アメリカのマサチューセッツ工科大学のメディアラボが無償で公開しているビジュアルプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」。世界中で愛される「Scratch(スクラッチ)」の魅力をまとめました。連載【文系の親でもわかるプログラミング教育】8回目です。
プログラミング教育での採用実績多数「Scratch(スクラッチ)」
みなさんは「Scratch(スクラッチ)」を知っていますか?
Scratchは、アメリカのマサチューセッツ工科大学のメディアラボが無償で公開しているビジュアルプログラミング言語のことです。
ビジュアルプログラミング言語は、テキストで記述するのではなく、視覚的なオブジェクトでプログラミングをします。そのため、キーボード操作ができない、アルファベットが読めない小さな子どもも扱いやすいのが魅力です。
実際Scratchでは、画面上のブロックをつなぎ合わせてプログラムを作っていきます。
文部科学省のWEBサイトでもScratchを使った指導例などが掲載されています。NHKEテレの番組「Why⁉プログラミング」でも取り上げられています。そのほか、プログラミングスクールでの採用実績も多いScratch。この先、子どもたちが学校や課外授業でプログラミングを学ぶ際、きっとScratchにも触れることになると思います。
文部科学省:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416408.htm
NHKEテレ「Why⁉プログラミング」:
https://www.nhk.or.jp/sougou/programming/origin/scratch/playworld.html
世界で「Scratch(スクラッチ)」が受けている理由
子ども向けビジュアルプログラミング言語として定着しつつあるScratch。その理由には以下の点が挙げられるのではないかと考えます。
<Scratchが受け入れられている理由>
・無料で利用できる
・複雑なテキストの記述が必要ないため、おもにマウスを使うだけで利用できる
・文字が多いプログラミングと違い、視覚的なオブジェクトでプログラミングができるため子どもでも理解しやすい
・日本語を含む40以上の言語に翻訳されており世界的にも利用者数が多い
・PCがあればできる(2019年1月にリリースされた「Scratch3.0」はスマートフォンやタブレットでも利用可能)など、専用の機器を新たに購入する必要がない
・自分で作った作品を世界に発信できる
子どもたちが馴染みやすいアニメーションやゲームの感覚でプログラミングを学ぶことができるため、専門的なプログラミングの勉強というより、遊びの延長のような感覚で取り組めることも魅力のひとつです。
「Scratch(スクラッチ)」を試してみた
筆者も実際にScratchに挑戦してみました。
Scratchは、メールアドレスやニックネームやパスワードなど簡単な会員登録を済ませるとすぐに利用することができます。
日本語を選択して始めると、日本語で説明書きがされたプログラミング画面が表示されます。
初期設定の日本語では漢字が含まれていますので、漢字が難しいと感じる場合は「ひらがな」の「にほんご」を選ぶとひらがなとカタカナだけになります。
これなら小学生低学年の子どもでも読みやすいですね。
画面の左側にあるブロック群をドラッグ&ドロップして、中央にあるコーディングエリアにもっていき、ブロック同士をくっつけていくとプログラミングをすることができます。
一度作成したブロックを削除したい場合はマウスなら右クリックをすると削除できます。
順番を入れ替えたり、削除したりといった作り直しも簡単にできます。
パズルのように組み合わせて自由にプログラミングできる気軽さ、失敗してもすぐにやり直せるハードルの低さは、初めてプログラミングをする子どもにはとても魅力だと感じました。
「Scratch(スクラッチ)」が難しいと感じたら
Scratchスクラッチでは基本の表記をひらがなにすることもできますが、どうしてもカタカナの表記もありますし、「Xざひょう」「Yざひょう」「マウスのポインター」「へんすう」「えんざん」など、幼児には説明しないと少し難しい言葉も出てきます。
はじめのうちは子ども一人でやらせるよりも、大人と一緒に操作を覚えてから、子ども一人でチャレンジしてみるとスムーズかもしれません。
カタカナが理解できるようになる小学生以降なら、少し操作を教えればいろいろと工夫してプログラミングすることができそうです。
ブロックの順番を変えるとどのように結果が変わるのかを発見したり、自分がイメージしていたアニメーションとどこがどう違うのかに気づけるようになると、作れるプログラミングの幅がどんどん広がるはず。
Scratchスクラッチが難しいと感じたら、「ScratchJr(スクラッチジュニア)」から始めてみてはいかがでしょうか。Scratchの対象年齢は8歳からとされていますが、ScratchJrの対象年齢は5歳からです。
ScratchJrならパソコンがなくても、iPadにアプリをダウンロードして利用することができます。
5歳からできる!【スクラッチJr】でプログラミングを学ぼう
本格的なプログラミング教育の前にやってみよう
実際のプログラミング教育の現場でも利用されrる機会が多いScratch。
専用の機械を購入しなくても、パソコンやiPadなどで体験できるので、気軽に始められるのが大きなポイントです。
まずはパパママが試してみても勉強になりますし、子どもが本格的なプログラミング教育に入る前に自宅で遊びながらプログラミングに親しむ良い機会にもなります。
無料で試せるScratch、ぜひ親子で取り組んでみてはいかがでしょうか。
元システムエンジニアの家計簿&家計管理アドバイザー。「あきのズボラ家計簿」「あきのズボラ家計管理」の著者。ヒルナンデス、バイキング、NHKEテレ人生レシピ、NHKあさイチ、名古屋テレビ他多数のメディアにも登場。プライベートでは3姉妹を育てるママ。https://kakeibo.kosodate-info.com/