2018年12月03日 公開

仲良しきょうだいに育てるために、わが家で実践した5つのコツ

二人以上のお子さまがいるご家庭では、きょうだい喧嘩が悩みのタネ……というパパママも多いでしょう。わが家でも娘たちが小さい頃はよく喧嘩をしていましたが、今ではすっかり仲良し姉妹。そうなるまでに試行錯誤をくり返してきた体験談をお伝えします。

二人以上のお子さまがいるご家庭では、きょうだい喧嘩が悩みのタネ……というパパママも多いでしょう。わが家でも娘たちが小さい頃はよく喧嘩をしていましたが、今ではすっかり仲良し姉妹。そうなるまでに試行錯誤をくり返してきた体験談をお伝えします。

わが家の大学生と中学生は、大の仲良し姉妹

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少し前までは、お出かけのときによく二人で手をつないでいました
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わが家の娘たちは現在、大学1年生と中学2年生。5歳も離れているので、まわりのママたちからはよく「そんなに離れてたら、喧嘩もしないでしょう?」と言われましたが、とんでもない!お姉ちゃんが小学生ぐらいまではしょっちゅう喧嘩をして、筆者が「いい加減にして!」とカミナリを落とすこともよくありました。

それでも今は、お姉ちゃん(ルウ)の部屋に中学生の妹(スウ)が入りびたるほどの仲良し。筆者が妹に「勉強ぐらい自分の部屋でしたら?」と言っても、わざわざ椅子を運び込んで、お姉ちゃんの隣でノートを広げています。

ときどき、お姉ちゃんが「ちょっとママ、聞いてよ!スウってば、私が課題やってる隣で、のんびり携帯なんか見てるんだよ!」と文句を言ってくることもありますが、本気で嫌がっているわけではないようで、気づくと二人で携帯をのぞき込み、楽しそうに動画を見ていたりします。

こんなふうに今ではとっても仲良しな二人。昔は喧嘩ばかりだったのに、どうやって「仲良し姉妹」になっていったのでしょうか。

「お姉ちゃんのこと大好きだからね~」を口ぐせに

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寝っ転がったお姉ちゃんによじ登るスウ。とにかく、しょっちゅうひっついていました(笑)。
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筆者はずっとフルタイムで働いていたので、「仕事で遅くなって留守番をさせるとき、一人よりは二人のほうが寂しくなくていいなあ」と思っていました。だから、妹のスウが生まれたとき、一番に考えたのは、きょうだい仲良く育ってほしいということ。

そこで、まずはお姉ちゃんに刷り込み作戦を開始!スウがまだ言葉もしゃべれない赤ちゃんのときから、ことあるごとに「スウちゃんはお姉ちゃんが大好きなんだね」と言い続けたのです。

たとえば、お姉ちゃんがスウをあやして笑ったら、「スウちゃんはお姉ちゃんが大好きだからね~」とすかさず声をかける。絵本を読んであげているのを見かけたら、「うわーっ、大好きなお姉ちゃんが絵本を読んでくれて、よかったね~」。ほったらかしにされたスウが泣いていたら、「あ、スウが、大好きなお姉ちゃんがいない~って泣いてるよ」という感じで、とにかく「大好きなお姉ちゃん」を強調し続けたのです。

ちょっとわざとらしい……と思うかもしれませんが、そこはお姉ちゃんだってまだ子ども。まんざらでもない様子で、妹のことをかわいがってくれました。

中学生まで子ども部屋は二人一緒に

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わが家ではお姉ちゃんが中学校を卒業するまで、姉妹で同じ部屋を使っていました。スウが小学1年生になったときには、狭い子ども部屋を何とか整理し、お姉ちゃんの机の隣に新しい机を並べました。

お姉ちゃんもスウも「自分の部屋が欲しい!」と何度も訴えてきましたが、「だって、部屋の数が足りないんだからしょうがないでしょ」と押し切りました(笑)。わが家は3LDKだったのですが、夫婦の寝室に加え、筆者が「仕事部屋」と称してひと部屋使っていたのです。

もちろん、その気になれば、荷物を整理して子ども用に二部屋使うこともできたでしょう。でも、机を並べて、一緒に宿題をしたり、おしゃべりをしたりしている姉妹の姿を見て、一緒の部屋で過ごす時間をできるだけ長くしたいと思ったのです。実際、文句は言うものの、同じ部屋で一緒に過ごしているときは、姉妹の時間を楽しんでいるようでした。

さすがに、お姉ちゃんが高校生になったときには部屋を分けたのですが、それでも部屋が狭いことを理由に、スウの部屋に二段ベッドを置き、寝るときだけは今でも二人で一緒の部屋を使っています。

お姉ちゃんを大人扱いする

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こうやって書くと、なんだかいつでも姉妹仲良く過ごしているようですが、もちろんそんなわけはありません。最初に書いたように、特にお姉ちゃんが小学生の頃は、喧嘩もしょっちゅうしていました。

「お姉ちゃん大好き」の暗示効果があったのか、スウは本当にお姉ちゃんが大好きで、なんとかかまってもらいたくてちょっかいを出すのです。でもお姉ちゃんのほうは、5歳も下の妹に合わせてばかりはいられません。宿題があったり、好きな本をゆっくり読みたかったりもするわけです。それで「うるさい!」となって、喧嘩勃発……。

まあ、女の子同士で手が出ることもなかったので、筆者も大抵は静観していました。でも、あまりにもひどい喧嘩が続くようなときには、ちょっとした奥の手を使いました。それが「お姉ちゃんを大人扱いする」ことです。

きょうだい喧嘩仲裁のセオリーで、よく「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだからと言って我慢させてはいけない」なんて聞きますよね。たしかに、喧嘩の真っ最中に「もうっ、あなたはお姉ちゃんなんだから!」などと言って喧嘩をやめさせたら、お姉ちゃんも面白くないでしょう。

そこでわが家では、とりあえず二人を引き離し、こっそりお姉ちゃんにこんなふうに言ったんです。

「たしかに、スウはうるさかったよね。お姉ちゃんだって一人でやりたいこともあるって、ママもよくわかってる。でもね、二人が喧嘩してるの見ると、ママはすごーく嫌な気持ちになるんだ。スウはまだ小さいし、そういうときはお姉ちゃんがちょっと大人になって、ママを助けてくれないかな」

そうやって大人扱いすると、お姉ちゃんも「しょうがないなあ」という気持ちになるようで、渋々ながらも妹とうまく折り合ってくれました。

本当に大事なことは手紙で伝える

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もちろん、「大人扱い」作戦がいつもうまくいくとは限りません。あるとき、お姉ちゃんが「どうせ、ママはスウのほうが好きなんでしょ!」と怒りを爆発させたのです。小学4年生の頃でした。

すぐに「そんなことないよ!ママはルウのこともスウのことも同じように大好きだよ」と言いましたが、お姉ちゃんは不機嫌なまま。これは、口でいくら言っても伝わらないなと感じた筆者は、手紙を書くことにしました。

ちゃんとした便箋を用意し、ルウのことも大好きだということ、また、筆者自身も長女だったので、ルウの気持ちはよくわかるということなどを思いつくままに綴って、お姉ちゃんに手渡したのです。

それに対して、何かあからさまな反応があったわけではありませんでしたが、「手紙」という特別な手段を使うことで、筆者の真剣な気持ちは伝わったんだと思います。それ以降、「スウばかり贔屓されている」などとは言わなくなりました。

思い余った挙句のママのプチ家出が、意外な効果を

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お姉ちゃんが6年生のときに、スウが小学校入学。ますます生意気なことを言うようになり、お姉ちゃんもカチンとくることが増えたのか、喧嘩もかなり激しくなりました。

ある日のこと、どんどんエスカレートしていく二人の言い合いを聞いていたら、筆者のイライラもピークに……。思わず「もうっ、せっかく二人きりの姉妹なのに、そんなふうに喧嘩ばかりしてるところ、ママはもう見たくない!」と言って、家を飛び出してしまったんです。

財布も持たず、化粧もせずに出てしまったため、行く当てもなく、近所をブラブラと歩き回るしかなったのですが、そうこうするうちに筆者の気持ちも落ちつきました。そして1時間ほどで帰ってみると、さすがに娘たちの喧嘩も終わっていました。

とっさのプチ家出だったのですが、気づいたらそれ以降、そこまで激しい喧嘩はしなくなったように思います。ずいぶん経ってからお姉ちゃんに聞いてみたら、「あのときは、さすがにヤバイと思った」そうで、彼女なりにスウの攻撃(口撃?)をかわすようになったんだそう。

賛否両論あると思いますし、特に未就学のお子さまがいるご家庭には絶対にオススメできませんが、ときにはこういう変化球が功を奏することもあるかもしれません。

喧嘩したっていいんじゃない?

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あやとりにハマったこともありました。うまくできなくて、結局、喧嘩になったりもするんですが……
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以上、わが家の子育て体験談をお伝えしてきましたが、基本的には筆者は「喧嘩もあり」だと思っています。

最近は親や先生方の目がよく行き届いていて、お友だち同士で激しい喧嘩をすることが少なくなりました。でも、特に小さいうちは、喧嘩から人間関係を学んでいく面もあると思います。ですから、思いっきりぶつかり合えるきょうだい同士の喧嘩というのも、貴重な体験のひとつだと思うのです。

ときどき喧嘩しながらも、互いに助け合いながら、きょうだい仲良く人生を歩んでいってほしいですね。

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この記事のライター

YUZU
YUZU

フリーライター。東京都在住。出版社で書籍編集の仕事をしていましたが、夫の仕事の都合で2009年より台湾・台北へ。6年間の駐在生活中は娘二人を日本人学校に通わせながら、台湾師範大学の語学センターで中国語を勉強。帰国後はライターとして、主に台湾や子育てに関する記事を書いています。