2017年04月11日 公開

子どもが夢中!算数のセンスが自然に身に付く「パターンブロック」

アメリカ発、欧米で広く普及し、日本でも国立・私立をはじめ公立まで多くの小学校でも取り入れられ、数学教育の専門家や教授がこぞって勧める、東洋館出版社の「パターンブロック」。その魅力と理由、遊び方や使い方をタスクカードもあわせ、体験レポートつきで詳しく紹介します。

アメリカ発、欧米で広く普及し、日本でも国立・私立をはじめ公立まで多くの小学校でも取り入れられ、数学教育の専門家や教授がこぞって勧める、東洋館出版社の「パターンブロック」。その魅力と理由、遊び方や使い方をタスクカードもあわせ、体験レポートつきで詳しく紹介します。

パターンブロックとは……

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カラフルで鮮やかな発色、さまざまな種類の形、すべらかな手触りの木の感覚とちょうど良い大きさ。子どもが手にした途端、すぐに夢中になって遊びはじめるウッドブロックです。

考え抜かれ、洗練された6種類のパーツは、シンプルで組み合わせやすいので、想像力を働かせて、自由な発想で楽しめます。自然と集中し、子どもが長時間夢中になれるのが魅力です。

さらに、時を経ても形と重さに狂いが生じにくいように作られているため、質・使い方共に長く使える上質な教材・知育玩具です。

アメリカ発! 日本の各有名小学校から公立小学校まで教材として使用

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パターンブロックは、アメリカで開発され、1980年代から指導事例などに紹介され、現在でも各州の幼稚園から中学校まで、広く算数カリキュラムに取り入れられている学習教材です。

“Hands on learning”または”Hands on Math”などと呼ばれる学習法に取り入れやすく、「体験的な学び」や「手で考える算数」とも。また、小学校の学習指導要領にある「算数的活動」を行うのによく使われる代表的な教材です。

日本でも、20年ほど前から、算数・数学教育に熱心に取り組む学校を中心に使われはじめ、一部の教科書にも登場するほど。現在では、筑波大学附属小学校など、学大系の附属小、国立・私立の有名小学校から公立小学校まで幅広く使用されています。

小学校受験問題にも数多く登場し、日本各地の知育・幼児教室やワークショップでもその効果が高く評価され、愛用されています。

考え抜かれた6種類のブロック

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色と形が限定された6種類のブロック

ブロックは、緑色の正三角形、黄色の六角形、 橙色の正方形、赤色の台形、青の平行四辺形、木目そのままのひし形の6種類があります。形によって色が違うのは、形の呼び方を知らない小さな子どもたちでも、「黄色のブロック取って」などと、色の名前で呼べるからだそう。

角度はどれも30度の倍数!

各ブロックの角度は30度、60度、90度、120度、150度の5種類のみ。すべて30度の倍数になっているので、どの角を合わせても、180度や360度にしやすく、それぞれを組み合わせることが容易。行き詰まることなく、敷き詰めたり、大きな形を作ったりできます。

それぞれの辺の長さが同じ!

ブロックの一辺の長さはすべて1インチ(約2.5cm)で、赤色の台形の長い辺のみ2倍の2インチ。またすべての厚さは1cmで統一。どのブロックを組み合わせても辺と辺がぴったり合います。面積や量などの大きさの概念を理解しやすく、積んでも並べても組み合わせやすいのです。また、小さな子どもでも手になじみやすい、取り扱いやすい大きさです。

遊びながら図形感覚を育てられる

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見たとたん、「ママありがとう!」と子どもが歓声をあげて大喜び。早速同じ形のものを見つけて集め、数えはじめました。

一般的な算数教材と大きく違うのは、子どもが自発的に自由に遊んだり活動したりする中で、知らず知らずのうちに、算数・数学の概念やセンスを育めるところです。

対象年齢は3歳からですが、小・中学校、もちろん、大人も一緒に遊べます。

小さな子どもでも、遊びながら手を動かしているうちに、等脚台形を3個、または三角形を6個組み合わせても、六角形になることを発見できます。図形の知識を自然と感覚的に身につけられるのです。

もちろん数える、計算することからはじまって、足し算や引き算、掛け算、割り算、分数を理解するのにも大変役立ちます。

さらに、図形の合成・分解、拡大・縮小が簡単にでき、対称性や規則性を体感で理解するのにも有用です。

まずは自由に、自発的な遊びを見守りましょう

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3歳の女児が自発的に作って遊んでできた作例。
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まずは、好きなように遊ばせましょう。周囲が手を出さずに黙って見守ること。子どもが自分の頭で考え、楽しんで、自由に遊ぶ時間をたっぷり経験することが重要です。

並べたり、重ねたり、ひっくり返したり、比べたり、数えたりして好きなように遊ぶうちに、形やサイズの決まりごとに自然に気がついていきます。

食べものや家具に見立てておままごとをしたり、電車ごっこをしたりなど、さまざまなごっこ遊び・見立て遊びにも使えます。

花や動物を作ったり、幾何学模様を作ったり、パズルのようにしたり。さらに、重ねたり、高く積み上げてみたりと積み木としても遊べます。陣地取りや崩して遊ぶなどのゲームを考え出すのも面白いものです。

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3歳女児のはじめての作例は本人曰く「ライオン」。
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大人が横に座って、自分も無心に楽しんでみましょう。モザイクのパターンを作ってみるのも良い刺激になりそうです。
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親子でそれぞれ考えたお花を一緒に作るのも楽しい遊び方です。この日に公園で見つけたのは椿の花。「今日見たお花はこんな色と形だったね」と話しながら作るのも楽しいです。
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大人と子どもの合作。親子それぞれで船を作り、周囲に青いブロックを波に見立てて散らし、ごっこ遊びを楽しみました。
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「タスクカード」で“気づき”を増やそう

http://www.toyokan.co.jp/book/b101614.html (48744)

タイトル :構成力をのばすパターンブロックタスクカード
著者  :理英会出版
出版社 :東洋館出版社
3歳から小学校高学年まで使えます。

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「タスクカード」はパターンブロックの教科書として、また、たくさんの形の組み合わせに気づくためのヒントや手引きになる補助教材です。

タスクカードを見ながら、どうすればこの形になるのか、並べたり、回転させたり、ひっくり返すなどして試行錯誤する経験が重要です。集中力に加え、構成力、発想力、空間認識力も鍛えられます。

まずは見本を見て、使うブロックを探す、形を合わせる、できあがったものを見比べるなどの作業を通して、自分の発想だけでは気づきにくい、新しい発見ができます。

タスクカードは、最初は枠に合わせて置く、ブロックの種類を替えるなど5STEP。また、A4サイズの厚めの紙で、1枚ずつ切り離せる使いやすいブックです。

はじめてパターンブロックを手に入れるなら、タスクカードとブロックのセットがおすすめです。

パターンブロックの遊び方は無限大!

幅広い年齢で楽しめるパターンブロック。特に未就学児は、簡単に手に届くところに置いておき、気づけばいつの間にか自分から遊んでいるのが理想的です。色と形がキレイなので散らかっているように見えず、床を彩る美しい模様にも見え、その中で、偶然面白い組み合わせを発見できることも。

親子で一緒に楽しんでくださいね。

(文・写真/志田実恵)

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