小学校入学後に算数への苦手意識を持たないため、幼児期のうちに数に慣れることは大切です。ご紹介する「数の雑学」は数の単位・ものの数え方など、子どもが友達に教えたくなるようなものばかり。面白い数の雑学を知ることで、算数に興味を持つきっかけにもなるでしょう。
人種・言語が違っても数字は共通
それがアラビア数字です。アラビア数字は私たちも使っている「0・1・2・ 3・4・5・6・7・8・9」 の10種類。10を基にして位を上げていく「十進法」という考え方になります。9まで数えたら次は10、99まで数えたら次は100のように、9を超えたら次の桁にいく十進法は「10倍(逆は10分の1)ごとに桁が変わる」数の表し方です。
アマゾンの奥地に住む先住民であっても、先進国の都会のビジネスマンであってもアラビア数字を使った数の考え方は変わりません。
アラビア数字が世界に広まった理由
「ゼロ(無)の概念」は6世紀くらいまでの間にインドで生まれ、その後イスラム圏に伝わりました。つまりアラビア数字の原型はインド数字。インド数字がイスラム文化で改良・発展されたものがアラビア数字となります。元々あったゼロ(無)の概念を文字にしたアラビア数字の発明は、数学・天文学の発展に大きく貢献しました。
漢数字・ローマ数字にはゼロ(無)を表現した数字はありません。そのため表記が複雑になることも多く、ローマ数字にいたっては4000以上を表記することができないのです。ゼロ(無)を0と数値化したアラビア数字は、人類最大級の発明のひとつといえるでしょう。
億より上の単位はどこまであるの?
兆の先は以下のとおりです。なお、乗は0の数であることを教えてあげてください。
京(けい)=10の16乗
垓(がい)=10の20乗
秭(じょ、し)=10の24乗
穣(じょう)=10の28乗
溝(こう)=10の32乗
澗(かん)=10の36乗
正(せい)=10の40乗
載(さい)= 10の44乗
極(ごく)=10の48乗
恒河沙(ごうがしゃ)=10の52乗
阿僧祇(あそうぎ)=10の56乗
那由他(なゆた)=10の60乗
不可思議(ふかしぎ)= 10の64乗
無量大数(むりょうたいすう)=10の68乗
使うことはあまりありませんが、知っているとお友達からも一目置かれそうな雑学です。「寿限無」のような言葉遊びの一環として覚えると楽しいですよ。
知ってた?意外な数え方のものたち
時代の流れとともに使う人が少なくなった助数詞が、現代の感覚にそぐわないまま残っている場合もあります。ここでは、数え方が意外なものたちの一部をまとめてみました。
アイロン・ハサミ=挺(ちょう)
タンス・ようかん=棹(さお)
うさぎ=羽(わ)
昆虫=学術的には頭(とう)
(例)蝶1頭、蟻2頭
イカ=杯(はい)、生きているときは匹。
マグロ=生きているときは匹。水揚げされたら本(ほん)。頭・背骨を切り落とした半身は丁(ちょう)。お刺身用などにブロック状に切り分けられたものは「さく」。お刺身となり一口大になったものは「切れ」。
海苔=市販されている全形1枚ずつは枚(まい)。全形10枚で1帖(じょう)。
虹=本、筋(すじ)、橋(きょう)
能・日本舞踊=差し
印鑑・印章=顆(か)
贈り物=枝(えだ)
おもしろ世界の数の単位
メートル法が生まれる以前、世界共通の単位制度はありませんでした。そのため各国それぞれの単位を使っていて、個性的なものも多く存在しました。腕の長さや歩幅を基準とした単位、道具の長さを基準にした単位……世界の面白い単位をご紹介します。
・キュービット
古代エジプトの王が定めた単位です。1キュービットは王様の曲げた肘の角から、中指の先端までの長さをさします。時代ごとの権力者の「曲げた肘の角から中指の先端までの長さ」が基準となるキュービット。今では使われていません。
・リーグ
欧米の1部の国で使われています。1リーグ=「人や馬が1時間に進む距離」で約3.8km~約7.4kmとのこと。個体差のあるなんともアバウトな基準ですね。
・ハロン
ハロンは201.168m。過去にはイギリス・アイルランド・アメリカ・カナダなどで使われていた、距離を表す単位です。現在は競馬の距離を表すとき以外は使われていません。馬を使って鋤で畑を耕して、作られた畝の長さを基準とした単位です。この畝を作る際は効率よく、馬に無理をさせないで耕すことが条件にありました。
数字への苦手意識をなくそう
数字自体にネガティブなイメージを持つ前に、数の雑学を教えることで算数への興味を引き出します。お風呂の時間・就寝前のひとときなどに「パパママが面白い」と感じる、数の雑学を聞かせてみてはいかがでしょうか。