2019年08月01日 公開

家族のとっておきを残す。こだわりフォトブックの作り方

「世界に1冊の家族の本」をオーダーメイドで作ってみませんか?家族の暮らしをきちんとした本に仕立てることで、何気ない日常に特別な深みが加わります。子どもたちが主人公の本、家族だけの物語を手に取る喜びや贈る喜び。こだわりのハードカバー上製本を作る方法をご案内します。

「世界に1冊の家族の本」をオーダーメイドで作ってみませんか?家族の暮らしをきちんとした本に仕立てることで、何気ない日常に特別な深みが加わります。子どもたちが主人公の本、家族だけの物語を手に取る喜びや贈る喜び。こだわりのハードカバー上製本を作る方法をご案内します。

アルバムやフォトブックはいつ、何のために作る?

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スマホやデジカメでたくさん子どもや家族の写真を撮っても、こまめに整理して、アルバムやフォトブックを作るのはなかなか大変なこと。

本を何冊も手掛けてきた編集者であり、アルバム大使として写真アルバム作りの講習会も多数開催、フォトブックやアルバムも各種サービスを利用して累計50冊は作成している筆者ですが、億劫な作業であることはよくわかります。

とはいえ、写真を撮りっぱなしでは、形に残すことはできません

今回は家族のために作りたい、特別な本作りの魅力と簡単な作り方についてお伝えします。

そして、よく聞かれること。作り時はいつでしょうか…?

誰かへの贈り物に1冊作ることを目標にすると、外せない締め切りができるので頑張れる、という声があります。
・お子さまやパパママの誕生日の記念、プレゼントとして。
・母の日や父の日、敬老の日、帰省のお礼や手土産など、実家の両親や義両親に贈るプレゼントに

長く残す、家族用のとっておきを1年に1冊作るなら……
・年度区切り:春休みや夏休みに。
・年号区切り:年末年始や冬休みに。

思い立った時が一番の作り時ですよ。

最初の一歩が踏み出せない方のための3ステップ

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写真の整理も、手帳やスケジュール帳、育児記録、園行事など、プリント写真収納もサイズを揃えると統一感が出ますし、整理収納もしやすいです。
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1:テーマを決める

誕生日、夏休み、帰省、旅行、出産記録などのテーマを決めます。1年に1冊作るなら、期間とサブテーマを最初に設けるのがコツです。

・学年や年度区切り(4月〜翌年3月、2019年度など)
・1〜12月(2017、2018、2019年など)
・誕生日からの1年(0歳、1歳、2歳など)

サブテーマはちょっとしたこだわりを軸に。「スマホで撮った写真だけにする」などの条件や、「家族の誕生日の日は入れる」「旅行や帰省なども入れる」などイベントを軸に考える。または「笑顔の写真を中心に」「忘れたくないこと」など気分で決めても良いと思います。

2:写真の選定方法とポイントは?

家族アルバムのポイントは、家族全員がなるべくバランスよく登場すること。思い出の共有が目的なら、皆で見た景色や食べ物、家の中の様子など、人以外の要素も写っている写真が何枚かあると良いですよ。

選べないときは「10、20年後にまた見たい写真」「成長した子どもに思い出して欲しい出来事」など見せたい相手や将来をイメージすると良いと思います。

撮りためた写真からベストなものを選んで、1年間の全てを詰め込もう意気込みすぎると、いつまでも手がつけられません

何十万円もかかるわけでもなく、大勢に見られ、売るための本を作るわけでもないのですから、気負いすぎないこと家族の毎日の暮らしは、どこをどう切り取っても全ての瞬間に価値があるのです。

3:どんな手段で作る?

大きく分けると「プリントしてアルバムを作る」「フォトブックサービスを利用する」という2つの方法があります。それぞれの良さがあり、予算やイメージ、好みによってさまざまな選択肢が。

今回は、スマホやパソコンから簡単に作れ、プリントの手間がいらないサービスを利用する方法をご紹介します。

オーダー・ブック・サービス BON(ボン)

オーダー・ブック・サービス BON (ボン) (144113)

オーダー・ブック・サービス BON (ボン) トップ画面
2019年春にサービスをスタートしたばかりの「BON(ボン)」。MUJIBOOKSが推奨するオーダー・ブック・サービスです。

「くらしから生まれて、くらしに帰る本」「くらしているだけで、本になる。忘れたくない一日、何気ない瞬間、創造的な日々から、本が『ボンッ』と誕生します」がBONのメッセージです。

長く触れていたくなるしっかりした紙質、心地よい程よい重さ。ページをめくる感覚や手に取りたくなる感触も追求されたつくり。フォントやレイアウト、印刷もとてもきれいです。

本のサイズはS・M・XLから、ページ数は24・48ページから選べます。Sサイズはクラフト紙、M・XLは麻布の表紙です。

スマホで撮った写真でも、一眼レフで撮った写真でもOK。シンプルで洗練された上製本が作れることが大きな魅力です。

無印良品 銀座4階 MUJIBOOKSでは、実際につくられたサンプルを手に取って見ることができます。

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BONを作ってみました!

スマホからでもパソコンからでもアプリいらずで、操作は簡単。

まず、本の大きさ、ページ数を選び、好きな写真をアップして編集。最後に本のタイトルを付け、名前や住所、支払い方法を入力したら、注文完了です。

作例1:「夏休みの思い出」Sサイズ

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SサイズはA6(109 × 151mm)ですが、文庫本とほぼ同じサイズ。同じサイズのスケジュール帳やメモ帳、文庫本と一緒に収納もできます。思い出の本をつくりためてゆく愉しみも。
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1年間の膨大な写真から1冊作るのがちょっと大変!という方は、まず夏休みの思い出や旅行なら1冊にまとめやすいのではないでしょうか。24ページなら、20枚程度から88枚までの写真がおさめられますが、ざっくり選んで自動配置することも可能。後で足したり引いたりも簡単です。

Sサイズの魅力は、収納しやすく、そして気軽に持ち運べること。例えば、わが家では、夏は海の近くに2泊ほどする小旅行が恒例ですが、同じ場所を訪れる時に、フォトブックを鞄に入れていきます。

「この場所覚えてるよ!」「これ、美味しかったね」「この時は泣いちゃったね」「このお洋服まだ着られるかな?」「この公園また行きたい!」など、移動中の会話もはずみます。

また、毎年夏に帰省する際も作ります。同じものを2、3冊作って、1冊をじいじばあばに、1冊を自宅用にもできて、贈り物にもぴったり。とても喜んでもらえます。

作例2:「家族の1年間」Mサイズ

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見開き最大8枚分のレイアウトが可能です。48ページなら、表紙も含めて最大185枚の写真がおさめられます。
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1年間に1冊作り続けていくアルバム作り。オススメの作り方の流れをご提案します。

【1】毎月8枚まで×12か月分の写真を選ぶ
1か月分最大8枚までを12か月分を選んでいきます。ちょっと多めに選んで後で削っても良いでしょう。

スマホやパソコンにフォルダを作り、順番に数字を振っておくて整理するとわかりやすいです。

【2】イベントの写真を選ぶ
たくさん写真を撮っているイベントごとの項目(11まで)を書き出して、それぞれ最大8枚選びます。

・クリスマス・正月・節分などの行事
・入園式や遠足など園行事
・長期休み(春休み・夏休み・冬休み)
・家族旅行
・発表会など習い事
・誕生日のお祝い
・1年間の思い出まとめ(絵やお手紙、よく読んだ絵本、食べ物など)

こちらも、時系列ごとに01正月、02節分などと名前をつけたフォルダに入れていくと良いでしょう。

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シンプルで美しく、日々のくらしにそっと寄り添ってくれる、主張しすぎない装丁。インテリアにも馴染みます。
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家族の物語を「本」にすることは知育にもつながる

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昨年の夏休みのきらめきをぎゅっと1冊に詰めこんだBONを手に取った娘は「じーじとばーばとわたしが登場する思い出の絵本ができて嬉しい!」と喜びました。

自分の好きな時に好きな場所でながめて、パパママと一緒に会話しながら楽しむ絵本。子どもにとってはBONも絵本のようです。

実家が遠く、なかなかしょっちゅう行けません。ですが、娘の日常に、いつでも会えるおじいちゃんやおばあちゃん達が本の中に登場したのです。このBONをよく手に取っては、「また会いたいなあ。次はいつ行くの?」と声を弾ませながら、記憶の世界をより広げるようになりました。本で遠く離れた家族と繋がれること、いつも近くに感じられることで、とても心強い気持ちにもなれています。

余白に絵やメッセージを手描きで載せたり、同じサイズで絵日記をつくりためていくのもいいなあと思いました。大事に扱うことを伝えつつ、少しずつ使い込まれた感じになっていくのもまたいい味と記録です。

本にすると毎日の暮らしも特別な物語になる

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毎日、子育てに追われていると、美しい瞬間ばかりではありません。誕生日やクリスマス、旅行は楽しいし、準備にも力を入れるので記録にも残しておきたいのですが、実は「特別な日」に埋もれる日常をもっと慈しみたいという欲がありました。

毎日のように通る道や、いつもの公園、雑然としたおうちの中、喜怒哀楽にあふれた日々。そんな写真も本にすると、何だか愛おしさが増して「○○さんのまいにちのくらし」とか「大切ないつものくらし」みたいなタイトルをつけたくなるから不思議です。

また、祖父母の誕生日、母の日、父の日、敬老の日、帰省のお礼や手土産など、実家の両親や義両親に贈るプレゼントに「今年はどうしよう……」と考えるなら、ちょっと上質な子どものフォトブックは最適です。喜んでもらえたら、「毎年BONで」と決めてしまうのも良いと思います。

作りたい!作らなくちゃ!と思っているなら、はじめてみませんか。少しずつ、じっくり納得のいくものをつくりあげるのでも、まずは1冊手にしてみるのも、どちらも絶対「やってよかった!」と思えるはずですよ。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

志田実恵
志田実恵

エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。