2018年5月27日 公開

「食中毒」予防は家庭の食事で軽視傾向!?誤解も多い調査結果に

東京都は、食中毒予防に関する認知や実践の実態調査を実施。その結果、普段の食事で、食中毒を気にかけている人は少なく、予防法を誤解している点も多いことが明らかに。また、子どもへの食中毒予防の教育も不充分ではないかという指摘があります。注目点を解説します。

「家庭における食中毒予防に関する調査」とは

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George Rudy / Shutterstock.com
東京都は、都民全体を対象に、家庭での食中毒予防に関する関心や取組み状況などを把握し、食中毒予防に向けたより効果的な対策を促すために「家庭における食中毒予防に関する調査」を行いました。2018年04月23日にその結果を公表しています。

【調査対象】
都内在住の20歳~79歳の男性女性
【調査方法・回答者数】
・予備調査・・・3,000人、Webアンケート
・グループインタビュー・・・各グループ(20~30代、40~50代、60~70代)男性2名、女性4名の計6名で構成
・本調査・・・週に1回以上自宅で調理をする1,000人、Webアンケート

どのくらいの人が家庭で食中毒にかかっているの?

これまでに食中毒になったことがある人は、予備調査では24.9%に。その食中毒経験者のうち、「原因菌等はわからない」と回答した人は、57.8%と過半数を占めました。原因菌等の回答があったものの中では、「ノロウイルス」が 22.5%で最も高い結果になっています。

また、本調査(週に1回以上自宅で調理をする人対象)で、食中毒の経験があると回答した人のうち、最も多かったのは「飲食店での外食・出前」で44.6%。ですが、「家庭で調理したものが原因」と回答した人も、30.5%にものぼりました。

厚生労働省が発表する食中毒統計資料によると、報告されている年間食中毒件数は、平成29年度は1014件、患者数16464人、そのうち家庭で起きたのは100件で9.9%です。が、死者も出ているのでけして軽視はできないのではないでしょうか。

普段の食事で「食中毒」を気にかけている人は少ない!?

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SunKids / Shutterstock.com
予備調査で「普段の食事で気をつかっていること」を聞いたところ、最も多かったのは「栄養のバランス」で50.4%、次いで「朝食を抜かない」が47.5%と回答しました。それに対し、「食中毒の予防」は、22.8%で最下位という結果になっています。

また、「賞味期限」を常に見ている人は 82.9%、「消費期限」では 80.2%ですが、それを守っている人 は「賞味期限」で 26.3%、「消費期限」で 42.6%という結果なのも気になりますね。

カレー等が残った場合、家庭で調理している人の40.5%が「小分けして冷蔵又は冷凍」で、28.3%が「鍋のまま冷蔵」を答えていますが、「鍋のまま常温」で保管するという回答も17.9%あります。
さらに「作った鍋のまま、常温保管」する人のうち、29.6%が少なくとも3日後まで食べていたそうです。

「生もの」「夏場」が食中毒の重要ポイント?

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Africa Studio / Shutterstock.com
予備調査で、最も多くの人が正しい情報と認識していたのは、「食中毒予防のためには、とにかく生もの(生肉、生魚等)の取扱いに注意が必要だ」が、55.8%にのぼりました。

しかし、「食中毒は、夏場の発生件数が多い」は、必ずしも正しいとはいえない情報ですが、正しい情報であると回答した人が50.8%となりました。

昔は、寒い季節は食中毒が発生しにくいという認識が一般的でしたが、寒い方が起こりやすいウイルス性の食中毒もあることが明らかに。また、冬でも暖房で室内が温かければ、細菌が繁殖しやすいので、細菌性の食中毒にも注意が必要です。春や秋でも、自然毒の食中毒が多く起こっているので、年中警戒は必要なのです。

若い年代ほど食中毒への意識が低い傾向にあり!

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stockfour / Shutterstock.com
「食中毒予防で注意・工夫していること」を聞いたところ、20~30代では「スーパーに出ているものは信頼しきっている」「何も考えていない」など、あまり気にしていない様子がみられました。また、グループインタビューでも食中毒のイメージを「お腹痛くなっても休んでいれば治るかなと軽視している」声もあります。

一方、40~50代では「賞味期限を確認する」「衛生基準が厳しそうな店で買う」となり、60~70代では「食品の管理が安心できる店で買う」「賞味期限・消費期限をみる」という回答が得られています。

年代が高くなるにつれて、深く多角的にみていることがわかりました。

誤解多し!食中毒予防に効果があると思っていること

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Halfpoint / Shutterstock.com
「肉は水で洗う」「常温でなるべく早く解凍する」「解凍後使わなかったら再凍結すること」の項目を、食中毒予防のためにやった方がいいことだと誤解している人も、約60%にものぼっています。

「酢や梅干しを入れることで食中毒予防に効果がある」「刺身を食べるときは、殺菌のため、わさびをつける」と認識している人は約80%ですが、効果を過信しすぎている可能性があるのでは、と指摘されています。

また、「残った食品を温め直す時は、食べごろになるまで加熱する」について、食中毒予防に絶対に必要と誤解し、実践している人は全体の49.2%にものぼるそうです。

家庭での食中毒予防は「トイレの後に手洗い」が最も多い!

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Studio Romantic / Shutterstock.com
食中毒予防のために家庭で取り組んでいることとして、最も高いのは、「トイレの後に手洗いをする」で71.6%となりました。本調査でも「調理の前、生の肉・魚・卵を取り扱った時、トイレの後は手を洗う」の項目に対して、「絶対に必要」が 73.2%、「必ずやっている」が 72.1%で、最も高い結果となっています。

食品の購入時では「消費期限・賞味期限を確認する」、弁当は「変な臭いがしたら食べない」、外食時は「おいしいと評判の店でも不衛生に見えたら入らない」がそれぞれ最も高い結果になっています。

性別でみると、男性よりも女性の方がすべての項目で取り組んでいる割合が高く、特に「トイレの後に手洗いをする」は、男性約60%に対して、女性は約80%と大きな差がありました。

手洗い以外に家庭で教えたい食中毒予防とは?

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Oksana Kuzmina / Shutterstock.com
本調査では食べる前に手を洗うといった、菌をつけないための対策を教えている家庭が多いことがわかりました。「家庭で子どもに食中毒について何か教えていますか」という質問に対し、最も多かったのは「食べる前に手を洗うこと」で71.6%、次いで「落ちたもの、落ちているものは食べない」が53.0%、「異臭のするものは食べない」で、44.3%となりました。

しかし、菌を増やさない、やっつけるための対策(冷蔵や冷凍の必要な食品は冷やして保存する、肉は中心までよく加熱する)を教えているのは、約30%にとどまりました。

ただし、少なくとも、子どもに教えていることは、親自身も必ず行っている割合が高いことがわかりました。

最後に……

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ESB Professional / Shutterstock.com
今回の調査で、食中毒について、普段の食事で気にかけている割合が予想より少ない数字で、間違った認識が定着していることもわかりました。自己判断せずに、正しい情報を得ることが大切ですね。

東京都福祉局では、食中毒を予防するための情報をWebサイトで公開しています。大切な家族を守るために、食の安全により一層注意し、健康な食生活を送りたいですね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Kayoko* Kayoko*  千葉県在住。9歳と6歳の男児を持つママライター。得意ジャンルは育児、料理、ディズニー、ときどきお酒。大学では心理学を専攻。ただいま、スムージーダイエットに奮闘中!