2019年09月30日 公開

小学生の留学が増えているって本当?メリットや成功の秘訣とは?

英語教育の早期化が進む中、感性が柔軟なうちに国際社会を経験させたいと、小学生で留学を選択するご家庭が増えています。小学生の留学は夏休みを活用した短期留学から本格的な海外留学、滞在スタイルによってもさまざま。お子様の意欲やご家庭の状況に応じて選びやすくなっています。人気の留学先や国による受け入れ年齢の違い、費用や成功させるためのポイントなどをご紹介します。

英語教育の早期化が進む中、感性が柔軟なうちに国際社会を経験させたいと、小学生で留学を選択するご家庭が増えています。小学生の留学は夏休みを活用した短期留学から本格的な海外留学、滞在スタイルによってもさまざま。お子様の意欲やご家庭の状況に応じて選びやすくなっています。人気の留学先や国による受け入れ年齢の違い、費用や成功させるためのポイントなどをご紹介します。

小学生の留学はメリットが多い!

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ESB Professional / shutterstock.com
小学生で海外留学と聞くと、「まだ子どもなのに早いのでは?」と心配になる方もいることでしょう。しかし実は、みずみずしい感性を持つ小学生だからこそのメリットがたくさんあるのです。以下にそのポイントを挙げてみました。

自主性・自立心が育つ

海外では子どもが小さいうちから自主性や自立心を伸ばす教育を行うのが一般的。日本ではまだまだ甘えん坊のお子さんも、同世代の子どもたちがしっかりと自己主張している姿に大いに刺激されることでしょう。高校生や大学生くらいになると自分の殻を破りにくくなるのに対し、発展途上の小学生なら、環境の違いで飛躍的な成長を見せることもあります。

グローバルな感覚が養える

留学は語学だけでなく、国際色豊かな友人たちに囲まれて過ごす貴重な機会に。早いうちから人種や考え方の違いを受け入れることで、自信がつき、広い視野を持つグローバルな感覚が養われます。将来、国際人として活躍していくには欠かせない素質です。

ネイティブ並みの発音が身につく

語学の習得は早ければ早いほどスムーズなもの。特にこの時期の子どもたちは、親世代が驚くほど美しい発音を身につけます。大きくなってからではなかなか難しい、ネイティブ並みの発音も目指せます。

帰国後、英語学習を積極的に行う

小学生のうちに生きた英語に触れ、英語に興味を持つことで、帰国後の英語学習に集中力が備わります。語学の習得には、本人の継続的な意欲が不可欠。大人が英語の重要性を説明するより、現地に留学して自身で体験したほうが熱意につながりやすいのは当然で、意欲を持つのが早いほど、その後の語学力に差がつきます

小学生留学にはどんな種類がある?

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小学生の留学は、留学期間や滞在スタイルによっていくつかのパターンに分けられます。
  • 期間……1週間から3ヶ月未満の短期留学/3ヶ月から1年以上の長期留学
  • 内容……語学研修中心/アクティビティ中心(短期)、ボーディングスクール/公立校(長期)
  • 滞在先…ホームステイ/寮/ホテル・コンドミニアム/アパートメント等
  • 人数……子どもだけの単身留学/保護者同伴の親子留学

小学生の留学、期間はどのくらい?

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春・夏休みを利用した短期留学

小学生の留学の場合、いきなり長期で留学するよりも、まずは小学校の長期休暇を利用して10日間や2週間などの短期で留学を経験する人がほとんどです。もちろん、短期で英語をマスターできるわけではありませんが、語学だけでなく、広い視野やチャレンジ精神などを磨き、ひと回りもふた回りも成長して帰ってきます。
短期留学では、下記に紹介するようなサマースクールやサマーキャンプに参加したり、教師宅でのホームステイなど、多彩な海外体験ができるでしょう。
■語学研修中心のサマースクールに参加する
小学生の留学のうち、最も手軽で人気も高いのが語学学校やボーディングスクールで実施されるサマースクールに参加すること。2週間程度から参加できる短期語学研修プログラムで、世界中から英語を学びにやってきた子どもたちと一緒に学ぶことができます。親元を離れ、語学を学びながら異文化を肌で感じる貴重な体験になります。

■アクティビティ中心も
サマースクールやサマーキャンプには、スポーツを通して国際交流を図るスポーツキャンプやアウトドアキャンプなどさまざまなコースが用意されています。午前中は会話中心の授業で、午後は観光などのアクティビティを楽しむサマースクールも。椅子に座って勉強するより、英語を使って楽しんだほうが身につく場合もあるので、お子様の適正や意欲に合わせて選択しましょう。

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3ヶ月以上や1年以上の長期留学 

3ヶ月以上や数年にわたる長期留学では、現地の公立校に通うか全寮制のボーディングスクールに入学するかに大きく分かれます(各国の受け入れ可能年齢については後述)。
ボーディングスクールに入学する場合を除き、1年以上の長期留学をする場合は多くのケースで保護者同伴が条件となります。小学生の長期留学は語学や国際感覚をしっかりと根付かせ、将来に役立てたいというご家庭におすすめ。留学後は中学受験の際に帰国する、現地の学校に進学するなどの選択肢があります。

親子留学では、お子様が学校に通っている間、親御さんも語学学校に通うなどしてスキルアップすることができます。

留学中の滞在先は?

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MR.Yanukit / shutterstock.com

ホームステイ

ホストファミリーの自宅に滞在し、食事や洗濯などの生活面でサポートを受けることができます。ホストファミリーとの交流を通して、現地の生活や文化に親しめる人気のスタイルですが、ホームステイ先で最低限のマナーは守れるよう、事前に親子で生活のシミュレーションをしておいたほうがいいでしょう。

ボーディングスクール(寮制学校)で集団生活

世界中から集まった子どもたちとの集団生活を通して、協調性やコミュニケーション能力が磨けます。将来的にボーディングスクールでの長期留学を検討していて、まずはサマースクールを体験するというご家庭も多いようです。

親子留学の場合はホテルや賃貸アパートでの滞在も

家族同伴での留学の場合は、短期ではホテルやコンドミニアム、長期であれば、日本国内と同様に賃貸アパートメントを契約する方法もあります。

留学費用はどのくらい?

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費用は留学先の国だけでなく、学校や期間、滞在方法などによっても料金が異なります。サマースクールは一般的な語学留学より少し高めになりますが、その分、プログラムが充実しているのが特徴。そのほか、24時間サポートなど、サポート体制が充実している場合は料金が高くなることもあります。目安の料金はこちら。

英語が母語の国は10日で約50万円

アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなど英語圏の国では、10日で20~50万円程度が目安。授業料のほか、生活費など必要経費はどうしてもかかってきますが、ヨーロッパやアジアなど世界各国から集まった子どもたちと本場の英語を学びながら異文化を体験できます。

アジア圏は2週間で約30万円

費用が抑えられるだけでなく、アジア人が多いため英語に自信がなくても馴染みやすく、コミュニケーションが取りやすいというのがアジア圏留学のメリット。まずはアジア圏の学校からスタートし、中学生や高校生になってから欧米の学校へとステップアップするのもいいでしょう。インターナショナルスクールの多いマレーシアなどではサマースクールも実施されています。

小学生の留学で気をつけること

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メリットいっぱいの小学生の留学。今すぐにでも検討したくなりますが、小学生の留学ならではの注意点もあります。

国によって、受け入れ可能な年齢がある

お子さんが単身で留学する場合、国によって受け入れ可能な年齢が異なります。

国名 スイス カナダ イギリス アメリカ
オーストラリア
ニュージーランド
受入年齢 3歳〜 7歳〜 8歳〜 10・11歳〜

お子さんが単身で留学する場合、国によって受け入れ可能な年齢が異なります。

■スイスは3歳~​
世界数十カ国から生徒が集まり、国際人を養成する名門ボーディングスクールが数多いスイス。低年齢からの留学を受け入れているのは、少人数制のアットホームなボーディングスクールが中心で、スタッフが生活面や心のケアまできめ細やかにサポートしてくれます。

■カナダは7歳~
カナダではサマーキャンプなど短期なら7歳から単身で留学できます。多文化国家であるカナダは、移民の子どもに向けた英語教育の水準の高さで定評あり。現地の小学校への正規留学の場合、親の同伴が必要です。

■イギリスは8歳~
世界で通用する英国英語が学べるイギリスへの留学。イギリスの小学校にあたるプレップ・スクールでは、8歳から寮制のボーディングスクール(寮制)がスタートし、留学生も8歳から受け入れてくれます。

■アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドは10歳~
アメリカやオーストラリア、ニュージーランドでは公立小学校で10~11歳(5年生)から単身での留学生を受け入れています。豊かな自然の中でのびのびと生活できるオーストラリアやニュージーランドは小学生の留学先としても人気があります。

保護者同伴の義務がある国も

アメリカでは小学生ではビザが取得しにくい、12歳以下をひとりにしておくことが法律で禁止されているなどの理由から、保護者が一緒に移住する親子留学のスタイルをとることがほとんどです。カナダでは長期留学の場合、19歳未満の未成年を単身で留学される場合にはガーディアンと呼ばれる後見人が必要です。海外では通学でも、親が送迎するのが一般的。一部の国の私立ボーディングスクールに入学する場合を除き、小学生が長期で留学する場合は生活面でサポートする保護者が同伴することが多いようです。

日本語学習は親が帰国後にフォローする

小学生のうちから長期で留学を経験すると、「日本語がおろそかになるのではないか」と心配されるご家庭も。確かに、日本語に触れる機会が少なくなる留学中は、日本語学習に遅れが出ます。しかし、母国語である日本語は、その後、取り返すのも難しくはありません。日本語の遅れが気になる場合は、親御様が帰国後にしっかりフォローしてあげてください。

小学生の留学を成功させる秘訣とは?

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安全な留学先、信頼できる滞在先を選ぶ

小学生の留学には、まず何より環境を重視する必要があります。街や学校、滞在先周辺の治安、学校やエージェントのサポート体制はしっかり確認しておきましょう。

目的に合った留学プログラムを選ぶ

まずは海外での留学生活を体験し、同世代の子どもたちの中でさまざまな経験をしたいという場合や、短期間でもできる限り語学の習得を目指したいという場合など、留学の目的は人それぞれ。留学カウンセラーやエージェントから幅広く情報を集め、目的に合った国や学校を探しましょう。

子どもの適正・語学レベルに合った学校を選ぶ

無理をしても本人がつらくなってしまいますし、挫折してその後の語学の習得に影響しては本末転倒。子どもの意思を尊重しながら、適正や語学レベルに合わせて留学を計画することが大切です。

基本的な挨拶や身の回りのことはできるようにしておく

小学生の留学で、問題となりやすいのは語学よりも生活やコミュニケーション面。初めての環境や大人たちに囲まれて、気持ちがうまく伝えられず、スムーズにコミュニケーションが取れないと、小さな子どもに戻ったような気持ちになって自信をなくしてしまいます。

出発前には身の回りのことを自分できるように練習し、挨拶や声かけなど周りの大人との基本的なコミュニケーションの取り方をおさらいしておきましょう。ホームステイの場合は、「行ってきます。今日は●時頃帰ります」「洗濯がしたいのですが」など、生活で起こりうるシチュエーションに沿って重点的に会話を練習しておくと安心です。

お子様に最適な方法で留学を成功させよう

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ひと昔前までは高校生や大学生がするものというイメージのあった留学ですが、最近では小学生の留学が一般的になり、選べる留学プランも多種多様と、選択肢が広がっています。

英語力を身につけるだけなら、日本にいながらにして合宿制の英会話学校で英語漬けの時間を過ごしたり、国内の外国人家庭にホームステイしたりする「国内留学」も人気。長期が無理でも希望を捨てず、短期で何度か挑戦するなど、お子さまの意欲や気持ちに寄り添いながら、最適な方法を検討してみてくださいね。

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この記事のライター