2022年07月05日 公開

【小学生向け】読書感想文の書き方 コツをつかんでサクッと書こう!

苦手な子、嫌いな子が多い読書感想文。ちょっとしたコツさえつかめば、悩まずサクサク書けます。まずは本選びから。推薦図書、科学系の本、ノンフィクションなどの難しそうな本でなくてもOK。自分が読みたい本を探しましょう。読んでいる本の世界に没頭することが、良い読書感想文を書く第一歩。

小学校の長期休みに出される「読書感想文」の宿題。自由研究と並ぶ「2大面倒くさい宿題」として、読書感想文は子どもたちを悩ませてきました。
ママパパの中でも「夏休み終了ギリギリまで読書感想文に手がつけられなかった・・・」思い出がある方はいらっしゃるかと思います。

「苦手、嫌い、面倒くさい」などマイナスイメージがある読書感想文。
普段書き慣れていない原稿用紙に長文を書くことを、苦行に感じる子も多いです。
計算ドリル、学習プリント、自由研究などの宿題と比べても苦手意識を持っている子が多いかもしれません。

子どもが日常的に行うパソコンやタブレットでのメッセージのやり取りは、「感覚的な短文」が中心となります。かつてのように手紙や日記で友達と意思疎通する機会が少ない現代では、読書感想文で長文を書くこと自体が、子ども達にとって高いハードルと言えるでしょう。

この記事では読書感想文の書き方のコツをご紹介いたします。
以下のような「読書感想文」への苦手意識やお悩みが解消できたら嬉しいです!

・読書感想文が大嫌い。
・読書感想文の書き方がわからない。
・本を読んでも感想が浮かばない。
・決められた字数を書くのが苦痛。
・本のあらすじをまとめるのが難しい。

「興味のある、読みたい本を選ぶ」ことが大事!

良い読書感想文を書けるかどうかは、本選びにかかっています。
”自由選択”で好きな本を選ぶ、学校、コンクール主催団体、図書館などが選んだ”推薦図書”を選ぶ、親、先生、友達から勧められた本を選ぶ・・・選び方は自由です。いずれにせよ「興味のあるジャンルの本、読んでみたい本」を選びます。

より良い読書感想文を書く秘訣は、読書を楽しむこと。集中して読める本、心が動かされる本は読書感想文が書きやすい本と言えるでしょう。

代表的な本のジャンルは以下の通りです。選ぶ際はジャンルを1つに絞らなくてもOK。

主な本のジャンル読書が楽しくなるワンポイントアドバイス
物語(日本の作品、外国の作品)・直接的な心情表現以外の情景描写にも注目しましょう。

・主人公以外の気持ちになって読むと、また違った感想が出てきて面白いです。

低学年であれば絵本・登場人物、作者の思いを挿絵からも読み取ってみましょう。

・「もしも、自分だったら?」と置き換えて読んでみます。
科学(自然、動物、天体、宇宙など)・自分の予測を立てながら読んでみましょう。

・自分で実験、観察ができそうなものは取り組んでみます。

歴史・世界情勢と結びつく歴史上の出来事をメモしておきます。

・教科書には書かれていない出来事、人物、建造物、文化で興味のあるものを見つけ、「親や友達に教えるつもり」で整理すると良いですね。
昔話、民話・現代との考え方の違いとその理由を考察します。

・言葉、道具などがわからないときは国語辞典で調べます。
(ママパパが教えても良いですが、自分で調べる経験もさせてあげると良いですね。)
ノンフィクション・自分の気持ちを書くことがおろそかにならないように、あらすじは簡潔に。

・作品と似た経験があれば、自分と置き換えて「どんな気持ち」になるか考えてみましょう。
伝記・時代背景を考えた上で、その人物がなし得た事の偉大さを再確認します。

・何もかも褒め称える必要はありません。偉業に対する反対意見や改善点があったら書きます。
詩集・声に出して読みましょう。音の響きからも心情を読み取ります。

・詩集全体を読んだ印象、それらの詩をまとめた作者の思いを書きましょう。

今まで読んだ本や、教科書で扱った作品の中で面白かったものが、あればその作者の本を選ぶのも良いですね。

楽しめる”身の丈に合った本”を選ぼう

表紙や題名で面白そうと感じても、内容が難しい場合もあります。読むこと、理解することにエネルギーを使う本は読書感想文向きではありません。

また逆に内容が簡単過ぎる本も然り。感動や発見がないと良い読書感想文は書けません。
背伸びし過ぎない、簡単すぎない「お子さまの学年、読解力に応じた本」を選びましょう。

本は短期間で読み終える

本を読むのが苦手、長編作品を選んでしまった子がやりがちな「数日に分けて読む」方法はあまりおすすめしません。
特に「1日〇ページずつ読む」というように、義務感がある読書では楽しめません。
本に集中できない、小分けにしないと読みたくないと感じてしまう時は、本を変えるのも1つの手です。

できれば集中して短期間で読むことをおすすめします。その方が本の世界に没頭できて、感動も鮮明に残っているからです。

「感想文に書きたい箇所」をチェックしながら読む

読書感想文を書くときに「使えそうな箇所」に線を引いたり、付箋をつけたりしてチェックしておくと良いですね。
チェックしておきたい所

チェックしておきたい所

・時代背景
・登場人物の特徴
・実験の経過をまとめた所
・動物や植物の名前
・作者や登場人物の心情が書かれている所(言葉、行動、景色など)
・驚いた所
・共感した所
・悲しかった所
・嬉しかった所
・腹が立った所
など

本に書き込めない、付箋を貼れない場合は、その箇所のページと行、感じたことをノートにメモします。
集中力、読解力を鍛えるトレーニングにもなります。

原稿用に書く前に構成を決める

この工程は低学年の内は、親子で一緒に取り組むとスムーズです。
感想文の構成を大まかに作ることで、作文全体の流れが決まり、読みやすいものとなります。
読書感想文の構成はとっても簡単。テーマを決めたら、内容を3つの流れに分けて考えれば良いだけです。

テーマを決める(何について書きたいのか)

本を読み終えたら、すぐに感じたことを、書き込みや付箋、メモを元に書き出してみます。
先生や親に褒められるような感想じゃなくても良いです。子どもが感じたことをそのまま書き出してもらいます。

テーマ例

・戦争の作品から「今後戦争を起こさないために、自分が考えたこと」をテーマにしたい。

・ノンフィクションの闘病記から、「生きる意味について」をテーマにする。

・蜂の生態と人々の暮らしを描いた作品から、「自然との共生」をテーマにする。

内容(伝えたいこと)を、どんな流れで書いていくのか決める

「1.書き出し(はじめ)→2.中→3.終わり(結び)」
3つの流れ
を決めておくことで、読みやすく、気持が伝わる読書感想文になります。

1.「書き出し(はじめ)」
簡単なあらすじ、本を選んだ理由など。
自分の言いたいことを一言ズバッと書き出しに入れるのもインパクトがありますね。
作中人物に読みかける、自分の心の叫びを冒頭に書く方法は、作文全体に生き生きとした印象を与えます。

2.「中」
感じたこと、伝えたいことを具体例を入れて書きます。(自分が選んだ重要箇所、作品と比較した実体験などを交えて)

3.「終わり(結び)」
建設的、前向きな終わりになると◎。終わりの代表的な形式は以下の3つです。

■共感し、自分の目標や希望と結びつける終わり方。

■作品と反対の意見を述べつつ、解決策や改善点を書く終わり方。

■疑問を投げかける、読み手に問う形で締める終わり方。

(例)物語の作品の場合
書き出し
作品のテーマについて、あらすじに軽く触れながら紹介。
中1
登場人物と自分の考えの共通点と違う点について書く。
中2共通点、違う点それぞれその考えに至った理由を具体的に書く。
実体験を盛り込むと良い。
終わり
作品を読んで得られた自分の「希望」や「目標」について書く。

あらすじを短くまとめる方法

作品を知らない人が読書感想文を読んでも、内容が理解できるように「あらすじ」を入れることが多いかと思います。あらすじは短く、簡潔にまとめましょう。

低学年にありがちな「あらすじ」メインの読書感想文。
わかりやすく伝えようとするあまり、情報を盛り込みすぎるのが原因です。あらすじのボリュームが「自分の意見や感想」よりも大きくなってしまうのはNG。

以下の「あらすじを簡潔にまとめる表」を使って”程よい長さ”のあらすじを作ってみましょう。
本の中から「いつ、どこで、誰が、何して、どうなった」を抜き出して、つなげればあらすじが完成します!
「オットー 戦火をくぐったテディベア」トミー・ウンゲラー作/評論社を例にして、あらすじを作ってみましょう。

以下の表に「いつ、どこで、誰が、何して、どうなった」を当てはめてみます。

つなげて簡単!あらすじ作り
いつ、どこで
第二次世界大戦中、ドイツで
誰が
テディベアのオットーが
何して
ユダヤ人のデビットとドイツ人のオスカーと楽しく過ごしていたが、戦争によって3人は離れ離れになった。

オットーは戦争を生き延びて、いろいろな人の手に渡った後、数十年ぶりにオスカーとデビットと再会する。
どうなったオットー、デビット、オスカーは3人で生きることを決め、一緒に住むことになった。

語尾や言い回しを調整して、あらすじを作りました。

「第二次世界大戦中、ドイツのお話。
テディベアのオットーは、ユダヤ人の少年デビットとドイツ人の少年オスカーと楽しく過ごしていましたが、戦争によって人種の違う二人とオットーは離れ離れになってしまいます。
戦火をくぐり抜けたオットーは、いろいろな人の手に渡った後、数十年ぶりにオスカーとデビットに再会します。
オットー、デビット、オスカーは3人で生きることを決め、一緒に住むことにしました。」

表現を豊かにする裏技

子どもは瑞々しく豊かな感性を持っていますが、それを表現する語彙力、文章力は未熟です。そのため素直に気持ちを表現しようとすると「楽しい」「嬉しい」「悲しい」のようなありきたりな言葉になりがちです。
また、文章の末尾も「~でした。」「~です。」「~と思いました。」を多用しがち。

これらの言葉や末尾を使いつつも、他の表現方法も加えることで、「読み手に伝わる作文」になります。
以下の表現方法を参考に、文章を作ってみましょう。作文にオリジナリティが出てくるはずです。

作文の表現力を上げる言葉や表現
感情を表す言葉
不思議、素晴らしい、面白い、恨めしい、ワクワク、ドキドキ、ハラハラ、
怒りがこみ上げる、困る、など
感情の度合いを表す言葉
飛び上がるくらい、駆け出したくなる程、逃げ出したいくらい、倒れそうな程、など
文末表現
~ではないか、~のようだ、~かもしれない、~と感じる、~と考える、~な気がする、など

【学年別】読書感想文をワンランクあげるポイント

あらすじを細かく書いてあるわけではないのに、「あっ、この本読んでみたいな。」と思わせる読書感想文ってありますよね。
そういった感想文は読んだ人の感動、興奮が読み手にも伝わってくるものです。
読書感想文コンクールに出展される、先生から高評価を得られるような感想文は、「実体験に基づく、素直な感情表現」が入っています。

せっかく時間をかけて、読書感想文を書くのですから、できれば多くの人に認められるものにしたいですよね。
この章では、子どもの読解力、文章力、表現力を伸ばし、「先生からの評価が上がる」ようなテクニックを「低学年、中学年、高学年」に分けてご紹介します。

低学年の読書感想文のポイント

1.挿絵にも注目
低学年向け推薦図書、課題図書を見ると、絵本、または絵本に近い本が多いですね。
文字数は少ないですが、作者の思いや作品の世界観は「挿絵」でも表現されています。挿絵も作品の一部として、じっくり見ると「登場人物や作者の思い」が感じられるはずです。
文章を読むように、挿絵からも気持を読み取ってみましょう。

2.感想を親子で話し合う
ママパパも本を読み、親子で感想を出し合いましょう。1ページごとに「ここはこう感じた。」
「私、僕ならこうしたと思う。」などと思いついたことを、言い合い、ノートにメモしていきます。
感じたことを言葉にすることで、感情表現も豊かになります。またママパパの意見を聞くことで、作品を見る視野も広がります。

3.素直な気持ちを書く

「私も○○を見習いたいと思います。」
「僕も人のためになるように、頑張ります。」
先生や親に褒められるような、正しい、格好いい作文にしようとすると、バイタリティのないつまらないものになってしまいます。

柔軟な思考ができて、偏見も少ない低学年は、飾らない素直な文章が書ける時期です。
作品を読んで感じた気持をそのまま書くことが、読み手を感動させます。

低学年におすすめの本

としょかんライオン

タイトル:としょかんライオン
著者名:ミシェル ヌードセン(著)、 ケビン ホークス(イラスト)、福本 友美子(翻訳)
出版社:岩崎書店

図書館に通う不思議なライオンのお話。
「としょかんのきまり」を守って、毎日図書館に通うライオンは、みんなの人気者。
掃除や手紙の封をするお手伝い、子ども達のサポートをして図書館員のように活躍していました。

図書館にいられるように「吠えずに静かに」していたライオンですが、ある日、友人である図書館長のピンチを救うために吠えてしまいます。「きまり」を守れなかったライオンはもう図書館にはいられません。しょんぼりと図書館を去っていくライオン。
ライオンのいない図書館はどうなるのでしょうか…

友達を救うために「図書館にいられる権利」を放棄するライオンに胸が熱くなります。
きまりを守ることは大切ですが、「やむを得ない事情がある場合はどうすべきか?」を考えさせられますね。
ライオン、図書館長、図書館員がそれぞれの「自分の正義」は何だったのか、お子さまと話し合ってみてはいかがでしょう。

ふたりはともだち

タイトル:ふたりはともだち
著者名:アーノルド・ローベル(著)、三木 卓(翻訳)
出版社:文化出版局

小学2年生の国語の教科書にも採用されている「お手紙」他、計5編が収録された短編集です。
「がまくん」と「かえるくん」のユーモラスでシュールな友情物語。

正直な気持ちをぶつけ合いながらも、相手を思いやる2匹の姿は微笑ましくて、愛らしいです。性格の違うがまくん、かえるくんが、「なぜ親友でいられるのか?」を考えてみましょう。読書感想文の良いネタになりますし、友達づきあいのヒントにもなりますよ。

モダンでデザイン性の高い絵柄が特徴的で、表紙買いする人も多いです。動物たちの動きと表情をいきいきと描いた挿絵が、物語の世界を広げます。

中学年の読書感想文のポイント

1.実体験と照らし合わせる
物語、歴史、科学・・・どのジャンルの本でも、自分の実体験と結びつけられそうな箇所があれば、「自分はこうだった、自分ならこうする」などと書くことで、感想文に奥行きが生まれます。

実体験に基づく書き方例

・主人公の○○は走り去ったと書いてあるが、私(僕)は友達に言い返して大喧嘩になってしまったことがありました。

・実験でできたミョウバンの結晶は、去年の夏の自由研究で作った砂糖の結晶のロックキャンディと良く似ています。

2.題名にオリジナリティを

小学生の読書感想文の題名で良く見られるのが
「○○(本の題名)」
「○○を読んで」
「○○を読んで感じたこと」
です。

中学年からは題名に「感想文のテーマ、自分の伝えたいこと」が入れられると良いですね。本の題名が一切入っていなくてもOK。読んだ本のテーマと自分の考えの重なる部分を言葉にすれば大丈夫です。

元の本の題名考えた題名
「オットー 戦火をくぐったデディベア」トミー・ウンゲラー作、評論社「友情をつないだテディベア」
「10歳の君に贈る、心を強くする26の言葉」岩村太郎著、えほんの社
「心のもやもやを晴らす本、見つけた!」
「季節のごちそう ハチごはん」横塚眞己人(写真と文)、ほるぷ出版
「おいしいハチの食べ方」

3.立場を変えて作品を見る
自分の視点、立場を変えることで、本を読んで感じることも変化します。
以下のように「今の自分以外の視点」で作品を読むと、感想や思い出す実体験が増えて、感想文に厚みが出ます。

・主人公の気持になる

・脇役の気持になる

・作者の他の作品やインタビュー記事を読み「作者の考え方」と照らし合わせて作品を見る

・作品を2回読み、1度目の読後の自分と2度目の読後の自分の心情を比べる

「いつも他の人と同じような感想文になってしまう。」
「決められた字数を描くのが苦痛。」
と言うお子さまは、ぜひお試しください。

中学年におすすめの本

びりっかすの神さま

タイトル:びりっかすの神さま
著者名:岡田 淳
出版社:偕成社

小学4年生の木下始は、父親を亡くしたばかり。転校先の学校で「びりの子」にだけ見える「びりっかす」と出会い、心を通わせます。もっとびりっかすと仲良くなるために、始は算数のテストも、体育の授業も、給食も、すべてわざと”びり”になるように手加減します。

やがて始はクラスメイト達に、びりっかすを見せるために「びり仲間」を増やしていきます。びりっかすに会うために、クラス最低点を目指す子ども達に、担任の先生は困惑します。
サラリーマンのような風貌の「びりっかす」の正体は死神?妖精?それとも・・・

「競争すること、一番になることの意味」
「一番の子も、びりの子もみんな本気で頑張っていたとしたら?」
「本気でやらないことの不誠実さ」
「人の立場になって考えること」
など、子どもに考えて欲しいテーマが盛り込まれた作品です。

明日をつくる十歳のきみへ: ─一〇三歳のわたしから

タイトル:明日をつくる十歳のきみへ: ─一〇三歳のわたしから
著者名:日野原重明
出版社:冨山房インターナショナル

103歳の医師、日野原重明先生が「10歳の子ども達に伝えたいこと」をまとめた本です。
戦争、自殺、いじめなどの「人と人との争い」をなくすために
「ゆるしの心を持つこと」
「おとなになったら人ために自分の時間を使えるような人になること」
が大切であると先生は考えています。

時間の使い方、目に見えないものの大切さ、科学のよい使い方と悪い使い方など、「人としてどう生きるべきか?」を先生の実体験と共に、非常にわかりやすく解説しています。
ものに執着する「持つ人生」と、自分が何になるかに重きを置く「なる人生」についての先生の持論は、大人も考えさせられます。

高学年の読書感想文のポイント

1.メディアで報道されている事件、国際情勢などに結びつけた考察を入れる
日頃からニュース、新聞で「世の中の動き」を知るようにしましょう。自分のコミュニティ以外に視野を広げることで、学びや発見が増えていき、読書する際の感受性も鋭くなります。

読んだ本の内容と、時事問題を結びつけて自分の考えや解決策を提案すると、読書感想文に説得力と奥行きが感じられます。

読んだ本新聞、ニュースで得た情報と結び付けた文例
「マイ国家」星新一著 新潮社
今までの僕は紛争の報道を見ると、どちらか一方の国を悪者として見てしまっていた。今回も○○国が悪い、侵略者だと思っていた。しかし、「マイ国家」を読んでからは、見方が変わった。
戦争は立場によって「善悪」は変わるのだ。
「ムンジュクンジュは毛虫じゃない」岡田淳著 偕成社文庫
SNSで友達の顔写真を無断で使用したいじめは、稔と克彦たちのような「言葉で気持を伝え合える関係」が築きにくくなったからだと思います。

2.上手く書こうとしない
高学年になると、文章表現や感情表現に工夫ができるようになります。
「先生に褒められたい!」
「○○市読書感想文コンクールで入賞したい!」などの希望、目標を持つ子も多いかと思います。
モチベーションも上がるし、良いことですが「大人から評価されやすい作文」を目指してしまうと、意外性のない面白みのない作文になってしまうこともあります。

人の心を打つ読書感想文は、「本を読んで感じた気持ち」、「本を読んだことで変化した自分の考え」が素直に表現されています。スマートな文章、奇をてらった表現ではなくても大丈夫。
読書感想文コンクールで入賞するのは、「自分らしい表現で、ストレートに伝えている」作品です。
まずは気負わず、素直に感じたままの感想を書いてみましょう。

高学年におすすめの本

二分間の冒険

タイトル:二分間の冒険
著者名:岡田 淳(著)、太田 大八(イラスト)
出版社:偕成社

6年3組の悟は活発で陽気な少年。学校の映画会の準備に飽きた悟は、「とげぬき」を保健室に返すという名目で、作業から抜け出してしまいます。そこで出会った「しゃべる黒猫ダレカ」の導きで、異世界に飛ばされ、2分間の長い長い冒険が始まります。
異世界の子ども達は、現実世界のクラスメイトそっくり!彼らと竜を倒す冒険に出かけた悟。

現実世界の2分間が過ぎる前に、悟は竜を倒して帰ってこれるでしょうか?
そして仲間と行動し、考え続けた悟が見つけた「いちばんたしかなもの」とは。
友情、老い、勇気について、深く考えさせられる作品です。259ページの長編ですが、スピード感あふれるストーリー展開で一気に読めてしまいます。

願いがかなうふしぎな日記

タイトル:願いがかなうふしぎな日記
著者名:本田 有明
出版社:PHP研究所

亡くなったおばあちゃんが、光平にくれたプレゼントは「願いがかなう日記」。
「もう一度おばあちゃんに会いたい」と書いたら、本当におばあちゃんが会いにきてくれました!

「もう一度(転校した)石原さんに会いたい」
「お父さんとお母さんが仲直りして欲しい」
始めは願いを書いていた光平でしたが、日記の言葉は次第に意思を感じる、強いものに変わっていきます。

「ぼくは泳げるようになった!!!」
「おじさんは八月二十二日に故郷へ帰った」
などの、自分への約束や他者のための祈りを書くようになります。
やがて光平は「書いた望みをかなえるのは自分自身である」ことに気がつきます。

小学5年生の少年が、ふしぎな日記を通して大きく成長する様を描いた物語。
好きな子に素直になれない気持ち、苦手なことから逃げた罪悪感、困っている人に寄り添う優しさ・・・光平の純粋な心に気持ちが晴れやかになります。

読書感想文は伝達力のトレーニング

本を読んで感じたことを、整理し言葉にするためには、想像力・読解力・語彙力・文章力を総動員しなくてはなりません。
読書感想文は、自分の考えを論理的に伝えるトレーニングになります。

「話す」「書く」どちらの情報伝達手段においても、”自分の考えを筋道立てて相手に伝える能力”は必要不可欠。
文章表現に長けている人は、論理的に話すこともできることが多いです。
読書感想文に取り組むことで、「自分の考えを他人にわかりやすく伝えられる」伝達力も育まれます。
ぜひ、楽しく、読書感想文に取り組んでみましょう。

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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。