2019年3月11日 公開

日本語なまり英語の特徴とは?ネイティブに通じにくい理由

ノンネイティブが話す英語は、地域ごとになまりがあるもの。なかでも日本人の話す英語は、ネイティブにとって聞き取りづらいようです。長期間学習を重ねた日本人の英語でも、聞き返されることが多いのはなぜでしょうか?日本語なまり英語の特徴と、通じない理由をまとめてみました。

1.カタカナ英語が浸透しすぎている


日本の暮らしにはカタカナ英語があふれています。たとえば、アップル・カレー・ハンバーガー・チョコレートなど、子どもが大好きな食べ物にもカタカナ英語はたくさん。日本人からすると正しい英語に思えますが、これらは日本人にだけ通じる、ネイティブの英語とは異なった言葉です。

テレビのバラエティ番組などで、日本人がカタカナ英語を使って外国人と話す場面はよくあります。このとき、うまく通じないシーンを目にしたことはないでしょうか。

日本人は幼少期からカタカナ英語に慣れ、そのあとに英語を習得する学習環境にいます。これが英語の正しい発音や、リスニング面で苦労しがちな理由のひとつでしょう。

2.日本語には英語のような抑揚がない


お気に入りの洋画を、字幕版と吹き替え版の両方で鑑賞したことはあるでしょうか?筆者の子どもは映画『アナと雪の女王』が大好きで、毎日のようにDVD鑑賞した時期があります。このとき、字幕版と吹き替え版を交互に見ていました。

両方を比較すると、字幕版の登場人物から「感情の起伏が一層強く伝わってくる」という印象の違いに気がつきます。これは「日本語は抑揚が少なく、英語にはある」ことに起因するのでしょう。

基本的に日本語は、一本調子で話す言語です。母国語である日本語のイントネーションを英語にも適用しようとすると、抑揚のない英語になってしまいます。これが英語らしくない英語を生む理由。結果として「日本人が話す英語がネイティブには通じにくい」という現象が起きると考えられます。

3.日本語と英語はリズムの取り方が異なる


次は「音声」に着目してみます。言語にはそれぞれ特徴的なリズムがあるもの。少し専門的な話になりますが、日本語は、モーラ言語のひとつと言われます。モーラとはいわゆる「拍」です。日本語は、このモーラをリズムの単位とします。一方の英語は、モーラ言語ではありません。簡単に言えば日本語と英語では、リズムの取り方が大きく異なるということです。

「pineapple(パイナップル)」を例に見てみましょう。

日本語:「パ」-「イ」-「ナ」-「ッ」-「プ」-「ル」の6拍
→ひとつのモーラが「子音+母音」で成り立ちます。

英語:pine-apple(「パイ」-「ナッポゥ」)と2音節
→ひとつの音節が「子音-母音-子音」で成り立ちます。

日本語では6拍かけて発音する語彙が、英語ではたったの2音節です。「タ・タ・タ・タ・タ・タ」と「タ・タ」と文字にしてみるとわかりやすいはず。このリズム感の差が、日本語なまり英語の最大の特徴とも言えます。

4.英語では綴りどおりに発音しないことがある


日本語は単語の1文字ずつを明瞭に発音します。しかし英語では、綴りどおりに発音しないケースも少なくありません。リエゾンやリダクションと呼ばれる、特徴的な音声現象です。

リエゾン:文中の2つの単語をつなげるように発音するケース
リダクション:あるはずの音が変化して欠落するようなケース

アメリカ英語を例に、アナ雪で大ヒットした主題歌のタイトル『Let it go』の発音を、カタカナ英語とネイティブで比べてみます。

日本語:レット・イット・ゴー
英語:レリゴー

この場合の英語では、以下のようなことが起こっています。

1. 「Let」と「it」をつなげてひとつの単語のように発音する(リエゾン)
2. 「it」の「t」を発音せず省略する(リダクション)

日本人がリスニングやスピーキングでつまずいてしまうのは、こうした日本語には馴染みのないメカニズムのため。基本ルールをおさえて、いくつか例を繰り返すと慣れてきます。

インプットを増やす習慣を


言語学の観点からも、日本人にとって英語を習得することは容易ではありません。まして日本にいれば、英語を駆使しなくても生活に支障はありません。しかし幼少期のうちは、母国語にない音を聞き取ることに優れている貴重な時期。インプットの機会を習慣化していきましょう。

抑揚・リズム・リエゾン・リダクションを楽しく習得するには、英語の歌を活用してみてください。童謡でもパパママ好みの洋楽でも、おうちや車内でかけ流すだけで、耳に馴染んでいきます。

筆者は日本で生まれ育ち、現代ほど英語学習が盛んではない時代を過ごしました。しかし気付けば英語が好きに。その理由を考えたとき、幼少期から母親が家で洋楽をかけていたことを思い出しました。1日のほんのわずかな時間でも、英語の音声を聞く習慣を取り入れて、インプットに役立ててみてはいかがでしょうか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

trans trans  海外在住(英語圏・中国語圏)通算9年、2女の母。 英会話講師・テクニカルライターを経て、現在は在宅翻訳・ライティング・全国通訳案内士としてフリーランスの活動に奮闘中。目下の夢は、娘2人とぶらりNY旅&NYの母校訪問。