多くの人が知らない意外な「読書と学力の相関」と「読書の効果」、家庭でできる効率的な3つの取り組み方について、現役東大生が語ります!
こんにちは、子どもを読書好きにするオンライン習い事「ヨンデミーオンライン」を運営するYondemyです。
早速ですが、皆さんに質問です。
「読書は学力の向上に効果的である。」
「読書をすると国語の成績が伸びる。」
皆さんの中に、読書に対してこのようなイメージがありますか?
多くの方が「はい」と答えられるでしょう。
恐らく読書と学力に負の相関関係があるイメージを持っていらっしゃる方は、いないのではないでしょうか。
読書は本当に学力向上に効果的なのでしょうか?
効果的であるとしたら、読書はどれほど、学力向上に効果的なのでしょうか?
結論からお伝えすると、読書は学力向上に「かなり効果的」です。
今回の連載では「読書と学力の相関」の真相について触れて行くと共に、おそらく皆さんの想像以上であろう「読書の効果」をお伝えしていきます。
お子さんが小学校に入学される前に、ぜひ読書を通して学力の基盤を作ってあげてください。
記事最後には、「家庭でできる、学力向上のための読書に効率的に取り組む3つの方法」についてもご紹介していきます。
なおこの記事で使用する相関データは、全てベネッセ教育総合研究所から公表されているデータです。
(https://berd.benesse.jp/up_images/textarea/bigdata/1026releasenewsletter.pdf?utm_source=banner&utm_medium=banner&utm_campaign=fromebookpage20181026)
それでは早速、多くの人々が知らない意外な「読書と学力の相関関係」について大きく4つの着眼点からお話ししていきます。
① 読書量と偏差値の伸びには相関がある
全く読書をしなかった児童の偏差値が下がっているのに対して、読書をたくさんした児童の偏差値は1.9ポイントも上がっています。
この変化は僅かなように見えるかもしれませんが、集団の偏差値平均は大きく変わりづらいという特徴を考えると、一定の変化があったと考えてよいでしょう。読書をすることと成績の向上には関係があるといえるでしょう。
② 読書で成績が一番上がるのは、なんと数学!?
これは、読書量の異なる層の、科目ごとの偏差値の変化を表した図です。
各教科の偏差値平均の変化を見ると、国語算数理科社会の4科目全てで、「読書量が多い児童」ほど、偏差値が伸びていることがわかります。
さらに興味深いのは、算数の偏差値の伸びが著しいことです。
多くの本を読んだ児童は、3.5ポイントも偏差値を伸ばしています。
小学生の算数は文章題に対応できるかどうかが一つのポイントとなっており、読書習慣のある子どもは、文章で与えられた問いの意味や条件を正確に読み取る力が高いのかもしれません。
また、読書習慣がついている子どもの中には、コツコツと何かをすることが得意な子も多くみられます。計算問題など、努力の積み上げが効果を発揮するものでの点数向上に良い影響を与えていることも考えられます。
③ 読書習慣定着によって、挽回が可能に!?
しかし、その伸び幅は、成績下位者の方が明らかに大きくなっています。 学びの基礎力の伸びしろが大きい成績下位の児童にとって、読書は基礎力を鍛える最適な手段の1つなのかもしれません。
④ 多様なジャンルを読めば読むほど、偏差値の伸びも大きい!
グラフを見てわかる通り、多くのジャンルの本を読む児童ほど、偏差値が伸びていることがわかります。
幅広い分野の本を読むことで、より多様な知識や価値観に出会うことができます。
また、様々な分野の言葉に触れることができ、語彙も増えていきます。
この2点が偏差値向上につながっているのかもしれません。
—-参考——-
4ジャンルの分け方
NDC(日本十進分類法)をベースに本を4つのジャンルに分けて調査しています。
A)お話・読み物…「0:お話・読み物(小説など)」「1:絵本」
B)自然・科学に関する本…「2:図鑑・事典」「6:自然・生物」「7:科学・技術」
C)社会・歴史に関する本…「4:歴史・伝記・地理」「5:社会・文化」
D)生き方に関する本…「3:哲学」「8:職業・産業」「9:芸術・趣味」「10:言語」
読書は多方面で学力向上に効果的!
ここまで、複数視点から「読書と学力の相関関係」を見てきましたが、読書は学力向上に効果的であることが分かりました。
読書の質と量、すなわち「たくさん読むこと」、そして「幅広く読むこと」が成績を向上させる上で重要です。
読書の学力向上に対する効果性は明らかになりましたが、小学校入学までにお子さんを読書好きにするにはどうしたら良いのでしょう?
ここからは、そんな保護者の方のために「家庭でできる、学力向上のための読書に効率的に取り組む3つの方法」についてご紹介します。
読書が「楽しい!」と感じてもらうためには条件がある!?
お子さんが読書を好きになって、本に親しんでもらうために絶対に必要なことがあります。
それは「読書の楽しさ」を感じる経験をすることです。
この経験なしに、お子さんが本を自ら手に取るようになることはないでしょう。
では、「読書の楽しさ」を実感してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。
「読書が楽しい!」と感じる瞬間、人は必ずその本にのめりこんでいます。つまり、本の世界に没頭しています。
「読書の楽しさ」を感じてもらうのに大切なこと、それは「本の世界に没頭すること」です。
「本を読んでいたらいつの間にか何時間も経っていた」
「話しかけられたのに全く気付かずに読み続けていた」
読書好きなら、誰しもこんな経験があるのではないでしょうか。
「でもそんなに夢中になって本を読んだことなんてない……」 そ
んなお子さんにぜひ知ってほしい!
物語に没頭するための「三つの条件」というものがあるのです。
この「三つの条件」を守ることで、格段に物語に没頭しやすくなります。
(逆に言えば、一つでも欠けていると没頭することが難しくなります。
もしかしたら読書嫌いの原因になっているかも……?)
この「三つの条件」は、今日からご家庭で実践することが可能です。
今日から実践する際のコツもお伝えしていきます。
条件その① 30分以上の時間を用意する
どんなに読書が好きな人でも、読み始めたその瞬間から物語に没頭できるわけではありません。
物語を読み進める中で、「徐々に」集中度が高まっていきます。
5分10分の隙間時間では、なかなか「没頭している状態」まで辿り着くことは難しいので、夢中になるためには少し長めに時間を用意しておく必要があります。
また、できるだけリラックスした状態のほうが集中度は高まりやすいと言われています。
夕食後や就寝前に、30分以上の読書時間を確保できるといいでしょう。
クッションなどを使って本を読みやすい態勢を作ることも有効だとか。
ぜひ試してみてください!
条件その② 静かな空間で読む
とある読書教育の研究では、8割以上の人にとって「落ち着いたクラシック音楽」ですら集中状態の妨げになるという結果が出ています。
とはいえ、兄弟のはしゃぎ声やテレビの音などもあり、自宅でそこまで静かな空間を作ることは難しいですよね。
そんな時にオススメなのが「耳栓」です。
外の音に妨げられることなく、物語に没頭しましょう!
条件その③ 「ちょうどいい」本を読む
読んでいる本が難しすぎると、「わからない」ということに気を取られてなかなか集中できません。
「知らない漢字が出てきた」 「知らない言葉が出てきた」 「一文が長くて意味がよくわからなかった」 意外と些細なことで、子どもの集中は削がれてしまうんです。
もちろん集中しづらいだけならまだいいのですが、難しすぎて読みきれなかった場合、挫折が苦手意識へと繋がり、読書嫌いの原因になってしまうことも少なくありません。
子どもに読書という「一生涯の武器」を授けてあげるには?
本が読めればなんだって学べる。
英語もプログラミングも、全部本に書いてある。
どうか、一人でも多くのお子さんが、読書という一生涯の武器を手に入れることができますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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