ライフスタイルの多様化により、家族みんなで食事をする機会が減少傾向にあります。また、朝食を食べない子どもも増えています。各省がまとめた調査データを見ながら、子ども時代により良い食習慣を身につけるために、忙しい中でも家庭でできることを考えてみませんか?
「孤食」が増えている現状
家族と食事を共にしたい、重要であるという声が上がるものの、孤食にならざるを得ない現状があるようです。単独世帯や夫婦のみの世帯、1人親世帯の増加により、誰かと一緒に食事を共にする機会が得られないことが原因と分析しています。
また、「孤食」が少なく、誰かと一緒に食事をしている人は、主食・主菜・副菜をそろえた栄養バランスの良い食事をしている傾向が見られました。さらに、朝食を「ほとんど毎日」食べると回答した人の割合も、孤食がほとんどない人の方が高いことがわかりました。
農林水産省「平成29年度 食育白書」第1部 食育推進施策をめぐる状況
家族と一緒に食事をすることのメリット
その理由は、「家族とのコミュニケーションが図れる」が79.4%でトップとなり、次いで「楽しく食べることができる」「規則正しい時間に食べることができる」「栄養バランスの良い食事を食べることができる」と続いています。
食事は、栄養をとることだけが目的ではなく、その日の出来事などを話し合うコミュニケーションの場としても重要です。さらに、家族一緒だと、楽しくおいしく食べることができ、食事のマナーや料理への関心が高くなることも期待できます。
朝食を食べない割合も増加!学力にも影響!?
また、18歳未満の子どもがいる世帯で、1週間のうちで家族そろって一緒に朝食を食べる日数は、「ほとんどない」が、32.0%で最も多い割合に。
文部科学省の調査によると、毎日朝食を食べる子どもほど、学力調査の平均正答率、体力テストの合計点が高い傾向にあることが判明しています。
1日のスタートである朝食が、栄養面だけでなく、子どもにとって多様な面で必要なことがわかります。子どものころに身についた食習慣を、大人になって改めることは難しく、毎朝きちんと朝食を食べる習慣を身につけるには、家族と一緒に食べることが第一歩ではないでしょうか。
内閣府「平成27年版子ども・若者白書」第1部 子供・若者の状況
農林水産省「平成29年度 食育白書」第2部 食育推進施策の具体的取組
子どもを孤食にしないためにできること
共働きや1人親世帯が増えるなかで、子どもの「孤食」が増えるのは仕方のないことかもしれません。少しでも改善するために、忙しい親でもできることをまとめてみました。
手抜きの食事も取り入れる
忙しいときは、冷凍食品やお惣菜、お弁当なども活用し、一緒に食べる時間を優先する方が良いことも。または、時間のあるときに作り置きをして、すぐに食べられるようにしておくという方法もありますね。
朝食はみんなで一緒にとることを心がける
もし、パパママのどちらが早い時間に出発するのであれば、なにか一言メッセージを残しておくのも方法です。子どもは愛されている、家族とつながっていると実感できるのではないでしょうか。
休日は家族で一緒に作れるものを
コミュニケーションが図れ、楽しい時間を過ごすことができます。「手伝ってくれてありがとう」「みんなで作って食べるとおいしいね」という、声かけを忘れないことがポイントです。