ひな祭りが近づくと気になるのが、ひな人形をいつ出すかということではないでしょうか。初節句のご家庭や、久しぶりに飾るという方へ、基本的なひな人形の飾り方をご紹介します。ポイントさえ押さえれば怖いものなしですよ。
いつ、どこに?飾るための準備をしましょう
まず、ひな人形一式を取り出す前に、きれいに箱に収納された状態を写真に撮ります。この状態を記録しておけば、片づけるときに写真を参考にして正しく収納することができますよね。
つぎに、ひな人形に同梱の飾り方説明書を手元に用意して、飾りつけスタートです。飾りつけには白い布製の手袋を着用することをおすすめします。繊細なつくりのお人形や道具類に、素手で触って汚したりひっかき傷をつけたりするのを防ぎます。
ひな人形の飾り方は、大きく分けて「親王飾り」、「七段飾り」、「五人飾り」の3種類ですが、今回は「七段飾り」について説明します。
最上段には、お内裏さまの男雛と女雛
最上段には後ろに金屏風を立て、お内裏様といって男雛、女雛を飾ります。向かって左に男雛、右に女雛ですが、京都など一部の地域では、男雛と女雛の位置が逆になっていることがあります。かつては京都のように向かって左に女雛、右に男雛というのが一般的でした。現在のように変化したきっかけとしては、昭和天皇の即位の礼において、向かって左に天皇、右に皇后がお座りになられたことから、これに倣ったのではないかという説があります。
このように、時代背景や地域の特色などによって飾り方は変化するので、必ず左に男雛、右に女雛を飾らなければならないわけではありません。
そして両脇にぼんぼり、男雛、女雛の間に桃の花を飾ります。
2段目、3段目は、三人官女と五人囃子で賑やかに
3段目は能楽を奏でる五人囃子です。向かって左から、太鼓、大皮鼓(おおかわつづみ)、小鼓、笛、謡い手の順に並べます。3段目は雅楽を奏でる五楽人の場合もあり、その場合は向かって左から、横笛、縦笛、火焔太鼓(かえんだいこ)、笙(しょう)、羯鼓(かっこ)の順に並べましょう。
4段目、5段目は、随身、仕丁などおつきの者を
5段目は従者である仕丁(じちょう、またはしちょう)です。向かって左から台笠(だいがさ)・沓台(くつだい)・立傘(たてがさ)の順に並べ、それぞれ怒り、泣き、笑いの表情をしています。持ち物が熊手・ちりとり・箒(ほうき)の場合もあります。
6段目、7段目は、嫁入り道具を並べて
7段目には御駕籠(おかご)、重箱、御所車などを並べるとバランスがよくなります。
ここまでそろうと、豪華なひな飾りの完成ですね。