かっぱと聞くと、「不気味」「怖そう」といったイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、かっぱを主人公にした絵本には、ファンタジックなものや笑えるものもたくさんあります。ここでは、お子さまの興味をひきそうな楽しいかっぱの絵本5冊をご紹介します。
ちょっと長いストーリーに挑戦させたいときに
著者 :長谷川 摂子(文)、降矢 奈々(絵)
出版社 :福音館書店
お祭りに夢中になるうちに、おっきょちゃんは水の外のことをすっかり忘れてしまいます。外の世界を忘れたまま、ガータロたちと毎日楽しく過ごしていました。しかしあるとき、おっきょちゃんは地上を思い出し帰りたくなります。果たして無事に帰れるのでしょうか?
なじみのない言葉がたくさん登場するので、お子さまが楽しめるか心配になるかもしれません。しかしストーリー展開やリズミカルな言葉の響きは、お子さまを引き込む魅力があります。不思議で幻想的なストーリーは、お子さまの想像力も促してくれるでしょう。
おっきょちゃんが無事に外の世界に戻れるのか、ドキドキしてページをめくる手が止まらなくなりそうです。女の子は特に、自分とおっきょちゃんを重ね合わせてストーリーに入り込んでしまうはず。
子どもの日の楽しさが伝わる絵本
著者 :内田 麟太郎(作)、山本孝(絵)
出版社 :岩崎書店
こどもの日に、川辺へこいのぼりを飾る地域も多いでしょう。こいのぼりが川辺いっぱいに広がる姿は圧巻です。そのこいのぼりを「川の中から見たらどんな景色だろう」と想像したことはありますか?
この絵本はそんな想像の世界を形にしています。「もしかっぱの世界があったら?」と、お子さまと一緒に想像を巡らしてみるのも楽しいかもしれません。かっぱたちの様子からは、子どもの日の楽しさも伝わってきます。お子さまに子どもの日のことを伝えたいときに読んであげるといいですね。
『かっぱのこいのぼり』は、行事絵本シリーズの中の一冊です。ほかの行事絵本も手に取ってみてはいかがでしょうか。日本に古くから伝わる季節の行事のことを、楽しく学べます。
子ガッパになりきって絵本の世界に入り込める
著者 :小熊康司(作・絵)
出版社 :くもん出版
きっとお子さまはそんな子ガッパの様子を見て、自分を見ているかのような気持ちになるでしょう。子ガッパの目線で絵本の世界に入り込めるのではないでしょうか。はじめてストーリー性のある絵本に挑戦させたいときには、もってこいの一冊です。
昔話の定番勧善懲悪をユーモアたっぷりに表現
著者 :せなけいこ(作)
出版社 :童心社
ある日カッパの子どもにいたずらをされた男は、その子どもを家に連れて帰りました。すると男のもとに、カッパの親が子どもを取り返しにやってきます。男が親のカッパに子どもを帰してあげると、親のカッパはお礼に魚が集まる笛をくれました。
それを聞いた欲張りな男。カッパの子どもを捕まえ、親をおどして無理矢理笛を手に入れます。しかし男が笛を吹くと……。
おむすびころりんなどの昔話よりも文章が短く、会話でお話が進むためテンポもいいのが魅力です。小さなお子さまでも十分楽しめるでしょう。
ナンセンスな世界観で大人も楽しめる絵本
著者 :シゲタ サヤカ(作・絵)
出版社 :講談社
キュウリが大好きなカッパは、ある夜冷蔵庫にキュウリがなかったので買いに出かけることに。キュウリを買った帰り道、厚切りのキュウリが熱を出してうなっているのを発見したのです。
キュウリを助けたカッパは、「治ったら食べてしまおう」とよからぬことを考えます。しかしキュウリはいっこうに治る気配がありません。
ある日キュウリは、どう見ても具合が悪そうな見た目にもかかわらず、「もうすっかり元気になった」と言い張ります。これはいったいどういうことなのでしょうか?
思いもよらない最後のオチに、「そうきたか!」と思わず笑ってしまいます。大人も子どもも一緒に楽しめる絵本なので、ぜひ親子一緒にシゲタさんの独特な世界観をたっぷり満喫してください。
かっぱの絵本で想像力を育てて
お子さまの想像力を育て、絵本への興味を引き出すのに、かっぱの絵本を上手に役立ててはいかがでしょうか。