2018年12月18日 公開

国をあげて行うオランダの読書推進事情をレポート!

日本でもおなじみの「ミッフィー」や「かえるくん」が書かれた地、オランダでは、子どもも大人も本を読もう!という読書推進の活動が国をあげてあちこちで行われています。オランダの読書推進のアイディアやオランダ語、オランダの図書館事情をご紹介します。

オランダ語の本を読んで欲しい!その背景は……

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nito / Shutterstock.com


Spreekt u Nederlands?(オランダ語を話しますか?)
オランダは公用語としてオランダ語が使われています。オランダ語は隣国のベルギーの一部、そして南アメリカのスリナム共和国でも話される言語ですが、世界中にオランダ語話者は2,300万人しかいません。

英語やスペイン語など話者の多い言語に比べ、オランダ語に訳される書籍は少ない印象です。

しかし、学歴と読書率は大きく関わりがあるという近年の調査結果もあり、オランダの学校でも読書の習慣付けが重要視されています。
オランダ語書籍を積極的に読む機会を増やすべく、設定されているのが読書週間。1970年代より公共図書館協会によって主催され、学校や図書館だけでなく街中でもイベントが開催されます。

オランダの読書週間は特典が盛りだくさん

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Peter Braakmann / Shutterstock.com

オランダの子ども向け読書週間

子ども向けの読書週間は毎年10月に設定されていて、学校の年間行事予定にも書かれるほど、大事な行事のひとつになっています。

毎年テーマがあり、学校や幼稚園で課題図書の読み聞かせが行われたり、物語の世界を表現する発表が行われたりします。2018年のテーマはvriendschap(フレンドシップ・友情)です。

また、期間中、書店で10ユーロ以上オランダ語の絵本を購入すると、もれなくもう1冊、本のプレゼントが行われます。

読書週間はオランダの鉄道会社NSがスポンサーをしているため、駅でも読書週間ならではのイベントが催されます。子どもの読書週間には、特定日に駅構内に本の交換スペースができ、自分が読まなくなった本を別の本と交換することができます。本の作者による講演会や読書会も開催され、本の世界を楽しむことができます。

オランダの大人向け読書週間

毎年3月の最終週は大人の読書週間。こちらも子ども同様に毎年異なるテーマが設定されます。

2018年はDe natuur(自然)でした。 2019年はDe moeder de vrouw(母、女性)という興味深いテーマが設定されています。

大人の読書週間の期間中も、12.5ユーロのオランダ語書籍を書店で購入することで、もう1冊本がもらえ、さらに特定日にその本を持っていると、無料で乗車できるという面白い企画が毎年行われています。

オランダの図書館事情:レベルにあわせた表記とオーディオブック

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オランダの図書館には、長く滞在できるゆったりした読書スペースが設置されています。
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オランダの図書館利用は有料(年会費が必要)ですが、18歳未満の子どもたちは無料で利用することが可能です。
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幼児向けのおもちゃも置いてあり、長い時間滞在できます。
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図書館ではオランダ語レベルに応じて本を選べるよう、わかりやすいラベルが貼られているのが目を引きます。
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レベル別に分けられ、わかりやすい表示がしてあります。
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また、本にあわせたオーディオブック(朗読CD)の利用もさかんで、図書館内でも広いスペースが確保されています。
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オーディオブックもたくさんの種類が用意されています。
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また、学校でアクティビティとして図書館に行く機会も多く設けられています。そこで、図書館の利用方法を学んだり、読み聞かせやテーマとなる本の映像を観たりと、読書が身近に感じられる工夫も学校側で多く用意していると感じます。

オランダの子ども図書博物館では本の世界に入り込める展示が

Kinderboekenmuseum — Ontdek, beleef en maak! (113794)

はらぺこあおむしの展示では、虫食い穴をくぐっていくと、最後にちょうちょになることができます。
デンハーグ中央駅近くにあるkinder boeken museum(子ども図書博物館)は見所満載。

「はらぺこあおむし」や「ミッフィー」「かえるくん」など有名な絵本の世界に入り込んで遊べる常設展が魅力的です。
小学生以上の大きな子どもたち向けにも、キャラクターや物語の製作やさまざまなアクティビティが充実しており、数時間遊ぶことができます。企画展やイベントもよく開催されていて、ワークショップや講演会などに長蛇の列ができることもあります。
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本の世界が表現されていたり、パソコンなどの端末を使ったアクティビティも。
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最後に

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Salvador Maniquiz / Shutterstock.com

Rijksmuseum Research Library, largest public art history research library in the Netherlands.
オランダ語という話者の少ない言語での読書推進は、作者の方や図書館員の方と触れ合う、心が温まるコミュニケーションが大切にされているようです。

オランダでは、天気のよい日に公園や庭で読書をする大人が大勢います。子育ての合間の読書は、時間を捻出するのが難しいのですが、それでも私たち大人も読書をしたいものですね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Hitomi Hitomi  バリ島、台湾と旅するように夫と3人の息子と暮らし、現在オランダ暮らし2年目。ライター、アロマセラピー講師。hitomiarai.infoというオウンドメディアで海外子育てや、アロマ、手作りコスメ、自然で気楽なライフスタイルを提案しています。