「保活」という言葉があるほど、働くパパママたちが保育園を見つけることは悩みのひとつ。では海外の保育園事情は、どんな感じなのでしょうか?産後43日からの復帰が当たり前、全額無料、入れない人はいないなどメキシコシティでの保活体験談と保育園事情をお届けします。
メキシコの産休明け
産休・育休中の月給は100%イムスから支払われるのですが、期間はそれぞれ産休42日、育休42日と定められています。そのため、産後43日目から復職が求められていることになります。
そんな働くママたちをサポートしてくれる保育園には大きく分けて2つ種類があります。それが「私立の保育園」と「イムスが直接経営/イムスと契約した私立の保育園」です。
イムス系の長所・短所
実際には、イムスに加入している全被雇用者のお給料からは「イムス保険料」が毎月一定額の天引きがなされているので、全く何も支払っていない、というのとは違うかもしれません。ですが、企業と被雇用者、そして国が一体となってサポートしている、それがイムス系の保育園です。
イムスと契約している私立の保育園は、例えばシングルマザーであるなどの条件を満たしている場合に無料になる保育園を指します。
ただし、規則が厳しいのが難点。例えば、風邪をひいて早退した場合、必ずイムスのクリニックの医師が「保育園に戻れる」と診断したレターを持っていかないと保育園に戻れない、などがあります。
このクリニックがまた融通の利かないシステムで「予約がない場合は4時間待ち」も当たり前。追加で有給を申請しなければならず、働くママにとっては頭の痛いところです。
また、生後43日~3歳の子どもたちを預かってくれるのですが、3歳になると同時に退園しなくてはなりません。そのため子どもが3歳になる前に、幼稚園、もしくは3歳以上も預かってくれる保育園を新たに探す必要がでてきます。
私立の長所・短所
そして生後43日後から6歳まで続けて預かってくれる園も多く、近隣の私立小学校との提携をしているところでは、小学校「お受験」サポートもしてもらえます。
とはいえ、私立の場合は当然ながら有料。格差社会のメキシコですので地域によっても大きく異なりますが、特に働くママに便利なオフィス街の近くはどうしても高くなりがち…というジレンマも。
筆者の娘を預けている保育園は、家庭の年収に応じて割引を適応してくれる「奨学金」制度もあるようです。
保育園の決め手は?
・どの地区にするか…筆者の場合、自身が子どもを抱えて公共交通で通勤するよりも、主人の職場近くのほうが車で送り迎えをしてもらえる、かつ自宅にも近い、という状況だったため、自宅近くに決定。
・保育サービスの時間帯は…どこの保育園でも一律19時まで預かってくれるわけではありません。筆者の場合、近所のイムス系は17時まで。そこで19時までお願いできる私立を選択。
その他、娘がお世話になっている小児科医からも口コミを得て、今の保育園に決めました。
乳児クラスに宿題!?
働くママにとって、寝る時間を削ってのお絵かきやコラージュ作成は大変…と思いきや、普段オフィスではしない工作や調べもの、これはこれで気分転換になって楽しいものだな、と思います。
また、小さいうちからの英才教育が加熱中のメキシコでは、乳児クラスから英語のレッスンがある場合も。先生の熱意が通じたのか、筆者の娘はスペイン語よりも日本語よりも、まず英語で数を数えられるようになっていました。
お誕生日はみんなで
子どものお誕生日当日には、クラスメイトや先生にはもちろん、多いときには保育園全員に向けて両親がケーキやお菓子を詰めたプチギフトを準備します。このときばかりは甘いものも解禁?でみんなで楽しくお祝いしましょう!
子育てはみんなで、という意識
世界35カ国中、労働時間の長さが堂々1位に輝くメキシコでは、格別珍しいことではないでしょう。実際、筆者が現在働いているオフィスでは、6人のワーキングママ全員が保育園経験ありです。
しかし、働くママが長時間家をあけていられるのも、保育園に入れやすい環境、また、姑や家族の協力も得られやすいというお国柄、さらには比較的人件費が安いため、困ったときにはベビーシッターサービスも依頼しやすいという条件があってこそと思います。
つくづく、子育ては母親ひとりではできない。周りに助けられて育児をしているな、と感謝する日々です。
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