みなさん、今年はどうお過ごしでしたでしょうか?一年があっという間に過ぎたという方も、やっと年末だと一息ついている方も、それぞれいらっしゃることと思います。
今回の英国すくすくレポでは、日本から遠く離れたイギリスの、年末年始の過ごし方についてイラストを交えながらご紹介していきます。日本との違いがかなり多くみられるこの時期は、日本育ちの筆者からするとビックリすることもありました。その違いを、ぜひお子さまと一緒に楽しんでいただければ嬉しいです。
イギリスの大晦日の過ごし方
イギリスの大晦日やお正月は、日本の過ごし方とかなり違います。
クリスマスが家族で集まる日本のお盆のようなイベントである一方、大晦日はお友達を招待してホームパーティーするお家も多いですね。大晦日は「食べて飲んでパーティーをする言い訳にいい日!」と冗談をいうイギリス人もいるほど。イギリス人は意外とホームパーティー好きなんです。手作りのお料理やテイクアウェイ(お持ち帰りのようなもの。最近では出前も増えている)の食事で楽しく時間を過ごします。日本の年越しそばのように、大晦日に食べるものは特に決まっていません。
イギリスにも大晦日の特別番組があります。トークショーや歌番組などがあり、年が明ける瞬間にはテムズ川の花火中継も放送されます。年が明けた、まさにその瞬間の0時には、家族・恋人・そばにいる人とキスをして(!)、Auld Lang Syne(オールド・ラング・ザイン)という歌をみんなで歌います。
歌うときは、両手を体の前で交差させて、隣の人と手をつないで歌うというのがイギリスの風習です。このオールド・ラング・ザインのメロディーは、卒業式やデパートの閉店時でもお馴染みの「蛍の光」の原曲です。というわけで、周りが英語でこの歌を歌っていても、私の頭の中ではついつい蛍の光の歌詞が流れてしまう、生粋の日本人の筆者なのでした…。
※少し古い動画になりますが、毎年こんな感じでテムズ川の花火には多くの人々が集まって、この歌を歌って新年を祝います。
「新年の抱負」は英語でなんと言う?
新年の抱負は英語で “New Year’s Resolution”と言います。
“What is your new year’s resolution? “と聞かれたら、
“My new year’s resolution is to do 50 sit ups and push ups every day. ”
(私の新年の抱負は、毎日50回の腹筋と腕立て伏せをすることだよ)
“Well…, to study English hard! ”
(そうねぇ、英語の勉強を頑張ることね!)
このように答えることができます。
他にも、
“I’m going to lose weight. “(ダイエットするつもりだよ)
“I’m going to start getting more exercise. “(もっと運動するつもりよ)
というように、「するつもり」の意味を持つ “be going to”を使うこともできます。
みなさんの新年の抱負はなんですか?
年末年始は家の中が…ちょっとカオス
12月25日のクリスマスが終わった後も、イギリスではクリスマスツリーをすぐには片付けません。キリスト教ではクリスマスからの12日間を降誕節(こうたんせつ)と呼び、お祝いをするのですが、その翌日にあたる1月6日にツリーを片付けるのが伝統となっています。(キリスト教ではない家庭でも、伝統に沿いほぼ同じ時期に片付けます。)
そういう理由もあって、我が家のような日本人ルーツの混ざった家庭では、往々にしてクリスマスデコレーションと正月飾りが混在する、ちょっとカオスな時期と化します…。
大晦日か、その前にツリーを片付けて、正月モードにシフトチェンジも考えたのですが、イギリス人家族の意向として、やはり1月に入るまではツリーは飾っておきたいそう。大きなツリーと家じゅうのクリスマスデコレーションを片付けると数時間はかかるので、異存はありません。(笑)
片付けと言えばもう一つ、日本には「大掃除」という大切なイベントがありますよね。イギリス人も日本人のような年末の大掃除をするのか?というと、答えはNOです。
12月末にはすでに一年に一度の大イベント「クリスマス」が終わったところなので、この時期は大掃除などもせず、お節料理作りなどももちろんなく、のんびり過ごす家庭が多いです。大掃除と言えば、スプリングクリーニングと言って春のイメージが強いです。また、断捨離など不要になった服やおもちゃは、クリスマス前に処分したり、チャリティーに寄付したりして、家をスッキリさせておくので、クリスマス後に大掃除をする必要がないのかもしれません。
新年は仕事・学校の始まりが早い!
日本の冬休みよりも少し早く始まるイギリスの冬休みは、日本の休みよりも早く終わってしまいます。娘達が通う小学校は、新年の新学期は大体3日か4日から始まります。子どもたちはそれでも比較的のんびりしていられる方で、社会人が仕事復帰するのは新年の2日からという声も多く、3日にはほとんどすべてが通常の生活に戻ります。
とはいえ、イギリスは有給休暇が取りやすい環境なので、子どもたちの冬休みに合わせて2週間ほどの休暇を取るママパパも多く、気分的にはかなりリフレッシュして新年の仕事に戻れるので、恵まれている方ではないかと感じます。
あまり元旦をお祝いするような風習もなく、どちらかといえば前日の大晦日のパーティーの疲れを癒すようなイギリスの1月1日ですが、最近では日系のレストランやお惣菜店が本格的な食材と味で、日本のお節料理を販売するようになりました。日本食(特に寿司)が注目されているという背景もあるようです。何にせよ、日本の味に飢えている筆者としては、そういったサービスが存在しているだけで、なんとなく安心・嬉しい気分です。
日本のように1月1日は祝いませんが、中国の旧正月(2月)はイギリスでの知名度が高く、各都市でチャイニーズニューイヤーのイベントが開かれたり、学校でその文化を体験するような内容(工作など)が取り入れられたりしています。大晦日やこの旧正月の時期には、空中に浮かんで空へ飛んでいくランタン(ラプンツェルの映画にあったような)を空にいくつも見かけます。幻想的で美しく、夜空に映えます。
文化の違いを楽しむ
クリスマスの後から年末年始までの過ごし方や祝い方、イベントについてご紹介した今回の英国すくすくレポ。意外なところが違ったり、原曲が同じ音楽が有名だったりと、相違点がおもしろいイギリスと日本のこの時期。まだまだ2月までは寒い日が続きますが、家族やお友達とイベントを楽しんだり、日本の文化や外国の生活に思いを馳せたりして、どうぞ楽しくお過ごしください。