絵本『はじめてのおつかい』をご存じですか?世代を超えて愛され続けている、超ロングセラー絵本です。どのような魅力があるのでしょうか?『はじめてのおつかい』が愛される理由と、「おつかい」をテーマにしたおすすめの絵本を3冊ピックアップしてご紹介します。
『はじめてのおつかい』とは
著者 :筒井 頼子(作)、林 明子(絵)
出版社 :福音館書店
みいちゃんという5歳の女の子がひとりでお金を握りしめ、近くのお店に牛乳を買いに行くというお話。その道中にお金を落としてしまうなど、まるで大冒険のような展開が待ち受けています。ページをめくるたびにドキドキハラハラと緊張が走る、子どもの読み聞かせにピッタリの作品です。
読み聞かせとしての対象年齢は3~4歳からですが、自分で読む場合には小学校低学年くらいまでがおすすめ。累積発行部数が240万部を突破していることからも、高い人気が伺えるでしょう。『はじめてのおつかい』はCD付きの英語版の絵本も発行されています。
『はじめてのおつかい』人気の秘密
絵本は、短い言葉で大切な事柄を伝えるのが難しいところ。『はじめてのおつかい』では、自宅からすぐのほんの短い距離ですが、みいちゃんが不安な気持ちを抱えつつも目的を達成するという、とても大きなドラマが描かれています。子どもの心の動きや成長が感じられる描写が、読む人を惹きつけるのでしょう。
『はじめてのおつかい』を読み聞かせると、子どもはまるで自分のことのように緊張したり、ホッとしたりと心を動かします。絵本が新しいことへチャレンジする勇気を子どもに与えるとして、教育現場で活用されるケースも珍しくありません。
こちらもおすすめ!おつかい絵本3選
著者 : さとう わきこ(作)
出版社 :福音館書店
お母さんに頼まれておつかいに出ようとする女の子が、「足がぬれちゃう」「服がぬれちゃう」と大騒ぎをします。準備万端で出かけようとしますが、その格好はかなりユニーク。思わず笑ってしまいます。
大人からするとおかしな話のように思えますが、子どもにとって1人のおつかいは、たくさんの不安に巻き込まれるということがよく分かるはず。オチまでしっかりついた楽しい絵本です。
著者 : 石井 桃子(作)、中川 宗弥(絵)
出版社 : 福音館書店
アリのありこはおつかいの途中、お母さんとの約束を破ってみちくさをします。そのみちくさが原因となって、大変な冒険に繋がってしまうことに……。最後にはしっかり「ごめんなさい」と謝るありこの姿に、心がほっこりと和むお話です。
著者 :田中友佳子(/作・絵)
出版社 :徳間書店
こぎつねのこんたは、おつかいの途中、お母さんとの約束を破って「もりのみち」を抜けようとします。すると目の前に鬼が現れて、こんたは大ピンチに。表紙からは想像がつかないような迫力のある絵が、子どもをドキドキと夢中にさせます。場面展開のスピード感も魅力です。