外遊びができない日も多い梅雨の時期。おでかけできない日が続くと、親子ともにストレスがたまってしまいます。そんなときは傘をさして植物観察に出かけてみては? 見頃の植物を観察して、季節を感じてみましょう。身近で見られる、梅雨空に映える美しい植物をご紹介します。
植物観察で知的好奇心を育てる
雨がそれほどひどくないなら、傘をさして近場まで植物観察に出かけてみてはいかがでしょうか。見頃の植物達の美しい姿が、梅雨のどんよりした気分も吹き飛ばしてくれるはずです。
花の色・葉っぱの形・匂いなどを観察して、どう感じるか親子で話し合ってみましょう。植物を間近でじっくり見ることは、知的好奇心・集中力を高める効果も期待できます。
親子ともに良い気分転換になるのでおすすめです。
1.梅雨の花「アジサイ」
見頃
特徴
ひとつの株で様々な花の色が楽しめるアジサイ。花の色は土壌のpHによって変化します。酸性が強ければ青っぽい花に、アルカリ性が強ければ赤っぽい花が咲きます。
葉に毒性があると言われているので、子どもの誤食に注意が必要です。
種類
(1)ガク(額)アジサイ
日本原産のガクアジサイ。その名の通り、粒状の小さな花を装飾花と呼ばれる大きな花が額のように囲って咲いています。
(2)ホンアジサイ(ハイドランジア)
ガクアジサイが西洋で品種改良されてできたホンアジサイ。手まりのように集まった球状の花が特徴です。大正時代に逆輸入されました。
2.色・形・香りのバリエーションが豊富「バラ」
見頃
特徴
種類
(1)オールドローズ
1867年以前に栽培・観賞の主流だったバラの種類です。高さは2m程。優雅な花型・クラシックなカラー・強めの香りが人気です。1年に1度しか咲きません。
(2)モダンローズ
1867年にフランスで作られたラ・フランスが最初のモダンローズとされています。オールドローズを品種改良して、より丈夫になり長く鑑賞できるようにされました。華やかさや香りの多様性が特徴。100~150cm前後の樹高なので手入れもしやすいです。
【樹形】
(1)ハイブリッドティー系
支柱なしでも直立できる樹形。春~冬先まで何度も咲く四季咲き性で、150cmを超えるものも多いです。
(2)フロリバンダ系
縦よりも横に広い樹形。樹高は100cm以下のものもあります。
(3)ミニチュアローズ
鉢植えできるくらい樹高も花も小さいです。樹高15~40cm・花の大きさも2cm程度。
(4)つるバラ
支柱・フェンス・アーチなどに巻きついて花を咲かせます。
【花型】
剣弁・半剣弁・丸弁・波状弁・杯状・一重・半八重など、花弁の形や花の形状から分類されています。
3.初夏の訪れを感じるさわやかさ「花菖蒲」
見頃
特徴
花型は三英咲き・六英咲き・八重咲きの3種類。鮮やかな葉と花が梅雨のジメジメを忘れさせてくれそうです。
麗しい花ですが、汁液には毒性があります。茎を折る、花をちぎるなどは避けましょう。
4.白い花と艶やかな緑の葉が美しい「クチナシ」
見頃
特徴
花形は一重の6枚花弁の種類と八重咲きの2種類です。
秋に橙赤色(とうせきしょく)の果実をつけます。この果実が熟しても割れず、口を開かないことから「クチナシ」と呼ばれています。
食用・衣料用として使われているクチナシ色素は、一重の6枚花弁の果実からのみ取れる黄色の染料です。
5.神秘的な美しさと可愛らしさが人気「睡蓮」
見頃
特徴
公園の池・沼はもちろん、一般家庭の池・水鉢・専用鉢(睡蓮鉢)などでも見られるでしょう。
先細で整った形の花弁が重なっている美しさは、フランスの画家モネも愛して作品に残したほどです。水に浮かんだ不思議な花は、子どもの興味もひくのではないでしょうか。
スケッチで観察力を磨こう
一点注意したいのは、毒性のない植物でも、デリケートな子どもの肌には刺激が強いこともあります。軍手などを用意して、素手で触らないようにしましょう。