2019年01月13日 公開
端午の節句とは?由来・お祝いの仕方・飾りや食べ物の意味
5月5日の端午(たんご)の日は、日本に伝わる5節句のうちのひとつ。端午の節句には飾り付けや縁起ものを食べるなど、さまざまな決まりごとが行われます。それぞれどのような由来があり、なにを祝っているのでしょうか?端午の節句の過ごし方についてご紹介します。
5月5日の端午(たんご)の日は、日本に伝わる5節句のうちのひとつ。端午の節句には飾り付けや縁起ものを食べるなど、さまざまな決まりごとが行われます。それぞれどのような由来があり、なにを祝っているのでしょうか?端午の節句の過ごし方についてご紹介します。
端午の節句とは
5月5日は男の子の成長を祈願する端午の節句です。その由来はご存じでしょうか?端午の節句は「菖蒲の節句」とも言われ、奈良時代から長く続く風習のひとつです。
古来、日本では宮廷で端午の日に、無病息災を祈願するさまざまな厄払い行事が行われていました。鎌倉時代に世の中が武家社会へ傾き始めたころ、旧来行われていた菖蒲湯などの「菖蒲(しょうぶ)」に、「尚武(勝負)」をかけて、端午の節句を尚武の日として盛んに祝うようになります。
江戸時代になったころ、将軍家に男児が誕生すると、馬印(うまじるし)やのぼり旗を立てて祝うことが多くありました。端午の節句は、さまざまな風習や世の中の動きが合わさりながら庶民の間にも広がることに。現在のような男の子の誕生を祝い、成長を祈願するお祝いの日となっていったのです。
こどもの日との違いは?
節句とは中国の陰陽五行説に由来するもの。日本の旧暦の中で季節の節目に、伝統行事を行う日として定着しました。日本では五節句として1年で節句が5回あり、子孫繁栄や厄除け、無病息災、病気平癒などを願い、お供え物をして縁起物で邪気を払います。端午の節句は、この5節句のうちの一つです。
一方で「こどもの日」は、終戦後に制定された国民の祝日です。男女の区別をすることなく、子どもの誕生を祝い健やかな成長を願うと同時に、両親へ感謝する日という意味合いで作られました。
端午の節句の祝い方
地域によって違いはありますが、端午の節句の祝い方はある程度決まっています。一般的なものとしては、屋内外に端午の節句の特別な飾りつけをして、縁起物と呼ばれる特別な食べ物をふるまい、子どもの成長を喜び今後の健やかな成長を願います。
邪気払いに効果があるとして、菖蒲湯を沸かして浸かるのも特徴です。それぞれの内容を、以下で詳しくご紹介します。
端午の節句に飾るものと飾る理由
端午の節句の際には、屋内外に特別な飾りつけをします。それぞれどのような理由で飾られているのでしょうか?
鯉のぼり
庭に鯉のぼりを飾ります。鯉は「勢いよく滝を上る魚」として知られています。その勇ましく登って行く姿や、中国の「龍門を登り切った鯉が龍になった」という伝説から、立身出世に繋がると考えられるようになりました。
また、過酷な環境でも生きて行ける生命力を男児に願う意味も込め、端午の節句には鯉のぼりを掲げるようになったとも言われます。鯉のぼりは、上から黒・赤・青・吹き流しと順が決まっているもの。最近では、マンション用のコンパクトなタイプも販売されています。
五月人形
五月人形には武者人形、兜飾り、鎧兜などいくつかの種類があります。昔は、五月人形は初節句のときに、母方の実家から贈るのが一般的とされていました。しかし高額な負担になるため、最近では両家で折半する家庭も増えています。
五月人形は男児が強くたくましく成長することを願って、内飾りとして室内に飾るものです。
端午の節句の食べ物
縁起物は地域によってさまざまに異なることが多いのですが、一般的に端午の節句では、縁起物として粽(ちまき)や柏餅を食べます。
ちまきは中国の屈原(くつげん)という詩人の供養にまつわる故事に由来した食べ物。詩人の命日である5月5日、竹筒に米を入れて川に投げ入れたのだとか。特に関西地方では、ちまきを食べる風習のある地域が多いようです。
一方の柏餅ですが、柏の木は新芽が出るまで古い葉が落ちません。「子どもが大きくなるまで親が元気に生きている」というイメージにつながるということから、子孫繁栄の縁起を担いで食べられます。柏餅を食べるのは日本独自の習慣です。
菖蒲湯とは?
端午の節句には「菖蒲湯」に浸かると良いとされています。由来や作り方をご紹介します。
菖蒲湯の由来
古代中国では、季節の変わり目である5月の時期に体調を崩す人も多く、菖蒲の強い香りが邪気を払い、疫病から体を守るとされていたという説があります。日本でも昔から、菖蒲やよもぎには災厄から家を守る力があるとして、軒先に挿して飾ることがありました。
菖蒲の葉は薬草として使われることでも知られる植物。端午の節句に菖蒲湯に浸かり、厄払いをして健康を願うという風習が残っています。
菖蒲湯の作り方
端午の節句の時期は、スーパーやお花屋さんで菖蒲を見かけるようになるでしょう。菖蒲湯に入れる前の日に、購入した菖蒲を束にして枕の下に敷いて寝ます。五月五日に枕の下から菖蒲の束を取り出し、湯船に浮かべれば、菖蒲湯の出来上がりです。
菖蒲の香りをもっと強く感じたいという場合、水のうちから菖蒲を入れて沸かし湯にすると香りがアップします。給湯する場合には、湯船に菖蒲を入れてから給湯するほうがおすすめ。少し高めの温度で給湯し、冷ましてから入ると香りが高まった状態で入浴できます。
風習を取り入れて端午の節句をお祝いしよう
日本の節句にはさまざまな風習があります。端午の節句は、基本的には男の子の成長を祝う節句。しかし子どもの日と捉えて、男女問わず子どもの健やかな健康を願ってお祝いする家庭も増えてきました。行事を上手に取り入れて、季節の行事を子どもと一緒に楽しみましょう。