前回、新型コロナウィルスによる影響が私立小学校受験にどのような影響をもたらしたかという記事を書きました。
記事にも書きましたように私立も大きな影響を受けましたが、2021年度の受験で驚くべき変化が起きたのが国立小学校受験です。
コロナ禍の影響は?2021年度小学校受験を振り返る(私立編)
通常の国立小学校受験
東京都には6つの国立小学校がありますがすべての小学校において試験後に抽選があります。
そのうち
筑波大学附属小学校
お茶の水女子大学附属小学校
東京学芸大学附属竹早小学校
の3校は
- 1次試験で抽選を行って人数をしぼり
- 2次試験で1次抽選を通過した人に対しての試験を行い
- 3次試験では2次試験の合格者に対して抽選を行う
という3回の試験を行いました。
詳細は以前書きました記事をご覧ください。
都内国立小学校の受験資格や注意事項は?「『お受験』はじめました!」vol.30
大きな変化
国立小学校を目指す場合、試験の準備はもちろん必要です。
しかしながら、1次抽選を通過しないことには試験が受けられません。
通常の場合、1次抽選を通過するのは
筑波は男女ともに1,000人ずつ
お茶の水は男女ともに210人ずつ
竹早は男女ともに350人ずつ
ですが、今年は2次試験で密の状態を避けるために1次試験の通過者を従来より減らしました。
例年の1次通過人数 | 2021年度の1次通過人数 | |
筑波大学附属小学校 | 男女各1,000名(約半数) | 約3割 |
お茶の水女子大学附属小学校 | 男女各210名 | 男女各150名程度 |
東京学芸大学附属竹早小学校 | 男女各350名程度 | 男女各200名程度 |
その結果、願書を出した国立小学校に1校も通過できなかったという受験生が通常よりも激増してしまう結果となりました。
国立を目指して頑張ってきたご家族には大変つらいのですが、国立小学校は準備をしてきても1次抽選に通過しないと試験も受けられません。
だからといって準備をしなければ2次試験に通過することは難しいです…。
オンラインの活用
願書提出など今まで学校に出向いていたところが、今年はWEB出願や郵送での対応となりました。
合格発表などもネットで発表となり、とまどった保護者の方も多かったようです。
国立小学校は「時間遵守」に関しては最も厳しく、合格発表が出ている時間も限られているためその時間内に確認しないとならず学校へ問い合わせをしても回答してもらえません。
これまでどちらかというとアナログな対応が多い国立小学校でしたが、今回のコロナウィルスへの対応を通してデジタル化が少しずつ進んだ印象があります。
最大の激震!試験日程の大変更!
国立小学校で最も目指す人が多い筑波大学附属小学校ですが、試験日程が例年より1ヶ月早まりました。
通常11月に1次抽選を行い、その1ヶ月後の12月後半に2次試験が行われます。
私立小学校の受験も終わった時期なので、筑波を志望するご家庭は1ヶ月間筑波の勉強に集中できます。
しかし、今年はそのスケジュールが1ヶ月前倒しされました。
これにより、私立と併願して受験する生徒は筑波の試験のみに集中して取り組むことができなくなりました。
お茶の水は通常通りのスケジュールで行われましたので、昨年度の国立小学校受験の大トリとなりました。
ただし、先程も書きましたように例年以上に1次抽選の合格者を減らしましたので、通常女子は1次試験通過者が1/8程度のところが今年度は1/12まで上がってしまいました。
最後の望みをかけて受験するご家庭も多かったので、1次通過者が減ってしまったことは受験者にとって大ダメージとなってしまいました。
ただし、2次試験の受験者数が減ったことによって、合格者の割合は例年より増えます。
そのため、1次抽選を通り、かつ試験の準備をしっかりなされていたご家庭には大変有利だったと思われます。
今年度がどうなるかわかりませんが、国立小学校にとっては今までの手続きに変わる新しいやり方を実施できる機会にはなったのではないでしょうか。
大激震の2021年度入試でしたが、今年度もどうなるかわかりません。
受験を検討されているご家庭ができることはどんな状態になっても試験を万全に受けられるように準備をすることと家族の健康を維持することです。
変化についていけるよう保護者も常にアンテナを張っておく必要があるということを改めて実感いたしました。
次回もお楽しみに。