2017年7月2日 公開

子連れでインドに海外赴任!こんな生活が待っています

筆者は2013年の夏から約3年間、夫の海外赴任に伴い、インドの首都デリーで暮らしました。当時3歳だった長女に加え、赴任期間中に次女を出産しています。インドで子連れで暮らすとどうなるのか?気になる「衛生」「食事」「教育」について、実体験をもとにご紹介します!

水も空気も汚れている!インドの衛生事情

インドの大気汚染は世界最悪レベル

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「インドの大気汚染がひどい」というニュースを、皆さんも目にしたことがあるかもしれません。特にPM2.5の大気汚染は非常に深刻で、一説には「デリーに1日滞在するだけでタバコを10本吸っているのと同じ」ともいわれています。

筆者の自宅では、日本から持ち込んだ空気清浄機を含め、毎日4台をフル稼働させていましたが、紙のフィルターは3日でうっすら黒くなり、10年もつはずのフィルターは1年で真っ黒になって取り替えになるほどでした。

年に何回かは、砂塵とPM2.5で一寸先も見えず外出が困難になり、あまりの空気の悪さに具合が悪くなったことも数回ではありません。ちなみに、筆者が使っていた天気予報のアプリでは、よく「デリー:ほこり」という表示が出ていました......。

こればかりはどうしようもなく、子どもに喘息のような症状が出始めたので帰国を早めた、という駐在員の話も何度か耳にしました。PM2.5の量を毎日確認して、汚染がひどい場合は外出を控える、外出時にはPM2.5対応のマスクをするなど、可能な限りの防衛策をとるのが精いっぱいでした。

生水は飲めません

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インドではもちろん 、水道から直接水を飲むことはできません。飲料用としてミネラルウォーターも売られていますが、調理などその他の用途にも使うためには「フィルターウォーター」という工場で浄化した浄水が流通しています。

20Lの大きなボトルに入ったものが150円ほどで買えるのですが、こちらは中身がなくなるとその入れ物をお店へ持っていって、水が入ったものと交換してもらうシステムになっています。

コカ・コーラ社からも販売されていたフィルターウォーターですが、「交換したボトルを衛生的に管理していると思えない」などの理由で、こちらの大型ボトルの水も煮沸しなければ飲まないという日本人の方もいました。また、赤ちゃん用の水は特に心配だからと、日本から水を持ってきたり送ってもらったりしている方も多かったです。

食器を水道水で洗ったあと、小型ボトルの水で必ずすすいでいるという方もいるなど、水への不信感は根強く、また確かに水にあたったという話もよく聞きました。

空気同様、水もまたどうしようもない部分も多く、ある程度の対策を講じたあとは「これ以上はしかたない」とあきらめる潔さが必要でした。

一体何を食べてるの?インドの食事事情

インドでは毎日カレー?

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「インドに行っていた」という話をすると、まず間違いなく聞かれるのが「じゃあ毎日カレーを食べてたの?」という質問です。

日本において「カレー」は「カレーライス」を指すのが一般的ですが、インドで「カレー」というと、スパイスを用いた煮込み料理全般を指すことが多かったです。日本人が一括りに「カレー」と呼ぶものも、インドではそれぞれに名前がついています。

「スパイスを用いた煮込み料理全般」という意味では、確かに現地のインド人は毎日カレーを食べていました。でも、地域によってカレーの味も異なり、種類も豊富です。いくつかのカレーを一度に食べられる定食(ターリー、またはミールス)も人気でした。

とはいえ、首都デリーでは国際化が進み、若いインド人たちはマクドナルドやケンタッキー、ピザや中華料理など、インド料理ではないものを食べる機会も増えていたようです。

食べ物が何でもスパイシー!子連れの外食は大変

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上述の通り、デリーではメジャーなファストフード店も進出していますし、屋台もたくさんあるため、外食できる場所はたくさんありました。

ただ、「なんでもかんでもスパイシーにされてしまう」ことが多く、外出先で、当時3歳だった長女が食べられるものが見つからない、ということもたびたびありました。「スパイス無しで」と注文してもスパイシーな味付けで出てきてしまうことも多く、行けるレストランが限られてしまうのが悩みの種でした。

ただインドは、柔軟性があり、子どもに優しいレストランが多く、メニューになくても「フライドポテト作れる?」と聞くと、ほとんどのところで快く作って出してくれました。おかげで今も、長女が一番好きな食べ物は「フライドポテト」です。

日本人はインドで普段何を食べている?

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筆者が駐在していた当時も、デリーには日本の調味料が買える店がありましたし、肉や野菜を売っているところもありました。

ただ、輸入されている調味料は非常に高額な上(日本価格の2~3倍)、お店の在庫も常にあるとは限りません。肉も日本のスーパーのようなパックづめのものはほとんどなく、衛生状態が心配になるような小売店で買うか、市場で活きの良い鶏をその場で絞めてもらうか(!)といった感じで、「安心して食べられる」とはいい難い状況でした。

野菜も「2週間冷蔵庫の奥にしまっていたのに、青々としたままのベビーリーフ」が売られていたり、逆に、夏になるとすでにぐったりとした状態の青菜類しか手に入らなかったりと、こちらも「おいしくて安全」なものを手に入れるのが難しい場合が多々ありました。

そのため、駐在生活を送っている日本人の多くは、日本から多くの調味料や食材を運んで、インドで和食を自炊している方が多かったです。

筆者も帰国のたびに、LLサイズのスーツケースに許容量一杯の日本食材を詰めて、インドへ戻っていました。出汁、味噌、マヨネーズ、しょうゆ、冷凍して小分けにした牛肉、豚肉、サーモン、うどん、パン、納豆、お菓子......。

「ナマのまま安心して食べられるもの」に常時飢えていたからか、友人が一時帰国のときに日本で買ってきてくれたミョウガを刻んで、持参していたそうめんと一緒に食べたとき、「あぁ、なんておいしいんだろう」と猛烈に感動したことを覚えています。

インドに赴任している間にだんだんと食料調達も便利になり、有機野菜を取り扱っているスーパーや業者も増えました。まだまだ不便なことは多いですが、インドでビジネスをはじめる日本人の方も増えたため、お寿司など、少し前までは食べるのが難しかった日本食も口にできる機会が増えています。

実は充実している!インドの教育事情

プレスクールが豊富

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首都デリーには、幼稚園に入る前に通うことのできるプレスクールがたくさんあります。3時間程度の英語の授業や外遊びなどのあと、デイケアという保育時間を設けている施設もありました。日本よりもはるかに安い金額で子どもを預かってもらうことができたので、とても重宝していました。

長女も現地のプレスクールに通いましたが、お友だちと一緒に手で給食のカレーを食べ、英語やヨガを学び、ホーリーやディワリといったインドならではのお祭りを楽しんでいましたよ。

ハイレベルな学校も多い

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デリーには日本人学校があるため、幼稚園児や小学生の多くの子どもはそちらへ通っていました。一方で、インターナショナルスクール(アメリカンスクール、ブリティッシュスクールなど)や、現地のハイレベルなプライベートスクールへ通わせている家庭もありました。

学校によっては、早くから第二外国語のカリキュラムが組まれていたり、プログラミングの授業があったりと、「英才教育」ができる環境が整っていました。また、そういった学校に子どもを通わせているインドの家庭は総じて教育熱心で、長女のお友だち(5歳)の中には、中国語とフランス語の家庭教師がついている子どももいたほどです。

インターナショナルスクールやプライベートスクールは高額ではありましたが、日本で通わせることに比べれば割安で、高価な知育玩具が豊富にそろえられていたり、プレゼンテーションやディベートの能力を早くから鍛えることができたりと、メリットもたくさんありました。

習い事もできる

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子ども向けの習い事も充実していました。人気なのはピアノやバレエでしたが、ダンスやプログラミングの教室もあります。長女が通ったプレスクールや幼稚園では、放課後のアクティビティとして、空手やヨガ、レゴなどを教えてくれていました。

ただ、講師のレベルにはバラつきがあり、良い教室や先生を見つけるためには同じ駐在家族や学校のママ友の口コミが何より大切でした。日本のように、インターネットで教室の口コミ検索ができれば楽なのにと何度思ったか分かりません。

また、日本式の進学塾や長期休暇の時だけ、インターナショナルスクールの「サマースクール」などに通い、勉強に励む子どももたくさんいました。

生活は大変!でも子どもには寛容で過ごしやすい国

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空気や水など、衛生面での心配はありましたが、それを除けばインドは子育てにはもってこいの「ベビー&キッズフレンドリー」な国でした。

レストランで食事をしていれば、店員さんが子どもに笑顔で話しかけてくれますし、お店で買い物をしていれば、「マダム(奥様)、私がこの子と遊んでいるからゆっくり見ていってね!」と子どもの面倒をみてくれることもありました。

行きつけのレストランでは、行くたびに店員さんが売り物のクッキーやマシュマロを取り出して、長女に「プレゼントだよ!」と言って渡してくれるので、夫と「売上とか在庫管理とか、ものすごくざっくりなんだろうね」と笑い合ったこともあります。

「細かいことを気にしない」インド人に困惑させられることも多々ありましたが、日本のように「静かにしなさい、おとなしくしなさい!」と子どもに言う必要がなかったことは、本当にありがたかったです。

日本とは全く異なる環境で、親子ともに学び、感じることの多かったインド赴任生活でした。いわゆる先進国ではない国へ渡航される場合は、不安も多いかと思いますが、その国でしか体感できない経験がたくさんあります。もし機会があれば、ぜひ思い切って子連れで海外へ飛び出してみてくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

青海 光 青海 光  都内在住、二児の母。大学卒業後、子育てをしながらIT企業でフ ルタイム勤務をしていましたが、夫の海外赴任に伴い退職。カオスなインドで3年ほど暮らしました。帰国後はライターとして 、育児やライフスタイルに関する記事を中心に執筆しています。楽しく・読みやすく・有益な情報をお届けします!