2021年09月30日 公開

小学校のダンスの授業とは?そのねらいと内容を解説

小学校のダンスの授業ではどのようなことをするのかご存じですか?昔より身近になってきたダンス。その授業の目的や内容を、親の私たちもぜひ知っておきましょう。

           
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小学生ダンス

習い事としても人気が出ているダンス。2012年からは中学校でも必修化されました。メディアやSNSでも目にする機会が増え、昔よりもだいぶ身近になったように感じます。

バレエやヒップホップなど、ダンスの習い事は何となく想像がつくものの、学校の授業ではどのように習っているのかよく知らない方も多いのでは?
ダンス教育のはじまる小学校にスポットを当て、その授業の目的や内容など紹介します。

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小学校のダンスの授業とは

小学校授業

小学校では、「表現運動系」の領域として取り入れられているダンス。
そのねらいと学習の流れを紹介します。

ダンス系領域学習の目的とメリット

小学校、中学校、高校を通して、表現運動系を含む体育・保健体育では、次のことが目標とされています。

心と体を一体としてとらえ,生涯にわたって健康を保持増進し,豊かなスポーツライフを実現する資質・能力を育成することを重視する観点から,運動や健康に関する課題を発見し,その解決を図る主体的・協働的な学習活動を通して,『知識・技能』,『思考力・判断力・表現力等』,『学びに向かう力・人間性等』を育成すること

<引用>:【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説,文部科学省小学校

この目標に合った要素を豊富に含んでいるのが、ダンス系領域の学習です。
リズムに乗って全身を動かすことは、身体能力をアップさせるとともに、心をほぐすことにも繋がります。また、イメージやリズムに合う動きを見つけたり、作品を見たり創ったりする中で、課題解決や仲間とのコミュニケーション能力も身につくのです。
そのほかにも脳の活性化が促されたり、自信が付いたり、ダンスによるメリットは多くあります。

ダンス系領域学習の流れ

小学校では、はじめからバレエやジャズのような何かのジャンルのダンスを踊るわけではありません。
小学校での学びは、低学年の「表現リズム遊び」、中・高学年の「表現運動」で構成されています。そこからさらに、低学年の表現リズム遊びは「表現リズム遊び」は「表現遊び」「リズム遊び」の2つ、中・高学年の表現運動は「表現」「リズムダンス」「フォークダンス」の3つの内容に分かれています。
いずれも技術の向上を目指すのものではなく、心身の開放やなりきって踊ること、仲間と交流しながら踊ることの楽しさを感じられることを目指す運動です。

小学校のダンス系領域学習の内容は

ダンスをする子供の足

小学校のダンスの授業ではどんなことをしているのか、先述した学習の流れの具体的な内容を紹介します。

【低学年】表現遊び・リズム遊び

ダンス低学年

低学年で学ぶのは、身近な題材の特徴をとらえて全身で踊る「表現遊び」と、軽快なリズムに乗って踊る「リズム遊び」です。これらを組み合わせて授業が構成されます。
表現遊びでは、子どもがイメージしやすい動物や乗り物などになりきって体を動かします。例えば、ゾウが水を飲んでいるところ、サルが木に登るところ、といった動きを全身で表現。イメージしたものになりきって体を動かしたり、友達と一緒にやってみたり、場面を変えてみたり、楽しんでやることが重要です。
リズム遊びでは、ロックやサンバなどややテンポの速い曲や子どもたちに馴染みのある曲を使い、そのリズムに乗って踊ります。決まった振付があるわけではなく、子どもの豊かな発想を生かすよう、踊りは即興です。それを友達と一緒に踊ったり真似したり、楽しみながらよりさまざまな動きができるようにします。

中・高学年で習うリズムダンスとフォークダンスへの繋がりを考え、簡単なフォークダンスを取り入れることもあります。ただし、その場ですぐに覚えて踊れるようなダンスであることが条件です。

【中学年】表現・リズムダンス

ダンス中学年

中学年の表現運動は、「表現」と「リズムダンス」で構成されています。

表現
低学年とはイメージする題材とその表現方法が変わります。低学年では動物や乗り物など子どもがすぐ想像できるような題材で、それになりきってひとつの動作をすることが主な課題でした。中学年ではより具体的な日常生活の中の動きや、空想の世界から題材を選び、その特徴を捉えてひと流れの動きにして踊ります。
例えばそうじを題材とし、そこから雑巾がけや窓ふき、ほうきかけなどイメージとそれを表す動きを膨らませます。空想の世界の題材としては、例えば忍者の世界やジャングル探検など。ひと流れの動きだけでなく、はじめとおわりをつけたストーリー仕立てにも挑戦します。

リズムダンス
リズムダンスでは、低学年に引き続きロックやサンバといった軽快なリズムの曲に加え、テンポが変わる曲やレゲエなど曲調の異なるものも取り入れます。
自由に即興で身体を動かしながらも、テンポや曲調の違いを知り、より曲の特徴を表す踊りをすることが課題です。
ひとりで踊るだけでなく、友だちと2人で踊ったり、円になって踊ったり、友だちと関わりながら工夫して踊ることも大切にされています。

【高学年】表現・フォークダンス

ダンス高学年

高学年の表現運動は、「表現」と「フォークダンス」で構成されています。

表現
表現の題材は、低・中学年より抽象的なものになります。火山の爆発や雷などの「激しい感じの題材」、祭りやスポーツの攻防などの「群(集団)が生きる題材」、地球の誕生や修学旅行などの「多様な題材」が例です。これらのイメージをとらえて、変化や起伏のあるひとまとまりの動きで表現できるようにします。
低・中学年では個人の即興的な動きを大切にしていましたが、高学年ではグループで感じを込めて踊ることも重視。はじめ・なか・おわりといった変化のある構成になるよう工夫が必要です。
また、高学年になると人からの評価をもとに自分の姿を見つめることができるようになるため、友だち同士でアドバイスし合う場も設けられます。

フォークダンス
高学年のフォークダンスが、ダンスの授業と聞いて私たちがイメージするものに近いと思います。
学ぶのは、大きくわけて日本の民謡と外国の踊りの2つ。日本の民謡は、ソーラン節や阿波踊りといった日本の地域で親しまれている踊り、外国の踊りではマイム・マイム(イスラエル)などが取り入れられます。
これらの踊りの特徴をとらえ、動きを身につけ、みんなで楽しく踊ることはもちろんのこと、踊りの由来や背景を知り、日本の地域や世界の文化に触れることも大切です。

小学校のダンス系領域学習の難しさは

つうしんぼ

さまざまな目的やメリットのあるダンスの授業ですが、指導や評価の面では困難な点もあるようです。

指導が難しい

ダンスの授業は指導しにくいと感じている先生が多いようです。その要因として、他教科のような明確な指導内容やテキストがないことや、先生自身のダンスの経験不足や恥ずかしさからくる不安などがあります。
生徒が踊ることを恥ずかしがってしまったり、高学年になると意欲的にやらなかったり、生徒の気持ちの問題もあります。
こうしたことから、ダンスの授業を運動会の演目に当ててしまっている学校もあるようです。
今現在もダンス指導のための研修などはあるようですが、より一層先生へのサポートや教員養成課程での学びが求められます。

評価の基準がわかりにくい

指導の難しさにも関係しますが、ダンスの授業は評価基準がわかりにくい科目です。
球技や陸上競技のように勝ち負けが無く、できたできないの基準も明らかではありません。特に表現系は個々人のイメージするものによって動きが異なってくるため、何をもってよい動きとするのか難しいところ。
少なくとも、学校で習うダンスの目標は「うまく踊る」ことではありません。恥ずかしがらずに積極的に踊ったり、友だちと創意工夫したりすることなどが重要視されます。
ダンスを習うと聞くと、つい上手に踊ることがゴールだと思ってしまいがちなので気を付けたいですね。

中学・高校へも繋がるダンスの授業

ジャンプする子ども

小学校のダンスの授業がどのようなものか、少しでも知っていただけたでしょうか。
小学校の学びは、その後の中学校・高校のダンスの授業にも繋がっていくもの。我が子には思いっきり楽しんでダンスの授業を受けてほしいですね。

<参考URL>
学校体育実技指導資料第9集「表現運動系及びダンス指導の手引」,文部科学省
【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説,文部科学省
小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック,文部科学省
寺山由美,「表現運動」を指導する際の困難さについて,千葉大学教育学部研究紀要,2007
和光理奈 眞崎雅子,小・中学校教員のダンス授業と苦手意識の考察,中京大学体育研究所紀要,2018

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WRITER

かすみ かすみ 東京都在住、2016年生まれ女児の母。大学卒業後は料理教室、食品マーケティング会社に勤務。出産を機に専業主婦となったものの、子どもと2人きりの日々から抜け出したく、地域のママ向けフリーペーパーの製作に携わるように。そこからライター・デザイナーとして活動中。