子どもにとって昆虫は、身近で不思議な生き物。昆虫には「変態」という仕組みがあることをご存知ですか?完全変態と不完全変態について理解すれば、昆虫の魅力をより子どもに伝えやすくなりますよ。身近な自然への興味を深めるきっかけにしてみましょう。
昆虫の「変態」とは?
無変態の場合、脱皮を繰り返し体は大きくなりますが、その姿や生活はほとんど変化がありません。古い本を整理していると姿を現すシミや、森林の湿った場所で見つけられるイシノミなどは無変態の昆虫です。今回は育ち方に注目すると観察がもっと楽しくなる、完全変態と不完全変態の昆虫について詳しく紹介します。
不完全変態のポイントは「子が親と同じ形」
バッタのほかにはコオロギやカマキリ、トンボ、セミなどが無変態の昆虫です。ここで「トンボやセミは幼虫と成虫で、生活する場所も姿も違うのでは?」と不思議に思う人もいるでしょう。しかし、どちらも生活スタイルは変わるものの、幼虫と成虫で体のつくりはあまり変わりません。
完全変態のとあるポイントを理解すると、よりわかりやすくなるはず。トンボやセミが不完全変態であることに納得できるでしょう。
完全変態のポイントは「さなぎ」
蝶やカブトムシ、蜂などが完全変態の昆虫です。幼虫のときには脱皮を繰り返して体が大きくなります。そしてさなぎから成虫になることで、幼虫とは全く違う姿へ。生活や食べ物にも大きな変化があることが完全変態の特徴です。
変態は生き延びるための変化だった!
確かに蝶の幼虫であるイモムシは、動きが遅く行動範囲も狭いため、子孫を残すためのパートナーを探すのは大変そうですよね。蝶になることで飛べるようになれば、行動範囲も広がります。バッタやセミも成虫になると翅を観察できるでしょう。生命の神秘を感じる育ち方は、より昆虫を魅力的に見せてくれます。