2019年4月26日 公開

年収1,000万円でも子どもを私立小学校に入学させるのは難しい?【今すぐできる家計管理術】第15回

世帯年収が1,000万円でも私立は厳しい!? 一体どのような理由なのでしょうか?子どもが私立小学校に通った場合と公立小学校の場合の教育費の目安と、家計設計のヒントを実例と共に紹介します。「2年で350万貯めた あきのズボラ家計管理」著者による連載第15回です。

私立小学校と公立小学校どちらを選ぶ?

Illustration by いしこがわ理恵

お子さまが成長したら私立の小学校にしようか、公立の小学校にしようかと迷うパパママも多いのではないでしょうか。

もちろん、教育内容の違いだけでなく、学費の違いも考える上で大きなポイントになりますよね。

まずは公立と私立の小学校、どちらを選ぶとどれくらいの違いがあるのかをおさらいしてみましょう。

私立小学校の学費はいくらかかる?

Tatsanawadee / Shutterstock.com

私立小学校に進学した場合にかかる学費の平均から紹介します。

文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査(※1)」によると私立小学校に進学した場合にかかる学習費総額は152万8,000円(月額127,333円)です。学習費総額の内訳は以下のようになっています。

【私立小学校の学習費総額の内訳】

・学校教育費 870,408円
・学校給食費 44,807円
・学校外活動費 613,022円

教育費と給食費を合わせた金額は915,215円(月額76,267円)、習い事などの学校外活動費613,022円(月額51,085円)。つまり私立小学校の場合は、学校から請求のある教育費や給食費だけでなく、学校外での習い事などの教育にも力をいれているご家庭が多いことがわかります。

※1 参考:文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の結果について」(http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/1399308.htm

公立小学校の学費はいくらかかる?

KPG_Payless / Shutterstock.com

次に公立小学校に進学した場合にかかる学費の平均を紹介します。

上記と同様の文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査(※1)」によると、公立小学校に進学した場合にかかる学習費総額は約32万2,000円(月額26,833円)です。学習費総額の内訳は以下のようになっています。

【公立小学校の学習費総額の内訳】

・学校教育費 60,043円
・学校給食費 44,441円
・学校外活動費 217,826円

教育費と給食費を合わせた金額は104,484円(月額8,707円)、習い事などの学校外活動費217,826円(月額18,152円)。

つまり公立小学校の場合は、学校から請求のある教育費や給食費以上に、学校外での習い事にお金をかけていることが分かります。とはいえ、私立小学校と比べると学校外活動費も3分の1程度に収まっています。

私立小学校を選択する場合に検討したいこと

oneinchpunch / Shutterstock.com

私立小学校を選択した場合と、公立小学校を選択した場合では、学習費総額に年間約120万円(月額10万円)もの差が出ます。

私立小学校を選択する場合には、月額約10~15万円ほどの教育費を負担できる家計であることが前提条件となります。上記の平均値から検討して多少習い事にかかる費用を節約したとしても、やはり月額約10万円程度の負担があると考えておいたほうがいいでしょう。

習い事もママ友とのおつきあいも、周りがそれだけお金をかけていると、つられて出費がかさんでしまうもの。私立だから塾は無しで良いのかと思うとそうではないことも多いですし、無理をして私立小学校を選択しても、月額約10~15万円ほどの教育費を負担できなければ生活が回らなくなってしまい、その後の進学に影響が出ます。ご家庭の収入と合わせて私立小学校が現実的な選択なのかを検討しましょう。

年収1,000万円でも私立小学校は難しい?

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では、年収1,000万円あっても私立小学校を選択するのは難しい方が多いのはなぜでしょうか?

これまで家計相談をお引き受けした方の中にも、私立小学校を希望されていて、ご家庭の年収で大丈夫なのか心配されている方がたくさんいらっしゃいました。しかし、実はポイントは、世帯年収だけではないのです。

世帯年収が高い方は教育費だけでなく、住宅ローンや娯楽にかける費用も高くなる傾向があります。年収が1,000万円を超えていても、年間貯蓄額は多くても50万円前後と、年収500万円の方と変わりない貯蓄額にとどまっている方も多く見受けられました。年収1,000万円を超えるお父さんでも小遣いは月2万円など、アンバランスな家計のやりくりに陥る方も多いのです。

年間貯蓄額が少ない状態では、大学までかかる教育費を考えると年収1,000万円でもお子さまの私立小学校への進学は厳しいというケースが多いです。お子さまがひとりのご家庭ならギリギリなんとかなっても、お子さま2人を同時に私立へ、となるとさらに条件は厳しくなります。

年収1,000万円以下でも私立小学校を目指すなら

Frannyanne / Shutterstock.com

このように、過去のご相談実績からお話しすると、年収1,000万円前後でも私立小学校の学費を支払っていくのは厳しいという家計の方が多いというのが現実です。

しかし、中にはご相談の結果、年収1,000万円以下でも私立小学校を選択される方もいらっしゃいます。 そのような方には以下の点についてアドバイスをさせていただいております。

1)私立の中学校や高校へ入学する場合の資金準備をする

私立小学校を選択する方は、私立中学校、私立高校へと進学される方が多いものです。

収入の範囲で私立の中学、高校へと進学できるように、私立小学校を検討する段階から希望する私立の中学校、高校でかかる入学金や学費を調べてみましょう。

目の前の支払いを何とかするだけでなく、あらかじめ長期的な計画を立てることが大切です。

2)大きな支出を確認する

学費以外にかかる大きな支出についても事前に確認しておくことが大切です。

例えば車の買い替えやマイホームの購入。このような大きな支出と私立学校への入学金の支払いが重なってしまうと、途端に家計は火の車になる可能性があります。

将来の大きな支出を把握できていれば、時期をずらすなどして、全体的な支出を調整することができます。

また、ふたり目以降のお子さまを希望されるのか、希望される場合、同じく私立学校を検討するのかどうかについても、この機会にご夫婦でしっかりと話し合いができると安心です。

3)教育費の支払いが終わった後の家計についても確認する

教育費がかかる大学卒業まではそれほど貯金ができない家計になる場合もありますが、お子さまが卒業した後に「貯め期」があるかどうかも確認します。「貯め期」とは一般的に、結婚してからお子さまが生まれるまで、次にお子さまが小さい間(小学校に入学するまで、あるいは小学校時代も含む)、最後にお子さまの大学卒業後と、各ご家庭に大きく3度あるといわれる、お金が貯められる時期のことです。

一時厳しい時期が続いても、その後「貯め期」が来るとわかっていれば老後の資金まで心配いらない家計が作れます。 お子さまが私立小学校に入学すると、小学校時代も「貯め期」とはいえなくなります。そしてお子さまんが卒業時にご両親の年齢が高齢であったりすると、最後の「貯め期」もないまま老後に突入することになり、厳しい老後を迎えることになりかねません。

4)抑えられる支出は抑える

例えば旅行などのお楽しみにかける費用、夫の小遣いなど、できれば抑えたくない支出であっても、教育費を優先させると心を決められたのならやむをえません。 ケチケチしすぎない程度に、浪費となる部分だけを削るように計画しましょう。

年収1,000万円前後あるいは以下でお子さまを私立小学校に行かせるのであれば、「いちかばちか」の家計にするのではなく、より「具体的」に「長い目で見た家計設計」が家計管理を破綻させないために重要です。

私立小学校を希望するなら家計を見直そう

Daisuke Morita / Shutterstock.com

年収1,000万円、あるいはそれ以下では私立小学校への進学が無理なのかというと、必ずしもそうとは限りません。

上記のように、私立を選択されるご家庭の方の生活は、すべての支出が多くなりがちという特徴があります。学費以外の支出を抑えることができれば十分に可能な場合もありますので、私立小学校を希望される場合は、ぜひ早期から学費以外の支出を抑える工夫を取り入れましょう。

お子さまの小学校入学と同時にママも正社員に復帰するなど、世帯年収を上げることで教育費の増加分をカバーするという方法もあります。

今回は年収1,000万円を基準にしましたが、もちろんそれ以上の年収があったとしても、絶対に安心というわけではないでしょう。

もし、お子さまの私立小学校入学を希望するなら、お子さまが小さいうちからしっかりとした家計設計を考えるクセをつけておくことをオススメします。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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あき あき  都内在住3女の母。「あきのズボラ家計簿」「あきのズボラ家計管理」の著者。ブログも更新中です!https://kakeibo.kosodate-info.com/