子どもの奇想天外な話やおふざけに、思わず引き込まれることが多々あります。自由で豊かな子どもの創造性を上手に育んであげるには?夢と希望にあふれる子ども心に親が寄り添うには?振付師・ラッキィ池田さんの新著にはそのヒントがいっぱいです!
ラッキィ池田さん著の『「思わず見ちゃう」のつくりかた』
著者:ラッキィ池田
出版社:新潮社
振付師として活躍して30年以上。常にヒットを飛ばし第一線で活躍し続けるヒミツは「子どもスイッチ」にあるようです。
新著『「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」』では、大人の事情に振り回されず、子どもが持つ自由で豊かな想像力を維持するポイントとして、この「子どもスイッチ」というキーワードが何度も登場します。
思わず見ちゃう、楽しくておもしろいアイデアはどうやって作る?子どもスイッチってどこにあるの?大人も持ってる?
この本には、読み手によって、育児書にもビジネス書にもなる内容が書かれています。きっと、Chiik!読者のパパやママなら、育児において気付かされること、ヒントがもりだくさんだと思ってもらえるはずです!
大人が無理に押さなくても子どもは常にスイッチON状態
大人になると、そうはいきませんよね。社会の常識から外れないようにといろんなブレーキが作動して、子どもの頃のような考えや行動はできなくなるもの。でもそれもなんだかつまらないものです。
子どもたちと遊んでいると、仲間から外れて自分で遊びを考えて、楽しそうに遊んでいる子どもがいます。この子たちは決して心を閉ざしている訳ではなく、自分の新しい発想や考えで、仲間たちを自分に引き寄せようとしているのです。その「頑固な子ども力」に触れると、いじらしく、それ以上に可愛く思えてしまいます!
大抵うまくいきません。
最近気付きましたが、一生懸命一人ぬり絵をしていると、「私もしようかな」とそばに来てくれる友だちもいるのです。ラッキィさんが言っているのはこういうことか、とハッとしました。大人の解釈で「娘はつまらないんじゃないか」と思い込んでしまい、せっかくの娘の趣味を奪おうとし、スイッチをOFFにしようとしていたかもしれないと猛反省です。
時には子どもと一緒に変顔、ヘンテコダンス
突然「ママ見てー」と変顔したり変なポーズをとったり、机やソファの上からジャンプで飛び降りたり。忙しい夕方にやられると正直イライラするし、怒鳴ってしまうこともあります。
それでも懲りずに呼び続けられることもよくあるのですが、そのたびに、後で!忙しいの!と言っているうち、「こちらの事情」を察するようになってきました。それを成長として喜ぶべきか。この本を読んで、自分は間違っていたなと痛感しました。
大人には「何やってるんだ?」と不可解に見えても、子どもは楽しくてしょうがないし、その楽しいという気持ちを身体全体で表現して分かち合おうとしているんですよね。危ないことやいけないことはちゃんと注意しつつ、子どもを笑わすために一緒に変顔やヘンテコダンスで「楽しい」時間を過ごす。そうやって子どもの心を育ててあげることが大事だと、この本から教えてもらった気がしました。
ラッキィさんの「思わず見ちゃう」は子どもに大ウケ!
「じゃあ、キュウレンジャーのキュータマダンシング知ってるよね。これ踊ったら、なんと、指が1本増えるから!」
そんなこと言われたら、子どもはもちろん大人でも「思わず見ちゃい」ますよね。
種を明かすと、指を折りながら1から数え、8を飛ばして11まで数える、というそれだけなのですが子どもには大ウケ! 「8飛ばしてるよー」「11本じゃないよ、10本だから!」子どもたちはおのおのラッキィさんにツッコミます。中には真剣に抗議している風に見える子も!とにかくラッキィさんの注目の集め方、子ども心の掴み方がすばらしい!と思いました。
ラッキィさんは大人が「ERROR」を見せることで、子どもが自ら気付いて指摘する力を伸ばしてあげることができる、と語っています。うちの子のように人前でもじもじするタイプには、もってこいのアプローチ法だと思います。これ変だよね、違うよね、というものをわざと見せることで発言のチャンスを与えて距離を縮める。ついでになんだかおかしい。積極性を育ててあげるのにも役立つのかなと感じました。
経験を重ねても「怖いもの知らず」の精神を
今、小さい子どもが持っている「怖いもの知らず」のチャレンジ精神や柔軟な思考力を、どうしたら維持してあげられるか。親自身も子どもスイッチを押して一緒に今を楽しむことが一番効果的な方法かもしれません。
『「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」』が育児中の身にこんなに突き刺さるとは、読み始める前は想像もしていませんでした。子どもの可能性を広げるためにも、ぜひ手に取ってもらいたいおすすめの一冊です。