独特の世界観を持つ、滝平二郎さんの切り絵作品。多くの絵本の挿絵を担当しており、特に文学作家の斎藤隆介さんとタッグを組んだ作品は有名です。教科書で目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ここでは、滝平二郎さんの切り絵が楽しめる絵本をご紹介します。
なかなか勇気が出ないお子さまに
著者 :斎藤 隆介(作)、滝平二郎(絵)
出版社 :岩崎書店
物語の主人公は、おじいさんと一緒に暮らす少年・豆太。おじいさんの家のそばには大きな木があり、豆太はその木を「モチモチの木」と呼んでいます。
豆太は夜に見るモチモチの木が、怖くてたまりません。夜に1人でトイレにも行けないほど。しかしそんな臆病な豆太が、勇気を出さざるを得ないできごとが起きるのです……。
「挑戦する勇気が出ない」「内弁慶で外では尻込みをしてしまう」といったお子さまの背中を押してくれる1冊。この絵本を読むことで、主人公の姿に自分を重ね合わせ「頑張ろう」という気持ちになれるかもしれません。
妹や弟がいるお子さまに読みたい絵本
著者 :斎藤 隆介(作)、滝平二郎(絵)
出版社 :岩崎書店
ある日、主人公・あやが山菜を採りに山の中に行くと、老女に出会いました。老婆いわく、山の中に咲いているきれいな花は、村の人たちがいいことをするたびに咲くのだそう。そして、あやの足元に咲く花は、あやが妹のため我慢をしたときに咲いたものだと教えられます。
この物語は優しく、そして少し切ないお話です。弟や妹がいるお子さまは、この物語の主人公のように、切ない思いを隠しているのかもしれません。
妹や弟がいるお子さまに、パパママから日ごろの感謝の気持ちを込めて読んであげましょう。読み終えたら、「いつもありがとう」とひと言添えてみてください。「パパママは自分の気持ちを分かってくれている」と、笑顔を見せてくれるはずです。
新しいお友達との出会いの前に
著者 :斎藤 隆介(作)、滝平二郎(絵)
出版社 :岩崎書店
しかし、女の子たちは仲間に入れてくれません。そんなとき、1人の男の子がおシカと遊んでくれたのですが……。
入学や進級、転校など、お子さまは新しい環境に飛び込む機会がたくさんあります。新しいお友達に声をかけるのは、なかなか勇気が必要なこと。しかもそこで断られてしまったら、きっと傷ついてしまうでしょう。
新しいお友達との出会いの前に、この絵本を読んであげてはいかがでしょうか。「お友達には優しくしてあげよう」「仲間はずれはやめよう」など、大切なことを感じてくれるかもしれません。
諦めずにやり続けることの大切さを伝える絵本
著者 :斎藤隆介(作)、滝平二郎(絵)
出版社 :岩崎書店
しかし村の子ども一平は、1人で山の土を運び、湖に捨てるという作業を始めました。周囲の人はそれを馬鹿にしますが、そのうちほかの子どもたちも作業に加わり、その様子を見ていた大人たちの心も動かし出し……。
大きな課題にぶつかると、それが難題であるほど「仕方がない」と諦めてしまいがちです。ですが、やり始めなければ何も変わりません。小さなことでも始めることが大切で、続けていれば状況を打破できることもあると、この絵本は教えてくれます。
諦めずにやり続けることの大切さを伝えたいときに、読んであげたい1冊です。
絵本の楽しさを伝えたいときに
著者 :斎藤隆介(作)、滝平二郎(絵)
出版社 :岩崎書店
鬼が、主人公の子どもに翻弄される姿が面白く、パパママは思わず鬼に同情してしまうかもしれません。小さな子どもが主人公なので、お子さまは自分と主人公を重ね合わせながら楽しめそうです。感情移入しやすく、物語に入り込めることでしょう。
絵本に興味を持つきっかけにもなりそうです。
切り絵の世界観とともにストーリーを楽しんで
小さなお子さまも、切り絵を眺めているだけで、物語に込められた想いを感じ取ってくれるでしょう。親子で滝平二郎さんの世界観を楽しんでみてくださいね。