2019年02月15日 公開

鯉のぼりを掲げる意味とは?由来や最近の「誰が買うのか」事情

5月5日の「こどもの日」に鯉のぼりを掲げる意味をご存じでしょうか?この記事では、鯉のぼりの由来や飾りそれぞれの意味、日本で掲げられるようになった背景などを解説します。「鯉のぼりはだれが買うの?」という最近の傾向もあわせて見てみましょう。

5月5日の「こどもの日」に鯉のぼりを掲げる意味をご存じでしょうか?この記事では、鯉のぼりの由来や飾りそれぞれの意味、日本で掲げられるようになった背景などを解説します。「鯉のぼりはだれが買うの?」という最近の傾向もあわせて見てみましょう。

鯉のぼりの意味、由来は?

富士山 御殿場 皐月 · Pixabayの無料写真 (127575)

鯉のぼりは中国の故事「登竜門」に由来しています。「竜門」という大きな滝を登り切った魚は龍になると言われており、それを1匹の鯉が成し遂げ、龍になったとされる伝説です。この故事にちなみ、日本の武家社会において、滝登りをする鯉が「立身出世」の象徴として取り入れられるようになりました。

こどもの日に鯉のぼりを飾る理由

質問マーク なぜ 問題 · Pixabayの無料写真 (127579)

5月5日子どもの日は、1948年に制定された祝日です。もともとは中国から来た文化「五節句」のひとつ、「端午の節句」の日でもあります。日本では同じ時期に、田の神様を迎えるために女性が身を清める風習がありました。端午の節句と日本の風習が合わさり、菖蒲湯や五月人形など、日本独自の行事として確立されたのです。

江戸時代、武士の家では跡取りである男児の誕生は、とても大きな意味を持っていました。そのため男の子が生まれると、家紋入りののぼりを立ててお祝いしたとされています。庶民の間では中国の故事を真似て、武家の幟のかわりとなる鯉のぼりを飾り、子どもの誕生祝いと健康を願いました。これが現在の鯉のぼりに繋がったと言います。

吹き流し・矢車・真鯉・緋鯉の色や意味は?

鯉のぼり 日本 青空 · Pixabayの無料写真 (127573)

鯉のぼりの飾りには、それぞれ意味があります。

【吹き流し】
すべてのものはそれぞれに「青・赤・黄・白・黒」の五色が当てられているという、中国の五行説に由来したものです。魔除けの意味があります。

【矢車】
武具の弓矢を表現しており、厄払いの意味を込めたものです。矢車ではなく天球が一番上に付いていることもあり、神様が降りてくるときの目印になるとされています。

【真鯉】
かつては嫡男を示していましたが、現在ではお父さんを意味しています。

【緋鯉】
緋鯉はかつて子どもたちを表現していましたが、戦後はお母さんを意味するように変化しました。

【子鯉】
子鯉は文字通どおり子どもたちを表しています。最近では、性別をイメージさせないカラフルな鯉のぼりが増えています。

童謡「こいのぼり」の歌詞や意味は?

自然 風景 森林 · Pixabayの無料写真 (127574)

童謡・唱歌『こいのぼり』が作詞されたのは昭和6年ごろ。近藤宮子さんの作詞ですが、作曲者は不明です。江戸時代まで真鯉だけであった鯉のぼりですが、明治時代に入ると真鯉と緋鯉が登場しました。お父さんと子どもは登場しますが、そこにお母さんが登場しないのが、当時の家父長制だった世の中を表しています。

「こいのぼり」歌詞

やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる

~こいのぼり~ はいだしょうこ – YouTube

鯉のぼりの種類や値段は?

空 自然 屋外で · Pixabayの無料写真 (127576)

庭に飾る大きな鯉のぼりだけでなく、最近では住宅の変化に合わせて、ベランダに設置できるタイプも増えてきました。価格は、見た目の立派さを左右する装飾や大きさ、素材などによってさまざま。ベランダ用で1~10万円程度、庭用は2~100万円までと価格帯に幅があります。

一般的にベランダ用よりも、庭用の方が高い場合が多いでしょう。

鯉のぼりはだれが買うの?

財布 コイン お金 · Pixabayの無料写真 (127578)

鯉のぼりを買う人は、地域によって風習が異なります。ただ昔は、母方の両親が購入することが多くありました。最近ではお金を両家の両親で折半し、商品はパパママが気に入ったものを買うという家庭も増えています。

鯉のぼりの保管方法

鯉のぼり こいのぼり 5月 · Pixabayの無料写真 (127577)

5月が過ぎるとすぐに梅雨に入ってしまうため、こどもの日が終わったら鯉のぼりは早めに片づけることをおすすめします。外で飾った鯉のぼりには土ぼこりが付いているため、水に濡らした雑巾を固く絞って軽くふき取り、しっかりと乾燥させてから片づけましょう。水分が残っているとカビの原因になってしまいます。

商品によっては洗濯できるものもあるので、説明書をチェックしてみてください。

子どもの健やかな成長を願うのはいつの時代も同じ

日本では、ずいぶん古くから鯉のぼりを掲げていたことがわかります。子どもの誕生を祝い、健康に育ってくれることを願うのは、いつの時代も同じです。こどもの日(端午の節句)には鯉のぼりを掲げて、子どもの健やかな成長を祈りましょう。

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この記事のライター

コバヤシ トモコ
コバヤシ トモコ

奈良県出身/フリーライター/週末釣り部/海と釣りが好き/ 優しいダンナ君と優しい中学生の双子男子のステップファミリー