母音の数は、英語と日本語で違うことをご存知ですか?「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つからなる日本語に比べ、英語の母音はもっとたくさんあります。それぞれ理解しておけば、英語の聞き取りや発音の上達につながるでしょう。英語の母音に関する基礎知識をご紹介します。
母音の数はいくつある?
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日本語の母音は「ア・イ・ウ・エ・オ」の5個だけです。一方、英語の母音の数については諸説あります。国際音声記号をベースにアメリカ英語に用いられている「Jones式発音記号」では、母音は細かく分類すると26個。国際音声記号とは、あらゆる言語の音声を文字で表記すべく、国際音声学会という学術団体が定めた記号です。
英語の母音、26個すべてを覚えるのは大変なこと。そこでこちらでは、英語を上手に話すために覚えておきたい、主な母音を中心にピックアップします。
「ア」に近い母音は主に3種類
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日本語の「ア」に近い発音には、「ʌ」「ӕ」「ɑ」があります。小さな三角形のような「ʌ」は、日本語の「ア」と同じように発音する記号です。
aとeがくっついたような「ӕ」は、「ア」と「エ」の中間音。「ア」を発音する口で「エ」と言います。「ɑ」は「ア」とも「オ」とも聞こえる音で、「ア」を発音する口で「オ」と言うイメージです。
「イ」に近い母音は舌の形で使い分ける
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日本語の「イ」に近い発音は「iː」と「ɪ」のふたつです。iとコロン(:)が隣り合ったような「iː」は、日本語の「イー」のように唇を横に大きく開いて発音できます。
「ɪ」は「イ」と「エ」の中間のような音で、普通に「イー」と発音するよりも舌の位置を低く、なおかつ口の内側に寄せて発音しましょう。舌の上に飴玉を乗せると自然と舌の位置が下がりますが、この状態をイメージして発音します。
「ウ」「エ」「オ」に近い母音
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日本語の「ウ」に近い発音は、「uː」と「ʊ」とがあります。「uː」は日本語の「ウー」のように発音できる記号です。「ʊ」は「オ」に近い形で口を開いたまま、口をすぼめずに発音します。喉の奥のほうから聞こえる、少し暗い感じの音です。
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「e」(国際音声記号では、大文字のEが少し丸くなったような「ɛ」)は日本語の「エ」、「ɔː」は「オ」に近い発音記号。日本語と同じように発音できます。
発音の上達には練習が大切
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英語の母音のなかには、日本語と似たような発音のものもあれば、独特な発音の仕方が必要なものもあります。唇や舌など口の動きが大切なので、鏡を見ながら何度も繰り返し練習してみましょう。
慣れないうちは少し大変ですが、徐々に口の筋肉がついて発音しやすくなっていきます。また英語の母音が聞き分けられるようになれば、英会話の上達にも役立つはずです。