをご紹介します。
自己表現が苦手だとなぜ困る?
自己表現が苦手な子どもは、自分の意見を口にできずストレスをため込んでしまったり、適切ではない伝え方をして周りから距離を置かれてしまったりと、人間関係でトラブルを抱える可能性があります。
集団生活や社会生活を楽しむためには、自分の気持ちを素直に表現でき、また周りの意見も大切にする、バランスの取れた自己表現力が必要です。
子どもが自分の気持ちを理解し、周りに伝える力を養うために、筆者の家では次のような点に気をつけています。
「自分の意見」を持つために
選択する機会を作る
もちろん幼いときは、文字通り「子どもらしい」意見しか返ってこないのですが、「自分で考え、考えたことを言葉にして伝える」練習なので、それで構わないと考えています。年齢と練習を重ねるうちに自分の気持ちの説明が上手になり、小学2年生になった長女は、今では「どうしてそう考えたのか」まで詳しく説明してくれるようになりました。
比較のテクニックを使う
こうすることで、漠然と「楽しかった」という感想を持つだけでなく、「〇〇だったから楽しかった」「〇〇以上に楽しかった」という表現ができるようになります。
話す環境を整える
子どもには、「自分の意見を言っても良い」ということを教える必要があります。そのためには、親がなるべく子どもの話に割り込まないこと、そして子どもの話を否定しないことが大切です。
子どもの話に割り込まない
話を先取りして親が言葉にしてしまうと、子どもは親の手助けを待つようになります。子どもの表現力を鍛えるために、子どもの話が一区切りつくまでは、なるべく口を出さずに見守れると良いですね。
できるだけ否定はしない
子どもの発言を叱りつけたり嘲笑したりすると、子どもは自分の意見を外に表す自信を失ってしまいます。否定しなければならないことについては、「あなたはそう思ったんだね。お母さんやお父さんはこう思うけど、どうかな」というような言い方をして、頭ごなしに否定することはないように心がけています。
表現力を鍛える
相手に伝わるような言葉を選ぶことや、攻撃的な言葉を使わないことなどを知っておかないと、「周りの人は自分のことをわかってくれない」と感じたり、身近な人とケンカになってしまったりすることもあるからです。
絵本や動画を活用する
友だちや家族との付き合い方をテーマにした絵本や動画は、たくさんあります。積極的に活用していきたいですね。
「伝え方」を教える
ただし表現方法を教えるときは、できるだけ子どもの伝え方が悪いと否定はせずに、「こうしてくれるとより良い」という言い方をするようにしましょう。
焦って子どもを責めないことも大切!
ただ、「自分の子どもは言いたいことが言えていない」と感じても、子ども自身はそれをストレスに感じていないこともあります。また、年齢的に今はまだ、自己主張をしたいという気持ちがそれほど強くないというだけで、成長の過程で自分の意見を言えるようになることもあるでしょう。
心配なあまり、「どうして自分の意見を言わないの」「言いたいことをちゃんと言いなさい」と、子どもを責めてしまうのは逆効果です。
子どもの個性を見極めつつ、おおらかな気持ちで、子どもの自己表現力の成長を見守っていきましょう!